都心から気軽に行ける伊豆大島へ週末旅行

たまにはのんびり過ごしたい。でも、まとまった休みは急にとれないし……と思っているあなたにオススメしたいのが、都心から気軽に行ける東京の島、伊豆大島への週末旅行。夫婦でも友達同志でも楽しめる、大人の島旅を紹介します。

提供:株式会社オールアバウト

アクセスは東京・浜松町から

船上から見た東京の夜景

船が動き出したらすぐにデッキへ。船上から美しい夜景を眺めながら、都心を離れていきます。

伊豆大島へのアクセスは、東京・浜松町にある竹芝桟橋から「東海汽船」の船が便利です。高速ジェット船ならわずか1時間45分で到着しますが、船旅の醍醐味を味わいたいなら大型客船もアリ。仕事終わりの金曜夜に出発し、東京タワーやレインボーブリッジ、お台場、羽田空港など、船のデッキから東京湾の夜景を眺めながらいただくビールは最高です! ほろ酔いで眠りについて、翌朝目が覚める頃には島に到着。「ここって本当に東京?!」と思うような、青い海と広い空、豊かな自然が迎えてくれます。たった一晩で日常から非日常へトリップです。

ドライブしながら大島の自然を楽しむ

島内にはバスもタクシーもありますが、車の運転ができるならぜひレンタカーで。事前に予約しておけば港まで迎えに来てくれます。島をぐるりと一周できる「大島一周道路」を、目的ナシに車を走らせるだけでも十分に楽しめます。今回は、大島北部にある岡田港から時計回りにドライブしながら、観光スポットを巡ります。

車を走らせてすぐのエリアは「泉津」。そこには「切り通し」と呼ばれる緑の階段があります。階段の両脇には巨木がそびえ立ち、まるで仁王像のよう。あたりには凛とした空気が漂い、そこに佇んでいるだけでパワーが充電されるような感じがします。

次の目的地「波治加麻(はちかま)神社」も深呼吸をしたくなる場所。杉林の中にある参道にはコケの絨毯が広がり、奥にあるお社に向かって進んでいくと、まるで別世界に紛れ込んでしまったかのような気分に。しっとりとした空気と緑の美しさに、身も心も癒されます。

泉津の「切り通し」

泉津の「切り通し」。大島一周道路沿いに忽然と現れます。

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「波治加麻神社」の参道。趣ある鳥居から、苔の参道が続きます。

日本唯一の「砂漠」へ

そしていよいよ「裏砂漠」へ。ここは、国土地理院が作成する日本地図において、唯一「砂漠」と表記されている場所。降雨量が極端に少なく、砂や岩石の多い土地で、地学的にもれっきとした砂漠です(砂丘とは違います!)。一面に広がるのはサラサラとした砂ではなく、スコリアと呼ばれる火山噴出物の一種。軽石のような質感で、ザクザクとしています。しーんと静まり返った、見渡す限りの真っ黒な景色の中を歩いていると、別の惑星に来たみたい。日本とは思えないような世界を、ここ東京の伊豆大島で体験することができるのです。

裏砂漠

東京どころか、日本とは思えない風景が広がります。

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ただただ景色を眺めて、ぼーっとしてしまいます。

風情溢れる漁港「波浮」で味わうローカルグルメ

裏砂漠ウォーキングのあとは、大島南部の波浮港へ。波浮は、明治、大正、昭和にかけて大いに賑わった港町で、川端康成の小説『伊豆の踊子』の踊子「薫」のモデルとなった女性が踊っていたと言われる「旧港屋旅館」が資料館として残されています。

ここでのオススメは、地魚をつかったローカルグルメ。なかでも、「港鮨」の「べっこうにぎり」は絶品です。「べっこうにぎり」とは、島とうがらし醤油につけた白身魚をネタにしたにぎり寿司で、伊豆大島の郷土料理。つややかな見た目は、べっこうという表現がぴったり。にぎりを一つ頬張ると醤油の風味が口いっぱいに広がり、ほどよい辛さがやみつきになりそう! ほかにも、その日に仕入れたネタがお皿にずらりと並ぶ「地魚にぎり」や、ボリューム満点の「伊勢エビ天丼」など、大島の魚のおいしさを満喫できるメニューがそろっています。週末は混雑するので、前もって電話予約しておくと良いでしょう。

べっこうにぎり

べっこうにぎり(1,750円)、地魚にぎり(1,750円)、伊勢エビ頭の味噌汁(450円)。事前予約がベター。

港鮨

港鮨

住所:大島町波浮港1  電話:04992-4-0002 

営業時間:11:30~14:00、17:00~21:00 定休:火曜

お腹いっぱいになった後は、風情ある港町を散策。「文学の散歩道」の階段を登った先にあるのが、モチモチとした羽根つきたい焼きで有名な「島京梵天」。地元ファンも多い人気店です。店内のノスタルジックな雰囲気も味わいながら、時間を忘れてまったりしましょう。

たい焼き

羽根つきで食べごたえも十分。たい焼き・粒あん(150円)

島京梵天

島京梵天

住所:大島町波浮港6  電話:04992-4-1567

営業時間:11:30~18:00 定休:月曜・火曜

部屋から、温泉から、絶景を堪能「大島温泉ホテル」

朝早くからアクティブに動き回ったので、少し早めにホテルへチェックイン。今回宿泊する「大島温泉ホテル」は、標高500mに位置する山の中のホテルです。最大の魅力は、三原山を望む最高のロケーションの露天風呂。源泉かけ流しの温泉に浸かりながら眺める景色は、何一つ視界を遮るものがなく、原生林越しに雄大な三原山を望むことができます。夕方、夜、早朝など、時間によって景色の雰囲気もずいぶんと変わるので、時間の許す限り何度でも入りたいところです。

温泉露天風呂から三原山を眺める

露天風呂に入りながら三原山を眺めることができる、唯一無二の景色。

夕景の富士山

三原山方面とは反対側の景色。天気が良ければ富士山も見ることができ、こちらも絶景。

夕食は、大島特産の椿油で新鮮な魚介類を揚げる「椿フォンデュ」が人気。肌や髪につける化粧油として有名な椿油ですが、実は食用もあるんです。オレイン酸を多く含む椿油はとってもヘルシーで、椿油で揚げた天ぷらはサックリとして口当たりが軽く、胃もたれしにくいのだそう。アツアツの揚げたてを食べられるのが嬉しいご馳走です。

椿フォンデュ

大島温泉ホテルの名物「椿フォンデュ」。自分で揚げながら食べるのも楽しい。

夜が深まってきたら、ぜひ外へ出てみましょう。国立公園の中に位置している大島温泉ホテルは、周辺に街灯がほとんどありません。エントランスを出て、建物から数十メートルも離れると、真っ暗です。だからこそ、満天の星が楽しめます。夜空を見上げると、そこには星、星、星! 都会では決して見ることのできない天の川もハッキリと見えます。何時間でもじっと見ていたい、神秘的な光景です。ホテルのフロントに声をかければ双眼鏡を貸してくれるので、星空観察の際には利用しましょう。

星空

空一面の星空に感動! オススメの観察スポットはホテルのフロントで教えてくれます。

大島温泉ホテル http://www.oshima-onsen.co.jp/

住所:大島町泉津字木積場3-5 電話:04992-2-1673(7:00~21:00)


三原山で自然の迫力を目の当たりに

週末旅の最終日は、伊豆大島のシンボルである三原山トレッキング。山頂入口から頂上までは、舗装された遊歩道があるので、タウンユースの服装でOK。ですが、途中で急な坂道もあるので、トレッキングシューズに厚手の靴下といった装備をしておくと、足への負担が少なくてすみます。火口まではおよそ45分。時間があれば、火口を一周する「お鉢めぐりコース」にチャレンジするのも良いでしょう。地面からの熱が感じられ、自然の迫力を満喫できます。

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展望台から三原山を一望。山の黒い部分は溶岩が流れた跡。

いよいよ伊豆大島で過ごす時間も残りわずかとなりました。最後のお楽しみは、元町港近くのアイスクリーム屋さん「トリトン」。大島産の食材を使い、砂糖をできるだけ控えたフレーバーは、やさしい味わい。一番人気の「パッションフルーツ」をはじめ、「明日葉(あしたば)」「紅いも」「大島牛乳」など、島ならではのアイスを楽しんだら充電終了。帰りは、高速ジェット船で東京へ帰りましょう。

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島のアイスクリーム屋 トリトン

住所:大島町元町1-10-9 電話:04992-7-5425

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東海汽船 http://www.tokaikisen.co.jp/

東京・竹芝客船ターミナル~大島

大型客船(夜発・1便)約8時間

高速ジェット船(1日2~3便)1時間45分

※詳しい時刻表はこちらよりご確認ください。