近代建築運動の中心地フランスの作品10作!

ル・コルビュジエが主として活動を行ったフランスの作品の中から、下記にぺサックの集合住宅(ペサック)、ナンジェセール・エ・コリ通りのアパート(ブローニュ・ビヤンクール)、サン・ディエの工場(サン・ディエ、ヴォージュ)を加えた計10作が世界遺産に登録されました。

ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸(パリ)

銀行家の友人ラウル・アルベール・ラ・ロッシュのために建てた作品がラ・ロッシュ邸で、実兄アルベール・ジャンヌレに贈った作品がジャンヌレ邸です。いずれもル・コルビュジエ初期の作品ですが、彼が提唱した近代建築の五原則(ピロティ・屋上庭園・水平連続窓・自由な平面・自由なファサード)がすべて導入されています。

出典: -015.パリ建築散歩 ラ・ロッシュ邸 - chocolatmag.com

サヴォワ邸と庭のロッジ(ポワシー)

鉄筋コンクリート製の床・柱・階段を組み合わせたドミノ・システムや近代建築の五原則といったル・コルビュジエの建築理論の最高傑作とも言われる邸宅です。1階をピロティにすることで浮遊感を出し、水平連続窓によって明るい空間を実現しています。近代的であるだけでなく、周囲や屋上の緑との調和も見事です。

出典: ル・コルビュジェの世界へ?サヴォア邸 [パリ] All About

ユニテ・ダビタシオン(マルセイユ)

鉄筋コンクリート製の床・柱・階段で構成されるユニットを重ねることで、どこまでも大きく自由な建物が実現できるというのがドミノ・システムですが、これを集合住宅に応用したのがユニテ・ダビタシオンです。屋上庭園によって緑地の面積を減らさずに過密する人口に対応しようとした輝く都市構想のひとつで、世界の都市計画に影響を与えました。

出典: マルセイユのユニテ・ダビタシオン! - Architecture Post

ル・コルビュジエの小屋(ロクブリュヌ・カップ・マルタン)

「カップ・マルタンの小屋」「カップ・マルタンの休暇小屋」などとも呼ばれる建物で、ル・コルビュジエが妻イヴォンヌの誕生日に贈った邸宅です。鉄筋コンクリートを用いた近代的な建物を設計してきたル・コルビュジエですが、彼が最後に住んだのは無駄を極限まで排除したきわめてシンプルな丸太小屋でした。

出典: ル・コルビジュの休暇小屋 | デザイナーズ物件

ラ・トゥーレットの聖マリア修道院(エヴー)

ル・コルビュジエ後期の代表作のひとつで、直線で構成されたモダニズム建築の傑作ながら、森や丘と見事に調和したたたずまいを見せています。キリスト教において神=光ですが、ル・コルビュジエはこの作品で採光に徹底的にこだわっており、空間を横切る光や空間全面に拡散する光といった種々の演出によって、神々しい空間を創出しています。

出典: ラ・トゥーレット修道院 | ル・コルビュジエとパリの建築を訪ねて(フランス)No.9 | Tabi/世界の建築 | お知らせ | デザイナーズマンション,株式会社リネア建築企画

フィルミニの文化センター(フィルミニ)

この文化センターはフィルミニ市長がル・コルビュジエに依頼した住宅を中心とする複合施設で、文化会館、ユニテ・ダビタシオン、競技場、サン・ピエール教会などで構成されています。写真のサン・ピエール教会は彼の死後40年を経た2006年にようやく完成したもので、光と色にこだわった荘厳な空間を特徴としています。

出典: 死後40年経ってから完成した、近代建築の巨匠ル・コルビュジエ設計の教会|ギズモード・ジャパン

ノートルダム・デュ・オー礼拝堂(ロンシャン)

ロンシャン礼拝堂。モダニズム建築に特徴的な直線的で合理的なデザインではなく、重々しくうねる屋根、太さも高さも異なる柱、斜めで湾曲した壁、ランダムに配置された窓、不揃いな窓枠等々、合理性を廃したデザインになっています。モダニズムを超えたポストモダンの萌芽と言われる作品で、ル・コルビュジエ後期の傑作とされています。

出典: ロンシャン礼拝堂 | フランス | 世界の建築【世界建築巡り】

景観と調和した邸宅が美しいヨーロッパの作品4作!

ル・コルビュジエはスイスの出身で、フランスのみならずヨーロッパで広く活躍していました。フランス以外のヨーロッパの作品の中で、下記にギエット邸(ベルギー、アントワープ)を加えた4作が世界遺産に登録されています。

レマン湖畔の小さな家(スイス、コルソー)

ル・コルビュジエが年老いた両親のために設計した邸宅です。レマン湖と一体化しているかのようなシンプルでこぢんまりとした建物で、居住空間を直線で区切りながらも、光や湖の景観を溢れんばかりに取り入れた自然豊かで優しいデザインとなっています。父はまもなく亡くなりますが、母は101歳までここで暮らし、兄も晩年をここで過ごしています。

出典: ヴィラ・ル・ラク(湖の家/コルビュジェ) - スイス政府観光局

イムーブル・クラルテ(スイス、ジュネーブ)

ル・コルビュジエがはじめて手掛けた集合住宅で、ガラスを多用していることからクラルテ(光、透明)の名が付きました。床面にもガラスを用いて明るく機能的な空間を実現しており、光が8階×8部屋=計48部屋のすべてに行き渡るよう工夫されています。これを手始めにユニテ・ダビタシオンをはじめとする集合住宅の設計に着手し、輝く都市構想に至りました。

出典: ル・コルビュジエの建築と、名物の“大噴水”。 | Feature | Pen Online

ヴァイセンホフ=ジードルングの住宅(ドイツ、シュトゥットガルト)

主催者であるドイツ工作連盟の美術監督ミース・ファン・デル・ローエが主宰するジードルング住宅展に出展された作品群。ル・コルビュジエ初期の作品で、写真のヴァイセンホフ団地の浮遊感あるデザインや水平連続窓などは後に近代建築の五原則として発表され、サヴォア邸やラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸などの形で花開きました。

出典: 2/3 シュトゥットガルトの観光スポット [ドイツ] All About

大規模かつ大胆なアジアの作品2作!

キャピトール・コンプレックス(インド、チャンディーガル)

チャンディーガルはル・コルビュジエがデザインした計画都市で、広大な土地に住居やビジネス街・娯楽施設等々を機能的に配備しています。種々のデザイナーによる数々のモダニズム建築が立ち並んでいますが、ル・コルビュジエは主に高等裁判所、議会棟、行政庁舎などで構成される中央官庁=キャピトール・コンプレックスを担当しました。

出典: インドのイメージを覆す美しい町「チャンディーガル」 [インド] All About

国立西洋美術館本館(日本、東京)

ル・コルビュジエの作品としては日本に建設された唯一の建物です。近代建築の五原則に加えて渦巻き型導線を特徴としているのですが、渦巻きのように螺旋状に延びていくことで元に戻らず進むことができるうえに、螺旋を延ばすことでいくらでも展示スペースを増やせることから「無限成長美術館」と呼ばれています。

出典: 名画も名建築も見どころ! 国立西洋美術館 [美術館] All About

アメリカ大陸から選ばれた唯一の作品!

クルチェット博士邸(アルゼンチン、ブエノスアイレス ラ・プラタ)

ル・コルビュジエがアルゼンチンの外科医ペドロ・ドミンゴ・クルチェットのために設計した建物で、住宅と診療所が備わっています。水平連続窓などの特徴は他の作品と同様ですが、アルゼンチンの暑い気候に対応するために明るいだけでなく、日陰を意図的に作って日射量を調整する工夫を行っています。

出典: ギャラリー展示

今年、新登録されたほかの世界遺産は?

2016年新登録の世界遺産全リスト

2016年の審議では新たに21件の世界遺産が誕生し、世界遺産総数は1052件となりました。「ル・コルビュジエの建築作品」の他にはどこが登録されたのでしょうか。新登録の世界遺産全リスト、危機遺産リストの変更点をはじめ、世界遺産委員会の概要をお伝えします。

出典: 2016年新登録の世界遺産 [世界遺産] All About