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晩白柚の食べ方は? 世界最大の果実、巨大な柑橘

世界最大の果実・巨大な柑橘、晩白柚(ばんぺいゆ)を食べ方も合わせてご紹介します。巨大な柑橘類は常温で3ヶ月近く日持ちします。飾りとして、香りの元として、もちろん、食べておいしいです。ぜひ堪能してみてくださいね。

執筆者:萩原 章史

<目次>

サイゴンから来た晩白柚……食べ方は?

晩白柚の食べ方

晩白柚の食べ方

晩白柚(ばんぺいゆ)の名前の由来は、晩(晩生※熟期が遅い)・白(果肉が白っぽい)・柚(中国語で丸い柑橘という意味)です。

その由来は古く、大正9年に晩白柚の産地(熊本の氷川)出身の植物学者 島田弥一氏が、現在のベトナムの船上で食べた柑橘があまりにも美味しくて、サイゴンの植物園から株を分けてもらったのが起源のようです。
但し、当時は栽培法がわからず、普及には至らなかったようです。その後、昭和5年に台湾から鹿児島県果樹試験場に株が導入され、最適産地の八代市地区に根付いたようです。
 

晩白柚は栽培が非常に難しい

晩白柚はとても栽培が難しいです。先ず、自分自身では受粉しにくいので、晩白柚以外の柑橘類がないと、実がならないのです。晩白柚の晩の字が示すように、受粉時期が遅いので、他の柑橘類の花粉がない時期に受粉しなければなりません。その為、農家ははっさくの花粉などを冷蔵保存して、人工授粉させます。

もちろん、実があまりに巨大なゆえに、台風の風の被害を受けやすく、日当たりがよく、風をよけられる場所でしか栽培できませんから、栽培適地も非常に限られます。
当然、生産量も非常に少ないです。

収穫後、2週間ほどビニールハウスで追熟させ、色だしと酸味抜きをして、ようやく出荷できます。晩白柚の特徴は非常に長い日持ちです。常温で保存すれば、2ヶ月近く味は変わりません。
 

晩白柚はどんなに大きいか?

晩白柚
卵と比較すると大きさがわかります
今回の晩白柚は約2.1kgで直径は20センチです。中に入っている袋は1袋が10センチ以上でひと口ではとても食べ切れません。5袋食べれば、かなり満足です。1個で15から18袋なので、1個で3人から4人が一度に満足できるビックサイズです。
大きさの点では間違いなく世界一の果実だと思います。(スイカは果実ではないです)
 

晩白柚の味と香りは?

晩白柚
粒が大きく食べ応えがすごい
糖度は12度前後ですから、爽やかな甘さです。果肉はかなりしまっています。味は伊予柑と夏みかんの中間という感じで、やはり、文旦に近いです。
香りはとても良いです。日持ちしますから、先ずは玄関や部屋(もちろん、床の間)において、インテリア的な楽しみ方をするのがお奨めです。
食べるのは、充分に姿と香りを楽しんでからでも遅くはありません。
こいつが玄関に鎮座していれば、訪れた人は必ず驚嘆の声をあげます。
 

晩白柚を100%楽しむ方法

晩白柚
玄関に置くとこんな感じです
先ずは先に書きましたように、インテリア的な用途と香りで楽しみます。
 

そのまま果肉を味わう

晩白柚
果肉部分を覆う白い部分
次はいよいよ果肉です。先ずは晩白柚の上下を切ります。スイカと同じ要領です。次に中の実を傷つけないように、8等分の切れ込みを入れます。包丁の切れ込みに沿って、指を白い部分と果肉の境目に入れ、果肉の塊を出します。
晩白柚は皮の苦味が強いので、グレープフルーツのように切って食べると、果肉に皮の苦味が染みて美味しくないです。

後は夏みかんのように、半透明の薄い皮を剥いて頂きます。
薄皮は思ったよりも簡単に剥けます。中の果肉は粒が大きく、酸味が少なく食べた後の舌に残る苦味もほとんどないです。
 

果皮(白い部分)の砂糖漬け

晩白柚
白い果皮をお菓子に使います
分厚い白い果皮は砂糖漬けにします。
ご存知の方も多いと思いますが、白い部分は砂糖漬けにします。苦味の強い黄色の皮を包丁でむきます。大き目の鍋を用意し、白い部分を透明感が出るまで、中火で落し蓋をして20分ほど煮ます。落し蓋をしないと、皮が浮かんでしまいます。
透明感が出たら流水でさらします。
 
※ ポイント
ほろ苦さが嫌いな方は長く水にさらし、あく抜きをします。(24時間、水を2~3回取り替えるとあくが抜ける。)柑橘独特のほろ苦さが好きな方は、さっと水でさらす程度で、苦味を残します。苦味が強い場合は砂糖が多めが良い感じです。
砂糖500g~700gに水(150cc)を入れ火に掛け、砂糖を溶かします。下煮した晩白柚を入れ、水分がなくなるまでとろ火で煮ます。(1時間半から2時間)

仕上げに白砂糖かグラニュー糖(500g~300g)をまぶして出来上がりです。
晩白柚
今回は三温糖なので色が濃いです
 

果皮(黄色い部分)で温まる

晩白柚
皮も使えるので捨てません
黄色の皮はお風呂に入れると、晩白柚湯になります。とても良い香りが楽しめます。
一度には使いきれないので、冷凍で保存し、楽しみたい時にお風呂に入れると良いと思います。
シンプルに三温糖だけでマーマレード的に煮込んでも良いです。また、オレンジピールの様に加工すれば、お菓子のトッピングなどにも重宝します。
 

晩白柚(ばんぺいゆ) 見て・香って・食べて・お菓子にして・お風呂に入れて
これだけ楽しめが元は取れます。もちろん、スイカサイズの晩白柚は驚きの贈答にもピッタリです。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

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