FP(ファイナンシャル・プランナー)とはじめる賢い生き方

 

実録 FPに相談!家計見直し講座 第2回 家計やりくり編 予算を立てたものの赤字の連続!大ピンチの家計をどう立て直す?

「ファイナンシャル・プランナー(FP)に家計診断してもらったり、家計見直しのための相談をしたいけれど、何を準備したらいいかわからない」など、相談へ一歩踏み出せない人もいるはず。そこで、「悩みはお金が貯まらないこと」だという高橋洋介さん・美波さん(仮名)ご夫妻のFPへの相談を密着取材させてもらうことにしました。
第2回では、「貯められる」ようになるための、より具体的な見直しとアドバイスが始まります。

STEP1 予算と家計簿をつきあわせて「お金が貯まらない」原因を徹底究明

第1回目の家計相談で、月々の生活費を18万円に抑えることを決意した高橋夫妻。3カ月分の家計簿を携えて「生活マネー相談室」を訪問したものの、PCのディスプレイに家計簿が表示された途端、苦笑いを浮かべました。

二人の「本気度」を再確認しながら、支出の内容をチェック

八ツ井さん「老後に生活が破綻しないために、前回、生活費を月18万円に抑える見直しプランを立てたわけですが、この3ヶ月間は予算オーバーしていますね。もちろん、支出を減らすことは簡単ではないので少しずつ予算に近づければいいのですが、いかんせん、8月よりも9月の支出が増えているのは問題ではないかと……」
高橋夫妻「はい………」
八ツ井さん「今日は、お二人の本気度を確認しながら対策を考えたいと思います」
洋介さん「食費はがんばったのですが、「交際費」と「美容・衣服費」「ペット費用」がオーバーしてしまいました」

「交際費」と「美容・衣服費」を使い過ぎる傾向が…

見直しは「大きなお金が動くところから」がポイント

FPの八ツ井さんと高橋夫妻とのやり取りは、予算オーバーしている「美容・衣服費」が焦点に。仕事用のスーツやバッグなどが高額になる場合もあるため「衣服費」を削る自信がないと言う洋介さんに対し、八ツ井さんは代わりに他の費目の予算を減らすことをアドバイス。話 し合いの結果、自動車購入費を現在の1回400万円から300万円に下げ、買い換え時期も7年ごとから10年ごとに延ばすことになりました。

八ツ井さん「美容・衣服費は月2万5000円で間に合いますか? それ以前に、生活費は月18万円のままでいいですか? この3ヶ月間の収支を見る限りでは、収入に相応していない生活をされているようにも思えます。美波さんがもっと働いて収入自体を増やす選択肢も考えられますが……」
美波さん「それはちょっと……(苦笑)」
洋介さん「美容・衣服費はこのままにして、月18万円で頑張ってみます」

家計の見直しは、「大きなお金が動くところから」始めるほど高い効果があります。というのは、そこに価値を置いているから。減らすことが辛い部分でもあるだけに目標をクリアできたときには、ムダ使いも目に見えて減っているはずです。

高橋家は生活費を月18万円に抑えたとしても、洋介さんが72歳時点の貯蓄残高が1,000万円を切る見込みです。自動車購入費の見直しで浮いた600万円は、できることなら生活費に充てず老後資金に回しましょう。

現状では貯蓄がほぼゼロなので、ペットの治療費を生活費から出すことになってしまいました。これは本来なら貯蓄で対応すべきもの。急な支出に備えるためにも、しっかりと貯蓄を増やしていきましょう。

STEP2 レシートの○×チェックでムダづかいを徹底的にチェック!

前回の相談では、FPの八ツ井さんから高橋夫妻に「レシート○×チェック」という宿題が出されました。さて、その成果やいかに?

家計見直しは、はじめたときが一番つらい

八ツ井さんは、高橋夫妻に「×」と「○」をつけた項目を振り返り、それぞれにどんな傾向があるのかをたずねました。

美波さん「私は、テレビ通販を見て衝動買いする傾向があるみたいです…」
洋介さん「僕は、ついカフェに立ち寄ったり、飲んだあとにカップ麺を食べてしまったり……。参加する必要のない飲み会には出ていませんが、飲み過ぎることはあります。それと9月は、たまたま多かったこともあって……」
八ツ井さん私の経験則では、「この月はたまたまこうだった」と言う人は、毎月同じことをする傾向があるんですよ。では、○のほうはどうでしょう?」

洋介さん「海外の赴任先から一時帰国した同期との飲み会では、有用な情報交換ができました」
八ツ井さん「それは間違いなく○ですね! 私も人との交流はとても大切だと考えています。ただし、予算をオーバーし過ぎるのは問題です。予算内に納める方法を模索するといいかもしれませんよ」
美波さん「夫に仕事関連の飲み会を減らして欲しくはないので、私が友人と飲むときは“家呑み”にすればいいのかも!」
八ツ井さん「それはいいアイデアですね」

家計の見直しは、飛行機のフライトに例えることができます。離陸から巡航高度に達するまでは非常に大きなエネルギーが必要ですが、安定飛行に入ればそれほど多くのエネルギーは要りません。同様に見直しも始めたばかりのときが一番つらいもの。でも、慣れてしまえばどうってことはありません。

支出削減の方法は「使わない、安く抑える、代替品を活用する、作る」の4つ。とはいえ、お金を使わないことには限界がありますから、セール品を上手に利用したり、外で呑まずに家呑みをする、買わずに作ることを心がけましょう。

高橋さんご夫妻は、今まさに離陸体制に入った段階です。しばらくは辛いかもしれませんが、今が踏ん張りどころですよ。

FP八ツ井さんから出された「新たな宿題」とは>>

提供:特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
掲載期間:2016年6月24日~2017年3月31日【PR】