アデノウイルスの主な症状
アデノウイルスは幼児や子供が感染することが多いと言われますが、保菌者を看病することで、大人にも感染します。
アデノウイルスと一口に言っても51種類もの型に分類され、種類によって、結膜炎、咽頭炎、肺炎、膀胱炎などを引き起こします。
よく耳にする「プール熱」は、アデノウイルス感染症の一種で、高熱・喉の痛み・結膜炎といった症状がでます。
プール熱の主な症状は、高熱、喉の痛み、結膜炎(目の充血)です。この3つの症状が出ることもあれば、結膜炎は出ず高熱と喉の痛みのみといったこともあります。
熱は38~40℃程度の高熱が5日ほど続きます。
アデノウイルスの感染経路
アデノウイルスは、咳やくしゃみなどによってウイルスを含んだ唾液が飛び散ることで感染します。(飛沫感染)
もう1つ、タオルの共用などで、手についたウイルスが口や鼻から体内に入ることでも感染します。(接触感染)
プール熱は、塩素消毒が不十分なプールに入ることで感染するケースが多いことから「プール熱」と呼ばれています。
大人は免疫ができているためアデノウイルスに感染することはまれですが、睡眠不足や過労、ストレスなどで免疫力が低下すると、大人でも感染することがあります。
大人の場合は、感染した子供を看病しているうちに感染してしまうことが多くなっています。
アデノウイルスの潜伏期間
病原体に感染してから発病するまでの期間を「潜伏期間」と言います。まだ発症していなくても、潜伏期間であれば周囲の人に感染する可能性があります。この間に二次感染しないように、十分注意しましょう。
アデノウイルスの潜伏期間は5~7日間です。
最初に書いたとおり、アデノウイルスは種類が多いため、一度感染しても、2回目、3回目と複数回感染することがあります。
胎児への影響
アデノウイルスは、胎児への有害事象は報告されておらず、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼす心配はありません。ただ、妊娠中は免疫力が低下しているため、アデノウイルスも含めて感染症には注意しましょう。
お母さんがアデノウイルスに感染しても、ウイルスによる胎児への影響はないと言われます。けれども妊婦さんに高熱が続いた場合、羊水の温度変化による胎児への影響等については詳しく分かっていません。妊娠初期に高熱が続くときは特に、主治医の先生に相談しましょう。
もし妊娠中にアデノウイルスの感染が疑われる症状が出た場合は、かかりつけの産婦人科を受診してください。薬が必要な場合は、妊婦さんでも使用可能な解熱剤や目薬などを処方してもらえます。
家庭内にアデノウイルスを広げないための予防法
アデノウイルス保菌者の尿や便には、ウイルスが排出されることがあります。そのため感染している子供には、排泄後にしっかりと手洗いをするように指導します。感染している赤ちゃんのおむつを交換したあとは、手洗いと手指の消毒を念入りにしましょう。
アデノウイルスは感染力が強く、飛沫感染や接触感染によって広がります。感染したら、身の回りをしっかりと消毒します。手洗い、うがいはもちろん、家族とタオルや寝具などを共用することを避け、ドアノブや手すりにもできるだけ触らないようにします。
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