パスタ鍋の代名詞となったマンマの愛用品


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どの分野にもギアフリークがいるが、料理においても例外ではない。男心をくすぐるのは道具の美しさであり、機能性や長年愛用できるライフタイムワランティーにある。

 

「マンマ以外のパスタを食べると殺される」。これは映画『グラン・ブルー』でイタリア人のエンゾ役を演じたジャン・レノが、フランス人ジャック・マイヨールに発した台詞だ。イタリア人にとってマンマの味、すなわち「お袋の味」こそがパスタであり、家でパスタを食べることでイタリア人であることを主張し、自覚しているかのようだ。

イタリア男性を表す言葉で「マンモーネ」(=甘えん坊のお母さんっ子)という言葉がある。そう聞くとマザコンとも解釈できるが、イタリア男性の心の奥はまったく違う。家族を一番に思い、家族の料理を日々作ってくれるマンマを敬う心がイタリア男性にはあるのだ。

たとえ外食しようとも、結局はマンマの味が世界で一番おいしい、そんなことを当たり前のように話す。

そして、イタリアの家庭からはこんな会話も聞こえてくる。「ちょっと、ラゴスティーナを取っておくれ」。マンマが子供にパスタ鍋をお願いするときの会話である。イタリアの家庭ではラゴスティーナの鍋が100%近いシェアで使われている。マンマの味を嫁に受け継ぐ信頼のブランドであり、そこにはそれぞれの家族の味と歴史が刻まれていくのだ。

 

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イタリア初のステンレス製クックウェア

■プロが実践するパスタの仕上げ
パスタ鍋や圧力鍋で知られるラゴスティーナは、1933年にイタリア初のステンレス製調理器具を販売し、ステン(=錆び)レス(=にくい)の特性を活かした高い耐久性と熱伝導力、そして繊細なデザインを実現した。この革新的な製品は、ニューヨーク近代美術館の永久収蔵品にも選ばれているほどで、イタリアを代表するパスタ鍋のひとつである。

ラゴスティーナの情熱はパスタ鍋の細部にまでおよぶ。パスタは湯を沸騰させ続け、強火で一気に茹でることで、麺の外側と内側が同時に茹で上がり、麺をおいしく仕上げることができる。そのとき、吹きこぼれによる温度低下を防ぐため、パスタストレーナー(湯切り器)の大小2種の穴が沸騰時の気泡を小さくし、吹きこぼれを防ぐことができる。

また、ドーム型のフタは単なる装飾ではなく、裏返せばボウルとなり、熱い湯の入った鍋の上にあてがいながらパスタソースを絡めるといったプロのシェフも実践する技術を可能としている。

細部まで研究されたデザインは、パスタ大国イタリアだけでなく、パスタをこよなく愛する世界中の人からも絶賛されるほどのこだわりと機能なのだ。

 

イタリア人はこうしてアルデンテを感じる

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かつて、私がイタリアはナポリに行ったときのこと。特別にレストラン厨房に入らせてもらったのだが、シェフ曰く、「イタリア人はパスタを壁に投げつけて、アルデンテの茹で上がりを確かめる。壁にペタリとくっつけば最高の食感になる」と言っていた。

だが、パスタを壁に投げつけるのに抵抗があるならば、指でパスタを一本だけすくい上げて、ぶら下がった麺同士が絡まりそうな具合がちょうど良いアルデンテだと教えてもらった。

 

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また、重要なのはパスタを茹でる鍋にもある。岡山県で有名な、羽釜うどんというものがあるが、羽釜底面の丸みを帯びた形状が、うどんを茹でるときに麺と麺が絡まずに、踊るように茹でられるから美味しいとされている。パスタも然り、一定の温度で保つことができ、麺と麺が絡みにくい寸胴タイプの鍋で作るパスタこそ美味しい。そうラゴスティーナの鍋が教えてくれる。

200年前のイタリアでは、庶民が素手でパスタを食べていた。あるとき、ナポリ国王の「もっと上品に食べられるように」との一声で誕生した四本歯のフォークは、今や世界で食事をするときの必需品となった。ラゴスティーナのパスタ鍋もまた、世界でパスタを茹でる定番品となる日も近いのかも知れない。

 

 

DATA

Lagostina┃パスタイオーラ・ピュウ 18cm/22cm
サイズ:幅×奥行き×高さ
18cm/28.3×19.6×26.2cm 22cm/33.0×24.3×30.0cm
重量:18cm/2,000g 22cm/3,100g
容量:18cm/4L 22cm/6.6L
価格:18cm/23,000円 22cm/34,500円(税込/希望小売価格)

 

撮影┃佐坂和也
協力┃グループセブ ジャパン

荒井康成(あらい・やすなり)氏

荒井康成┃Yasunari Arai

1968年、東京都生まれ。輸入雑貨商社、料理道具メーカーを経て、料理学校の講師やフードスタイリング、料理雑誌での執筆など、料理道具コンサルタントとして活躍。著書に『ずっと使いたい世界の料理道具』(産業編集センター)がある。

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