インターネットの普及にともなって、自宅のパソコンや外出先からのスマートフォンなどを通じて商品やサービスを購入する機会も増えてきました。忙しくて買い物に時間を取れない人にとって、ネットショッピングは欠かせないものです。
「家計消費状況調査」(ICT関連項目、平成27年平均)によると、ネットショッピングを利用している(インターネットを利用した支出がある)世帯の割合は、全体で25.1%。世帯主の年齢階級別にみると、20代(29歳以下)は46.8%でおよそ5割。30代、40代、50代、60代と年齢が高くなるにつれて利用率が下がるので、若い人ほどネットショッピングをしているということがわかります。
1ヶ月の支出額を見ると、20代は22,984円で、他の年代より少なくなっていますが、世帯収入から考えると、家計の全体に占めるネットショッピングによる支出の割合は多いといえるでしょう。皆さんの家庭でも、最近の消費行動を振り返ってみると、以前よりもネットショッピングをする頻度や金額が増えているのではないでしょうか?
●比較購入で「得」をしても、時間は「浪費」
ネットショッピングの良いところは、いつでも、場所を選ばずに、価格を比較しながら購入できることです。同じ商品でも安く購入できれば家計にもプラスになります。けれども、ネットショッピングの際にいろいろと検索していると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。金額面でお得に購入できたことに満足していると、「時間の浪費」には気づかないのです。
●リアル店舗より弱まる警戒心と「ついで買い」
ネットショッピングでは、画像や文字情報を頼りに最終的な購入の判断を行います。リアルの店舗に行って、店員さんが近づいてくると「しつこいセールをされはしないか」と、自然と警戒心が強まります。ところがネットショッピングだと、自ら進んで情報を取りに行っていることもあり、警戒心も弱まり、ネット上の情報を鵜呑みにして購入ボタンを押して、あとで後悔することもあります。
また、購入の度に「あなたにおすすめの商品」や「他の人はこんな商品も買っています」というような情報が表れ、「そういえばこれも欲しかったな」と、ついつい「ついで買い」をして余計な出費をしてしまうこともあります。
●出費している感覚が薄れる
ネットショッピングでは複数の支払方法が用意されていますが、クレジットカードを利用することが多いでしょう。サイトによっては利用するカードを事前に登録する機能があり、登録しておけば詳細なカード情報を都度入力することなく、購入手続が済みます。リアルの店舗での買い物だと、現金で支払う時は財布から現金を取り出しますし、カードを利用する場合でも、少なくともカードを取り出すという行為があるので、「お金を使っている感覚」があります。ネットショッピングでのカード決済では、お金を使っている感覚になりにくく、ついつい浪費してしまいがちです。
●「3つのワナ」への備え
ネットショッピングでの無駄な出費を抑えるためには、以下の「3つのワナ」に対応した備えがポイントになります。
・利用時間を決める
・買い物リストをつくる
・カードの利用登録をしない
この3つを実践すれば、「時間の浪費」や「ついで買い」も抑制され、お金を払っていることに意識が行くので「浪費」も少なくなります。
●家計のネットショッピングの支出に注目してチェック!
ネットショッピングは、正しく利用すれば、時間とお金の節約を同時に叶えてくれる便利なものです。けれども、気軽さが逆に仇となって、ついつい余計なものを購入してしまう恐れもあります。ご自身の家計を数年前と比べて、ネットショップの利用率がどのくらい増えたか、そして無駄な買い物をしていないか、定期的にチェックすることをおすすめします。
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