間質性肺炎の基礎知識

間質性肺炎って、どんな病気?

人間の肺は、ブドウの房のような「肺胞」の集まりで、肺胞が伸縮することによりガス(酸素と二酸化炭素)を交換しています。肺胞の壁(ブドウでいうと皮のところ)を「間質」といい、間質に炎症が起きて肺胞壁が硬く厚くなる病気を「間質性肺炎」といいます。
間質性肺炎の原因は、粉塵、カビ、ホコリなど多岐にわたり、原因物質によって治療法が異なります。

出典: 医療特集:間質性肺炎 | 姫路市の内科・呼吸器科・AGA・禁煙外来 田中クリニック

間質性肺炎になると、肺はどうなるの?

肺胞壁が厚くなって肺胞の形が不規則になり、肺全体が硬くなります。弾力がなくなった肺は膨らみにくく、ガス交換をスムーズにできません。炎症が進むと、肺はさらに縮んで繊維性成分の塊となってしまい、硬化した部分は肺として機能できなくなります。

出典: 間質性肺炎|慶應義塾大学病院 KOMPAS

どんな人がなりやすいの?

職業、環境、喫煙などが影響します。職業由来では、建築や建物の解体、トンネル工事、製紙業、陶磁器製造業、ガラス工場など粉塵を吸入する機会が多い人、農業従事者などが発症しやすく、環境由来では、鳥やペットを飼っている人が発病しやすいといわれます。

出典: 間質性肺炎 | 神戸市立医療センター中央市民病院

間質性肺炎の症状

初期症状は?

咳や息切れなどの症状が現れます。痰を伴わないケンケン・コンコン・コホンという乾いた咳(空咳)が多く、階段や坂道を登ったときに息切れを感じます。進行が早い場合、発熱することもあります。

出典: 間質性肺炎|慶應義塾大学病院 KOMPAS

進行すると、どうなる?

空咳に加えて息切れがひどくなり、着替えなどの軽い日常生活でも困難を感じるようになります。体内に取りいれられる酸素が少なくなるため、めまい、ふらつき、疲労感を覚えます。手足の指の末端が太くなる「ばち指」の症状が見られる人もいます。

出典: 間質性肺炎|慶應義塾大学病院 KOMPAS

間質性肺炎の治療法(1):原因が分かっているもの

原因物質を取りのぞき、薬物療法を行う

職業や生活環境、喫煙など、吸入物質が原因となる場合は、原因物質を取りのぞきます。それができないとき、原因を取りのぞいても進行するときは、ステロイドや免疫抑制剤による治療を行います。薬剤の副作用が強いため、投薬せずに経過を見ることもあります。

出典: 間質性肺炎 | 神戸市立医療センター中央市民病院

症状に合わせた対症療法を行う

咳がひどい場合は咳止めの薬を使う、息切れがひどいときは在宅酸素療法をするなど、症状に合わせた治療を行います。必要に応じて呼吸リハビリをしたり、心臓の治療をしたり、若年者では肺移植を検討したりすることもあります。

出典: 医療特集:間質性肺炎 | 姫路市の内科・呼吸器科・AGA・禁煙外来 田中クリニック

間質性肺炎の治療法(2):原因不明のもの

病状に合わせた治療をする

原因を特定できない間質性肺炎は「突発性間質性肺炎」と呼ばれ、病態により6つに分類されます。炎症を抑えるステロイド剤、肺胞壁の硬化を抑制する抗繊維化剤、抗酸化剤などを病状に合わせて使います。喫煙者は、禁煙して経過観察することもあります。

出典: 難病情報センター | 特発性間質性肺炎

「突発性間質性肺炎」は予後不良の疾患で、平均的な生存期間は、欧米では診断後28~52か月、日本では初診時から61~69か月といわれます。その一方、個人による差が大きいともいわれます。タバコを吸う人は禁煙する、過労や睡眠不足を避ける、適正体重を保つなど、自己管理を徹底します。

急性憎悪(きゅうせいぞうあく)を予防する

もともとあまり良くなかった病気の状態がさらに悪化することを「増悪」といいます。間質性肺炎で急性増悪を起こした場合、呼吸不全が突然進行することがあります。風邪をはじめとする呼吸器感染症が原因で起こりやすく、この状態になると、死に至ることも少なくありません。

リンク: 乾いた咳が出る…間質性肺炎の症状は?注意すべき「急性増悪」とは | いしゃまち

間質性肺炎はかぜなどの感染症をきっかけとして、急激に進行・悪化することがあり、これを急性増悪といいます。急性増悪の症状としては、発熱や急激に悪化する呼吸困難、咳、痰などがあります。かぜを引かないように冬場は人ごみを避けるなどの一般的な注意の他、該当する症状がある場合にはすぐに外来を受診するようにしてください。

リンク: 間質性肺炎|慶應義塾大学病院 KOMPAS

日常生活では、症状が急激に悪化する「急性憎悪」を起こさないようにすることが大切です。
☆風邪、インフルエンザを予防する
☆禁煙する
☆無理をしない(過労、睡眠不足を避ける)
などを心がけましょう。

リンク: 医療特集:間質性肺炎 | 姫路市の内科・呼吸器科・AGA・禁煙外来 田中クリニック

毎年、この病気で数千~1万人程度が亡くなっている。60代以降で息切れや空咳が気になる人、喫煙者(過去に吸っていた人を含む)、化学物質や粉塵が多い職場で働いていた人はリスクが高い。「早期発見、早期治療が大事。単に年齢のせいなのか、それとも病気の症状なのかを診断してもらうだけでいいので、息切れがある人は一度、呼吸器内科を受診してほしい」

リンク: 急性増悪で死に至る可能性も 間質性肺炎の危険性 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版