家族のためのカーライフ/車にまつわる安全性やお金のはなし

データから読む。どんな車なら、より安全なのか?

最近は自動ブレーキをはじめとした最新安全機能を備えた車が増えてきました。しかし、そんな最新安全機能があっても、事故をゼロにすることまではできません。衝突安全性をテーマに、安全な車とは何かについて考えてみましょう。

執筆者:All About編集部

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衝突しそうな車が自動で急ブレーキをかけ、障害物の寸前で止まる。そんなテレビCMをどの自動車メーカーも放送しています。しかし、その最後には、必ず但し書きが流れています。

自動ブレーキは万能ではありません。一定の速度以上では衝突を避けられませんし、雨や雪などの路面状況によってはタイヤのグリップが落ちてさらに衝突の危険は高まります。そうした情報が、CMの最後に付け加えられているのです。また、販売店で車を購入する際には、販売員の方から説明も受けるでしょう。

一方、自分で事故を起こさなくても、ぶつけられて事故に巻き込まれる可能性もあります。その場合、自分の車が自動ブレーキを備えていても、何らかの被害を受けざるをえません。

つまり、いくら最新の安全機能であっても、それに頼りきってしまってはいけないのです。車を運転するからには、常に周囲に気を配るなど、「自らの安全を守る」ために考え、行動することを心がけなければなりません。

「自らの安全を守る」ための有効な方法の一つには、慎重な車選びも挙げられます。その際、参考になりそうなのが、こちらのデータです。

出典元:公益財団法人交通事故総合分析センター

こちらのデータによれば、軽自動車と比べて小型乗用車(いわゆる5ナンバー車)は約1.6倍、普通乗用車(同3ナンバー車)は約1.9倍「安全」ともいえます。

同様に、自らの安全を守るための車選びの参考になるのが、「自動車アセスメント」です。こちらでは、国土交通省と自動車事故対策機構が、衝突実験や頭部保護性能試験など、さまざまな試験を行った結果を車種ごとに公表しています。

平成23年(2011年)からは、「新・安全性能総合評価」が導入され、点数(208点満点)と、点数によってつけられる星の数(170.0点以上で星5つ)によって評価。

現時点で最新の2015年版の自動車アセスメントによれば、平成23年(2011年)以降に試験が実施された車では、星5つを獲得している車種は普通車のほうが軽自動車より多いという結果が出ています(ちなみに、星5つの軽自動車は、2015年版では1車種しかありません)。

また、たとえ同じ星5つでも、点数に関しては普通車のほうが高い傾向にあります。

出典:独立行政法人自動車事故対策機構

同じく国土交通省と自動車事故対策機構によるもう一つの試験が、「予防安全性能アセスメント」です。こちらはまさに冒頭で取り上げた自動ブレーキのような事故を未然に防止する技術、いわゆる予防安全技術を搭載した車を評価するもので、平成26年(2014年)から始まりました。

最新の2015年(平成27年)版では、合計37車種の試験結果を公表。総合得点は40点満点で評価され、軽自動車が概ね1ケタの点数なのに対し、普通車は2ケタ、それも多くが20点以上を獲得しています。

予防安全性能アセスメントは、衝突被害軽減制動制御装置(いわゆる自動ブレーキ)と車線逸脱警報装置(走行中に車線を逸脱するとドライバーに警報する機能)についての試験であるため、車線逸脱警報装置を備えた軽自動車が試験時にはなかったことが点数の差に表れているといえるでしょう。もっとも、自動ブレーキのポイントにおいても、普通車のほうが軽自動車よりも全般的に得点が高くなっています。

予防安全性能アセスメントは、今後も技術の進化に合わせて試験範囲が拡大される方向で、巻き込み事故などを防止する「車両周辺視界情報提供装置」、歩行者に対しての被害軽減を目的とした装置に関しても試験を実施していく予定です。

これから軽自動車が予防安全装置を備えれば、安全性能は高まるものの、それが価格に反映されて値上がりする可能性が高く、いずれを重視するか、軽自動車ユーザーは難しい選択を迫られそうです。

ちなみに、All About「自動車・バイク保険」ガイドの西村有樹さんにうかがったところ、2013年に自賠責保険の損害率(純保険料に対する支払保険金)の悪化によって、2011年に続き、2013年にも自賠責保険料が引き上げられています。普通車が11.6%に対し、軽自動車は20%の引き上げ率。理由は明確にされていませんが、上記のような結果が影響を与えたのかもしれません。

2015年4月からは軽自動車税もアップしました。その結果、2014年には新車販売台数の約4割を占めていた軽自動車ですが、2015年はその割合を3%ほど減らしています。狭い道での取り回しやすさや価格を考えれば、1L以上のコンパクトカー、たとえばトヨタのPASSOのようなクルマも有力な候補です。さらに、安全性の観点も加えれば、自分にとってより最適な車が見つかるでしょう。

今、おすすめのコンパクトカーを紹介

提供:トヨタ自動車株式会社
掲載期間:2016年4月12日~2016年7月11日