RSウイルスとは、どんな病気?
RSウイルスに感染すると、器官や喉など気道の細胞がくっついて合わさってしまいます。どの部位に感染するかによって症状が異なり、上気道炎、咽頭炎、気管支炎、細気管支炎、肺炎などを引き起こす原因となります。
RSウイルスは、「飛沫感染」や「接触感染」によってうつります。
「飛沫感染」はくしゃみや咳、会話によって、ウイルスが含まれた唾液などが飛散し、それを吸い込むことで感染します。
「接触感染」はウイルスがついた手で口、鼻、眼などを触り、ウイルスが体内に入ることで感染します。ウイルスがついたおもちゃなどを舐めたりすることでも感染しますので、大人から子供にうつさないような配慮も必要です。
感染してから発症するまでに、2~8日(一般的には4~6日)の潜伏期間があります。潜伏期間内でも、咳や鼻水、高熱が出ることがあるので、そのような症状が現れたら「風邪」と思いこまず、医師の診察を受けましょう。
多くの場合、発熱、咳、鼻水などを発症し、1週間程度で回復するといわれます。ただし、生まれてから3か月未満の乳児は重症化するケースがあるため、できるだけ感染させないように注意しなければなりません。
RSウイルスは、毎年秋から冬にかけて流行する呼吸器系の感染症です(近年は環境の変化に伴い、夏でも流行することがあります)。1度感染しても十分な免疫ができないため、何度もかかることがあり、大人になってからも感染します。
子供がRSウイルスに感染したときの症状は?
ウイルスに感染して4~6日すると、発熱、咳、鼻水など風邪と同じような症状が現れます。
だいたい1週間程度でよくなりますが、初めて感染する乳児の30%程度が、発症から2~3日以内に、咳がひどくなり、気管支炎や肺炎に至ることがあります。
小学生以上の子供の場合は、風邪程度の症状でさほど重症には至らないことが多いようです。
ただ、肺炎や気管支炎を引き起こして高熱が続いたり、気管支喘息の場合は喘息の発作が出たりするので注意が必要です。
0~1歳の子供で、初めてRSウイルスに感染した場合は、重症になることが多く、入院が必要になる可能性があります。
2回目以降の感染の場合は、初めての時ほど重くはならないことが多いようです。
RSウイルスに感染したら、保育園に報告するべき?
RSウイルスは「飛沫感染」や「接触感染」によって容易に広がり、保育園に通う子供のほとんどが1歳までに感染を経験する病気です。感染したら保育園に報告して、ほかの子供にうつさないように対策をとってもらいます。
いつから登園できるの?
咳や痰、息苦しさなどの症状がなくなり全身の状態が良くなったら登園可能です。2歳以上になると、発熱が治まると登園させてしまうケースがありますが、RSウイルスは完治後も1~3週間感染力を維持するため、症状が完全になくなるまで待ちましょう。
RSウイルスは学校保健安全法に指定されていないため、医師の登園許可証が必要な病気ではありません。ただし、「医師の診断を受けて、保護者が記入した登園届けを出すのが望ましい」とされています。登園のタイミングは、医師と相談して決めましょう。
登園するときの注意は?
RSウイルスは、完治した後も1~3週間感染力を持つ強いウイルスです。回復して元気に見える場合でも、おしゃべりや咳によって周囲にうつしてしまう可能性があります。回復しても、登園するときはマスクをつけるように心がけましょう。
子供のRSウイルスの予防方法は?
RSウイルス感染症には、即効性のある特効薬や治療法がなく、予防に効果を発揮するワクチンもありません。その上、1回感染しても2回目、3回目も感染する可能性があるため、流行時期(10~2月ごろ)は特に、下記を参考に予防策をしっかりと講じることが重要です。
・手洗い(または、手指のアルコール消毒)
・子供がよく触れるもの(おもちゃや手すりなど)はこまめに消毒する
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