鳴子ホテル」(宮城県・大崎市)

鳴子ホテル
100%天然の温泉が注がれる「芭蕉の湯」。
松尾芭蕉の奥の細道に「鳴子の湯より尿前の関にかかりて、出羽の国に越えんとす」と登場する「鳴子温泉郷」。日本に存在する11の泉質のうち9種の温泉が湧く日本有数の温泉郷で、古くからの湯治場として知られています。
鳴子温泉駅に近い老舗「鳴子ホテル」では、日によって色が変わる硫黄泉が湧いています。源泉は100度に近く、宿の周辺ではもうもうと湯けむりが舞っています。湧出した源泉は、水で薄めることなくタンクで冷まされ、湯船に注がれるのですが、温泉が外気にさらされる間に、気温や雨や雪、風によって微妙に変化し、色も七変化するといいます。
鳴子ホテルでは、とりわけ冬期間、晴耕雨読に興じる長逗留客も多くいらっしゃいます。「いつでも湯治!鳴子連泊プラン」を使えば、3泊3万円、4泊4万円、5泊5万円。そのうち一泊は夕食がつかないので、町に食べに行きましょう。もう一泊は、氷細工のかまくら盛りのお造りをはじめとする会席膳。残りの日は、数々の魚菜が並ぶバイキング料理をいだだきます。
晴れた日には、様々な泉質を味わいに鳴子の湯めぐりに出かけるのがおすすめ。鳴子温泉郷50軒以上で使える「湯めぐりチケット」を買えば、1,200円で旅館や共同湯の温泉を数か所楽しめます。
(2007年12月8日ご紹介)

弥仙館」(奈良県・天川村)

弥仙館
玄関からは2階建てに見えるが、実際は4階建ての「吉野建」の宿。
「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録される吉野山・高野山・熊野三山を結んだちょうど中央、修験道の聖地「大峯山」の山ふところに位置する天川(てんかわ)村。天川という地名は、日本三大弁財天のひとつで、水の神様である「天河大弁財天社」に由来します。四季を通じて豊かな自然に恵まれ、南北朝時代、後醍醐天皇がかくまわれたという史実や伝承も数多く残っています。
村の中心近く、渓谷斜面を利用して立つのが、この土地特有の吉野建四階建ての「弥仙館(みせんかん)」。大峯参りや弁財天信仰の参拝者を泊めた旅籠として創業し、戦後、吉野杉を使って現在の旅館を建てたそうです。クラシックな10室の宿ですが、原則五組しか泊めない配慮もあるからでしょう、馴染み客が多い宿です。利用者に好評なのは料理。鮎の俵巻き、鹿刺し、山菜など地元ならではの品が並びます。水がおいしいせいか、ご飯もすこぶるおいしく感じます。
宿の前は、弁財天奥宮のある弥山(みせん)への登山口となっているため、登山客も泊まりにきます。5キロ圏内には洞川(どろがわ)温泉や円空仏が納められた栃尾観音堂もあり、静かに心を癒すにはぴったりの一軒宿です。
弁財天は芸能の神様でもあり、芸能人やアーティストがこっそりお参りに来ることもあるそうです。
(2008年1月12日ご紹介)