ドカンとがっつり登場!

細部にまでこだわった「将棋がっつり」。感極まる作品群、こりゃ、すごい。

将棋刑事も登場『こちら葛飾区亀有公園前派出所』

この表紙をご覧頂こう。いや、中には、あふれる涙で、見ることさえ困難な愛棋家の方もいるやもしれない。

ご存じの主人公、両さんこと両津勘吉。ギネスも驚く少年誌最長連載記録を誇る漫画の中の漫画、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。その159巻の表紙が、これである。よくぞ、ここまでやってくれたものだ。

そもそも将棋好きの両さん。もちろん、この巻以外にも、将棋シーンは登場する。しかし、この巻はビッグバンである。なにせ将棋刑事・居飛車 駒損ノ介(いびしゃ こまぞんのすけ)が登場するのだ。もう名前からキテいるではないか。その出で立ちは、画像をご覧頂こう。そう王将のコスチュームである。もう、たまらない。警視庁の特殊部隊の指揮官である彼にとって、逮捕は詰め将棋であり、部下は駒なのである。くーっ、しびれる!

さあ、皆さん。涙を拭いて、ぜひ、お読みいただきたい。

出典: こちら葛飾区亀有公園前派出所 159 (ジャンプコミックス) | 秋本 治 | 本 | Amazon.co.jp

将棋と推理の共通点、『名探偵コナン』

将棋と推理は似ている。これがガイドの持論である。しっかりと証明してくれるのが、この作品だ。頭脳明晰なコナンがトリックを見破っていく。

さて、この表紙をご覧頂こう。くーっ!なんたる素晴らしさ。コナンが正装での対局だ。しかもバックには見事な駒。

実は、この作品にはプロ棋士が登場するのである。その名は羽田秀吉。太閤名人の異名を持つ天才棋士だ。

彼は、持ち前の洞察力で、コナン同等の推理をしてみせ、皆を驚かせる。しかも、この章にかかわらず、なにやら、ストーリー全般に関わる大きな秘密を持っていそうなのである。

だから、今後も、将棋シーンが「がっつり登場」することになるだろう。
あなたも将棋と推理が相似形であることを確認していただきたい。

出典: 名探偵コナン 80 (少年サンデーコミックス) | 青山 剛昌 | 本 | Amazon.co.jp

海外にも将棋を啓蒙『NARUTO -ナルト-』

日本将棋連盟所属の女流棋士、カロリーナ・ステチェンスカ。師匠は片上大輔。ポーランド出身の彼女が将棋の面白さを知り、はるばる日本の地を踏むまでの熱意を与えたのが、実は、この『NARUTO -ナルト-』なのである。

彼女は本作品の登場人物・奈良シカマルが熱中するボードゲームに興味を持った。それこそが将棋だったのである。

そして、ヨーロッパチャンピオンとワールドオープンチャンピオンの二冠を獲得。ついには、2015年10月1日、女流3級として、将棋界初の外国人プロとなるのである。

この偉業のスタートが『NARUTO -ナルト-』だったのだ。これからも将棋のグローバル化に大貢献してくれるであろう名作である。

出典: NARUTO -ナルト- 1 (ジャンプ・コミックス) | 岸本 斉史 | 本 | Amazon.co.jp

将棋超人登場、格闘漫画『闘将!! 拉麺男』

キン消しなどの文具グッズでも一世を風靡した『キン肉マン』。いろいろな超人が登場してきたが、このラーメンマンは主人公に匹敵する、いや、それ以上に人気を集めた、愛されるキャラクターであった。

当然のように、彼を主人公とした姉妹版が創られる。この『闘将!! 拉麺男』 だ。このラーメンマンが敗れた相手が、将棋七鬼衆なのだ。

将棋七鬼衆! ガイドは、その名を目にしただけで、手が震えるのである。首領の名は「王玉」。配下も「金鬼」「歩鬼」など駒の名を持ち、それぞれに必殺技を持っている。なにせ、ラーメンマンを倒すのだから、すごいぞ、将棋。

ちなみに、同じ流れをくむ『キン肉マンII世』にも8種類の駒で飾られたコスチュームのキン肉万太郎が登場する。この時の相手は超人チェックメイト。つまり将棋VSチェスなのだ。

あわせてお読み頂きたいが、両作品ともに作者の将棋愛が伝わってくる名作である。

出典: Amazon.co.jp: 闘将!! 拉麺男 2 (ジャンプコミックスDIGITAL) 電子書籍: ゆでたまご: Kindleストア

将棋がスパークする野球漫画『極道くん』

野球漫画の第一人者、水島新司。彼も大の将棋ファン。ゆえに『ドカベン』や『あぶさん』など、水島作品には将棋シーンがちょくちょく顔を出す。

そんな中でも、大スパークするのがこの『極道くん』である。

主人公・京極 道太郎が高校日本一をかけて戦う決勝戦。相手は山形県天童高校。そう、あの将棋駒生産日本一の山形県天童市の高校なのである。

率いるはプロ棋士の枡田監督。もちろん愛棋家なら、伝説の棋士・升田幸三の名がピンと来るだろう。ナインの名前にも香坂、角など駒の文字が入っている。水島は、ここまで、こだわっているのだ。

名将・野村克也は野球の大事な要素はすべて将棋にあると語ったが、その本質をみごとに表現した漫画である。愛棋家なら、スルー厳禁の野球漫画だ。

出典: 極道くん (1) (講談社漫画文庫) | 水島 新司 | 本 | Amazon.co.jp

味わい深く、さりげなく

ふとした描写から作者の将棋愛が伝わってくる。さりげないゆえに、出会ったときの感動が倍加する作品群。

大物忍者が息抜きに将棋、『落第忍者 乱太郎』

一人前の忍者を志す子ども達が忍術学園で学ぶ、ギャグ系時代漫画で、アニメ版はNHKが『忍たま乱太郎』のタイトルで放送している。

忍術学園の学園長は超一流の忍者。年老いた今でも、ぎらりと目を光らせば、おそるべき身体能力を発揮する。

その学園長が愛棋家なのである。将棋大好きの彼は、将棋に熱中するあまり、侵入者にも気づかないってことさえある。ちなみに、対局相手は愛犬のヘムヘムなのである。

ああ、なんたる、ほのぼの感。これこそが、乱太郎の人気の秘密であろうし、そこに登場する将棋も、優しく柔らかいシーンを創り出してくれるのだ。

出典: 落第忍者乱太郎 (32) (あさひコミックス) | 尼子 騒兵衛 | 本 | Amazon.co.jp

妖怪村の村長も将棋好き『ゲゲゲの鬼太郎』

鬼太郎ファンの必読本『ゲゲゲ妖怪ずかん (超ひゃっかシリーズ)』。もちろん、日本が生んだ鬼才・水木しげるによる作品だ。

ところで、画像、向かって左下の妖怪をご存じだろうか。ミノをまといネコと手をつないだ、やや顔色の悪いおじさん。ちょっと長めの耳をつけたらスターウォーズのヨーダな、この妖怪。その名を油すましという。彼はそんじょそこらの妖怪ではない。ゲゲゲの森・妖怪村の村長なのだ。森に住むには、油すましの許可が必要というのだから、すごい権力である。

この油すまし、実は大の将棋好きなのである。作者の水木も愛棋家であったゆえ、重要な地位を与えられたのやもしれない。ちなみに、フィギアや木版画にも対局シーンが出ている。ガイドもいつかは手に入れたいと願っている品々だ。

この本、愛棋家が「妖怪はかせ」になれる大チャンス、逆に、妖怪ファンにとっては将棋を愛するきっかけを与えてくれる作品、それが『ゲゲゲの鬼太郎』であり、この『妖怪ずかん』なのである。

出典: Amazon.co.jp: ゲゲゲ妖怪ずかん (超ひゃっかシリーズ): 水木 しげる: 本

バスケ能力と将棋、『黒子のバスケ』

主人公・黒子テツヤは影の薄いバスケプレイヤーだった。その彼の素質を見抜いたのが、赤司征十郎である。赤司は卓抜した天才プレイヤーであり、敵の呼吸・汗など些細な変化を全て見切り、次の動きを正確に先読みする 「天帝の眼(エンペラーアイ)」を持つ男である。いわゆるキセキの世代の一人だ。

相手を見切り、次の動きを読む……。おおっ、これこそ将棋の神髄ではないか。実は赤司の趣味は将棋だったのである。将棋は一人ではできない。そう、相手がいる。その相手は、同じくキセキの世代の一人、緑間真太郎なのである。

高校バスケット界を席巻する二人の天才バスケプレイヤーは、実は中学時代からの将棋仲間であったのだ。

愛棋家の皆さん、あなたにもバスケの才能があるかもしれませんぞ。
いざ、読まん。


出典: 黒子のバスケ コミック 全30巻完結セット (ジャンプコミックス) | 藤巻 忠俊 | 本 | Amazon.co.jp

エア将棋まで登場、『宇宙兄弟』

宇宙飛行士を目指す、兄・南波六太と弟の日々人。二人の道のりを描く、最先端科学がバックボーンとなった作品だ。

その漫画の中に、さりげなく対局シーンが登場するのである。盤をおかずに頭の中だけで対局する、プロ棋士顔負けの「エア将棋」も登場するから驚きだ。これ、アマチュアならば四段以上の実力。県代表クラスだ。

また「桂馬のふんどし」や「両取り逃げるべからず」など将棋格言も出てくる。ガイドは読みながら、感動に震えたことを覚えている。

銀河戦という棋戦があるが、いつか、宇宙空間を舞台にして戦う日が来るのではないか。そんな夢をも抱かせてくれる作品だ。

最先端科学と伝統文化の融合、ヘレニズムをご堪能願いたい。


出典: 宇宙兄弟 コミック 1-26巻セット (モーニング KC) | 小山 宙哉 | 本 | Amazon.co.jp

ジャイアント馬場が愛した将棋、『タイガーマスク』

プロレスラーには愛棋家が多い。御大・ジャイアント馬場も、闘魂・アントニオ猪木も有段者である。革命戦士・長州力も『反骨イズム―長州力の光と影/辻 義就 (著)』の中に対局写真を公開している。プロレス創世記には、大坪飛車角なるリングネームを持つレスラーも登場したし、平成の世にはアマ強豪の田口隆祐がリングを賑わせている。

さて、『タイガーマスク』である。もちろんフィクションであるが、実在のレスラーが登場する。中でもジャイアント馬場は、日本プロレス界のリーダーとして大きな存在感を示している。

さすがに馬場の対局風景までは描かれていないが、実にさりげなく、その愛棋家ぶりが表現されているシーンが存在する。これは、気づきにくい。ゆえに、発見したときのガイドの喜びは大きかった。ある試合に臨む馬場が身につけているガウン、それが将棋の駒と扇子のデザインなのだ。

あえて、何巻のどの場面とは書かない。ガイドの喜びと高ぶりを味わっていただきたいからである。

さあ、みなさんもぜひ探していただきたい。ターゲットは馬場の駒ガウンだ。

ちなみに、先崎学九段は「タイガーマスクは世紀の傑作」と自著『摩訶不思議な棋士の脳』で語っているが、彼は発見しているだろうか。していてほしい。
 


出典: タイガーマスク  完全復刻版 (KCデラックス) 全14巻完結セット【マーケットプレイスコミックセット】 | 梶原 一騎, 辻 なおき | 本 | Amazon.co.jp

いかがでしたか?

「がっつり」にも「ひっそり」にも、作者の将棋愛があふれています。これからも、愛棋家に涙させる作品が生まれてくるでしょう。皆様からの「こんな作品にこんな将棋シーンが出ていたぞ」、漫画に限らず、そんな情報をお待ちしています。お読みいただき、ありがとうございました。個別記事もよろしくお願いします。