飼っている人や飼ったことのある人だけではなく、野良さんとのお付き合いも含めると、きっと犬以上に飼育経験者が多いのが猫。でも、猫って思い込みによる間違った認識を持っている人も少なくないペットです。今回は、猫の飼育経験者を対象として、間違った認識も含めて、小さなペットを飼うときの注意点をあげてみたいと思います。

ネコと小さなペットの違い

おすましお嬢様
猫と小さなペットの違いではっきり言えることは、猫の方が写真が撮りやすいことかもしれません。こんな風にポーズを取ってくれるのは猫だからでしょう。
猫を飼っている、または飼ったことがある、飼ったことはないけど野良猫さんに知り合いがいる人は、ある程度猫について知っていると思います。もし猫についてまったく知らないのであれば、この先を読んでいくと疑問が増えることになるかもしれませんので、先に猫ガイドサイトで猫のことをお勉強してきてくださいね。

猫と小さなペットの違いも、犬と同じように生物学的な面からお話したいと思います。猫は、犬と同じ食肉目。小さなペットたちと同じ分類をされるのは哺乳類までです。犬のときにも紹介しましたが、以下に哺乳類までの分類を紹介します(哺乳綱に属する動物を「哺乳類」と呼んでいます)。

 動物界 (Animalia) - 脊索動物門 (Chordata) - 脊椎動物亜門 (Vertebrata) - 哺乳綱 (Mammalia)

哺乳類から更に分類される食肉目(ネコ目)に猫は属しています。猫といっしょに飼うのが難しいとされる鳥類は哺乳類ではなく鳥類に属し、ハムスターは哺乳類のげっ歯目(げっ歯類、ネズミ類)に属しています。

ペットというと哺乳類を連想しやすいものですが、小さなペットには、哺乳類以外の動物も含まれています。上にあげました鳥類もそうですし、サルは霊長目(サル目、霊長類)、昆虫は昆虫類(動物界 (Animalia) - 節足動物門 (Arthropoda) - 昆虫綱 (Insecta)) に属しています。

各分類の特徴も犬のときに書いているので重複しますが、以下に、昆虫類を混ぜてこちらにも紹介します。

 哺乳類 - 赤ちゃんを産んでおっぱいで育てる。
 鳥類 - 翼を持ち、二本足で歩く。
 昆虫類 - 体が、頭部と胸部、腹部の3つに分かれている。卵生。
 げっ歯目 - 伸び続ける歯 (門歯) を持つ。切歯は1対。
 霊長目 - 学名に「サル (monkey, ape)」が含まれる。
 食肉目 - 肉食動物 (パンダは例外)。

猫と犬は同じ食肉目に分類されているのですが、なぜか食肉目は「ネコ目 (Carnivora)」とも言われます。犬は雑食性が強いのに比べて猫は肉食性が強いからかもしれませんが、命名者がネコ好きだったからかもしれません(どちらも私の推理ですので、命名理由はまったく違う理由だと思います)。

猫と同じ食肉目の小さなペットには、フェレット (イタチ科) やアライグマ(アライグマ科)、スカンク (スカンク科) などがあります。我が家にいるフェレットを考えてみると、猫と遊ぶおもちゃを猫を誘うときと同じように動かすことで遊びに誘えることや、ペットフードの栄養配分など、共通点があるように思います。

猫の七不思議

物件探し
「そこにいい物件あるよ!」とでも言いたげにお手伝いをしてくれるのは、猫によくある行動に思います。
猫は、すごく好きな人とどうしても嫌いな(怖い)人とがいる、不思議な動物です。でも、猫は犬に続いて人間と暮らしてきた歴史の長いペットです。猫を神の使いとして大切にしてきた歴史もありますし(エジプトには猫の形の神様がいたような気がします)、魔女の使いとして虐げられてきた歴史もあります。

なぜ猫の印象が極端なくらいにいろいろあるのか。それは、猫の行動を予測できない人が多いからではないかと私は思います。たとえば猫の目。光(日光)の量により黒目の大きさが変わる猫の目は、日本では忍者が時間を判断するのに利用していたそうですが、なぜ黒目の大きさが変わるのかわからない人にとっては、不思議でしかないでしょう。また、夜道で光る猫の目が怖い、という人も少なくありません。

敏捷に動くことも、行動の予測を難しくさせているのかもしれません。猫は、小さなペットでいうならば、鳥やモモンガ、サルなどと同じで3次元に動くので、足元にいると思ったら机の上やテレビの上に移動します。3次元での動きを想定していない人にとっては、行動の予測が難しいと感じられるのではないかと思います。

名前を呼んでも来るときと来ないときがあるなど、人間の希望どおりに動いてくれないところは「気まぐれ」と言われてしまいます。もちろん、猫にしてみればちゃんと理由があって猫自身の判断で行動を決めているだけなのですが、猫の理由がわからない人にとっては気まぐれに感じるのでしょう。

足音を立てずに歩くので、知らない間にそばに来ていることもあり、それが人を怖がらせることもあります。日本で妖怪になっているのも、光る目や足音をせず歩くなど人を怖がらせる要素を持っているからかもしれません(参考までに:子供の頃飼っていた猫は、ときどき油を舐めていましたが妖怪にはなりませんでした)。

猫とフェレット
小さなペットと仲良くなる猫もいます。特にフェレットとは仲良くなりやすいようです。
こういった「怖い」「予想できない」「気まぐれ」などの意見を持つ人は、小さなペットを飼うのはちょっと大変かもしれません。なぜならば、小さなペットも猫と同じように気まぐれに取れる行動をしますし、野性味が強い分、ペットについて勉強していない人には予想できないことをする可能性があるからです。

でも、猫の行動を不思議に思わない人は、すんなりと小さなペットと暮らしていかれると思います。不思議に思わなくてもペットの行動の意味を知ろうとする努力は必要になりますけどね。

なお、猫についてよくある思い込みによる勘違いには、次のようなものがあります。勘違いしないように気をつけてくださいね。
  • 猫にはトイレのしつけが必要
    猫は、柔らかい砂地で排泄をし、排泄物を埋める習性を持っていますので、猫用のトイレを用意すればまずほとんどの猫がそこで用を足します(基本的にトイレのしつけは不要)。
  • 猫の爪とぎの意味
    猫は、2つの意味で爪とぎをします。1つは武器として使えるように爪を尖らせておくため。もう1つはマーキングをするためです。どんなにマメに爪切りをしていても、猫は爪とぎをします。また、爪を抜いてしまうのは、猫から武器を取り上げ、マーキングできないようにすることになりますので、虐待と言ってもいいと思います。
  • 猫は自由に外に出れないと可哀想
    飼い主が生活していて狭くて困る家(部屋)でないならば、猫もその空間だけで我慢してくれます。室内にひなたぼっこスペースやキャットタワー、ダンボールを積み重ねたもの、昇り降りできる段差のある家具などを置いて猫の好む動きができるようにしてあるならば、我慢する必要もないくらいに満足してくれます。

小さなペットと猫の共通点

食いしん坊フェレ
フェレットフードが普及する前、フェレットにはキャットフードを与えている方がほとんどでした(今でも、キャットフードを与えている人もいると思います)。
猫と相性の良い小さなペットとして、よくいわれるのはフェレットです。実際、猫とフェレットには共通するところが多いので、いっしょに飼いやすいと言えます。猫とフェレットの共通点には、次のようなことがあります。
  • たんぱく質を多く含む食事を食べる、肉食傾向の強いペットである
  • 素早く動くものに惹きつけられる、捕食者である
  • 好奇心が旺盛で、箱や狭いところに入り込むのが好きである
温度管理を除けば、猫とフェレットは同じ飼い方で飼うことができるのです(猫は人間と同じ環境温度で飼育できますが、フェレットは真夏に環境温度が上がり過ぎないように温度管理する必要があります)。ただし、病気の面では猫とフェレットには違いがありますので、それぞれ別のワクチンを接種する必要があります。

フェレットのように猫と同じ食肉目の小さなペットは、猫の次に飼う小さなペットとしては、飼いやすく感じられるのでおすすめです。

また、フェレットは猫といっしょに飼うのにも適したペットといえます。ただし、猫もフェレットも個性により相性がありますので、必ず仲良くなるとは言い切れません。我が家では、猫とフェレットは問題なく仲良くしておりますが、友人宅の猫とフェレットは相性が合わず、同じ部屋に放すことができずにいるそうです。

ハムスターやウサギなどの被捕食者(獲物として狙われる立場の生き物)は、捕食者である猫とは違う行動を取ることが多く、猫との共通点も少ないです。ハムスターやウサギを飼うときは、猫とはまったく違う生き物であることを理解したうえで飼うようにしてください。

猫との同居が難しい方たち

鳥さん
鳥さんは、猫といっしょだとストレスを受けることがあります。
猫がねずみを追いかける漫画があるように、猫にとっては、ねずみは獲物やおもちゃと考えられてしまいやすいです。ですので、ハムスターなどの小さなげっ歯類は、猫との同居には向いていません。猫に狙われることによりストレスを多く受けることになりかねません(実際に捕らえられなくても、ケージの付近で狙っている熱い視線を受けたり、ケージに飛びつかれたりするだけで小さなげっ歯類にはストレスになることがあります)。

猫に狙われやすい(獲物やおもちゃと考えられやすい)という面では、鳥類も猫との同居は難しいです。猫がねずみや鳥類を狙うのは本能に従っているだけのことで、悪意があるわけではありません。でも、悪意がなくても狙われた方には負担がかかりますので、無理に小さなペットと猫とを同居させる必要はないと思います。

ただし、猫にも個性がありますので、小さなペットやほかの生き物との同居に向いている猫というのもいます。一般的に仔猫時代はやんちゃですので、大人になってから猫の性格を判断し、狩猟本能が強くない子や飼い主の言うことを聞いてしまう子であれば、ほかの種類のペットといっしょに飼うのはあまり難しくないようです。

小さなペットは避妊去勢手術をしないのが普通

仲良しその1
仲良くなることもあれば仲良くなれないこともありますので、猫と小さなペットとは無理していっしょにはしないでください。
繁殖の予定がなく猫を飼う場合、避妊および去勢手術を行うのが一般的です。これは、飼いきれない子供を産ませないようにするだけでなく、メス猫の婦人科系の病気の予防やオス猫の発情期の行動を制限することなどを目的としており、多くの猫の飼い主さんが飼い猫のことを考えて実施していらっしゃることです。

でも、小さなペットでは避妊や去勢手術を行うことはほとんどありません。小さなペットの繁殖制限は飼育ケージを分けることで行うのが一般的であり、ウサギのようにある程度大きさのある種類においては病気予防を目的として避妊手術を行うこともありますが、ハムスターのような小さな種類では手術を行うことが負担になるおそれが高いため、避妊手術を行うことはすごくまれです。

また、発情期の行動を制限しようと考えるよりも、発情期の間は行動に変化があらわれるものとして考えるのが一般的で、行動を制限するために去勢手術を行うこともまずありません(猿やモモンガなど一部の小さなペットに見られるおしっこをひっかけて行うマーキング行動も、小さなペットの場合には彼らに必要な行動として考えます)。

避妊および去勢手術をしないことがいいことだとは思いません。発情しても交配できずにいるというのは、小さなペットたちにとっても、多少かもしれませんが負担だと思います。また、発情期のたびに交配させていても、それもそれで小さなペットたちに負担です。

今後、小さなペットの避妊および去勢手術に関する考え方は変わっていく可能性があります。でも、現段階では小さなペットに避妊および去勢手術をすることは一般的ではありませんので、猫のようには避妊および去勢手術を考えないようにしてください。

動物病院選びは猫と共通するポイントあり

仲良しその2
仲良しならば、猫と小さなペットがいっしょに寝ることもよくあります。
信頼する飼い主といっしょならば安心することができる犬と違い、猫は環境の変化に敏感に反応します。それだけに、猫の動物病院選びには飼い主さんも苦労したことでしょう。小さなペットの動物病院選びでも同じ苦労をすることになります。

猫の場合には、多くの動物病院で診療が可能なため、猫が落ち着ける雰囲気や飼い主さんが信頼できる獣医さんを探すことが動物病院選びで重要視されやすいものです。けれども、小さなペットにおいては、十分な診療をしてもらえる動物病院を探すところから始まります。次に、ペットの扱いに慣れていて、飼い主が信頼できる動物病院を選んでいきます(ここは猫の動物病院探しといっしょだと思います)。

また、小さなペットは体調の悪さを隠そうとしますので、飼い主には観察力が求められます。毎日の行動、食欲、活発さなどなど、すべてを観察し、少しでも違うことがあったらすぐに気がつくことができるようにしてください。小さなペットたちも、猫と同じで病気の発見が遅れると命に関わることがあります。

ケージの掃除(環境作り)は大切です

ウサギ
ウサギのようにストレスに弱い子は、捕食者である猫との同居は難しいことがあります。
猫と違い、小さなペットはケージで飼われることがほとんどです。ペットが1日のほとんどを過ごすケージの掃除や環境作りはとても大切です。

ケージは毎日掃除する(排泄物や食べ残したごはんを取り除く)必要がありますので、猫のトイレを掃除するときにいっしょにやるようにして、習慣づけるといいかもしれません。ただし、毎日の掃除とは別に、週に1度程度はケージに敷いている敷材を取り替えるなどの大掃除も必要ですので、こちらは新しく習慣にしていってください。

また、環境温度と湿度にも気を配る必要があります。猫は、人間が快適と感じる温度(17℃~28℃ぐらい)で暮らせる生き物ですが、小さなペットの中には人間よりも高温を快適と感じる種類(鳥類)や、高温が苦手な種類(フェレットやチンチラなど)がいます。

湿度に関しては、猫と同じように濡れることを嫌う種類がほとんどです。寝床や敷材を乾いた状態で維持するように注意してください。猫には使うことがほとんどない水を飲むためのボトルなど、小さなペットを飼うようになって初めて使う飼育器具もありますので、それらの管理に気を配り、水漏れがないようにしましょう。

鳥類には水浴びを好んで行う種類がいます。水浴びをするときにケージのまわりに水を飛ばしてしまうこともありますので、ケージの中だけでなく、ケージまわりにも気を配るようにしましょう。

まったく違う種であることを理解してください

遊んでる猫とフェレ
小さなペットは猫にじゃれられてしまうことが多くあります。小さなペットのストレスにならないよう、気をつけてあげてください。
小さなペットは、猫とはまったく違う種類の動物です。猫と同じように飼うことはできませんし、猫と違う行動をすることもあります。猫よりも管理は大変になりますし、扱うときにも注意が必要になるでしょう。

また、猫にも個性があるように、小さなペットにも個性があります。希望していたような行動を取らないこともありますし、仲良くなるのにすごく時間がかかることもあります。小さなお子さんにとっては、予想もしなかった事故が起きるおそれもあります。

猫を飼うのと同じ感覚で、小さなペットを飼おうとは思わないでください。

猫を飼った経験は、もちろん小さなペットを飼うときに役に立ちます。特に猫を飼っている方にはペットのペースを優先している方が多いので、小さなペットへのストレスが少ない飼い方ができる可能性が高いと思います。でも、猫から学んだことがすべて小さなペットの飼育に役立つとは限りませんので、思い込みは捨てて、小さなペットから学ぶ姿勢を意識して持つようにしてください。

猫とは違う種であることを理解できれば、小さなペットとも楽しく暮らすことができるようになるでしょう。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。