皆さんが初めて買った、熱帯魚は何ですか? ショップ勤めの頃を振り返ると、ネオンテトラエンゼルフィッシュなどの定番魚を、初めての熱帯魚として買われる方が多かったと記憶している。中には、いきなりポリプテルスなどを購入していく強者もいた…。

ガイド長谷川的考察ですが、初めて飼う魚にふさわしいのは「丈夫であること」。これに尽きます。また水質管理、煩雑な作業や気苦労がないことも大切。飼育経験が未熟なうちは、管理者の飼育スキルのなさを「頑健さ」で補ってくれる魚がちょうどいい。高度な管理を要求される魚は、当然ながら初級者には向かない。

さて、今回は週刊アスキーとのコラボ企画「ランキング帝国」(6月21日掲載予定)で、「初めてでも飼いやすい熱帯魚 ベスト5」を担当することとなった。先ほど挙げた定番魚辺りをチョイスしようかとも考えたが、それでは今一面白みに欠ける…。とは言え、あまりに的外れな種類を挙げるのもどうかと…。

そこで、「丈夫さ」と「美しさ」を兼ね備え、少々サプライズも取り入れた才色兼備な魚を5種類、私の独断と偏見でセレクトしてみた。「これを初心者に勧めるの?」と驚く種類もあるかも知れない。しかし、今回挙げる5種類はどれも水質への適応力もあり、総じて丈夫な種類ばかり。飼育ノウハウを一通り学んだ方であれば、どれも飼いやすい魚と言っていいだろう。

では、長谷川的「初めてでも飼いやすい熱帯魚 ベスト5」を紹介します!

第5位 バタフライ・フィッシュ


バタフライ・フィッシュ

広げた各ひれが蝶のように見えるということから、バタフライと命名された古代魚の仲間。そう、古代からその形質はほとんど変化しておらず、化石として見られる魚種と共通項があることから古代魚と呼ばれる。シーラカンスや、観賞魚としてはアロワナの仲間が有名だが、アロワナは種によっては1m前後に育つ大型種。

本種は、成長しても12cm程とそれほど大きくならず、また水質への許容範囲も高く丈夫で飼いやすい。西アフリカに分布し、普段水面付近に定位している。自然下では落下昆虫を主に食べているが、飼育下では冷凍赤虫やメダカなどを与えると良い。たまには自然に習って、小型の昆虫類を与えてみるのも良いだろう。

小型種でそれほど活動的な種類ではないので、45cm前後の水槽から飼うことができ、手軽に古代の息吹を感じることができる?お勧めの魚。

生息地 :西アフリカ
サイズ :12cm
適合水槽:45cm幅以上の水槽
餌   :冷凍赤虫、メダカ、小型昆虫類
参考価格:2,000~3,000円


第4位 コリドラス・トリリネアトゥス


コリドラス・トリリネアトゥス

口ヒゲがチャームポイント。そして「掃除屋さん」の名称で人気の高いナマズの仲間。これは底に落ちた餌を食べることからのネーミングだ。コリドラスの仲間は非常に多くの種類がいるが、本種は広く普及する一般魚のため、目にする機会も多く安価に販売されている。

基本的に強健な種類なので、入荷後しばらくショップで落ち着いた個体を選べば初心者でも飼育は容易。特にコリドラスは温和で他種を攻撃することは皆無なので、多くの魚と混泳させるのに適している。

下向きの口で、底に落ちた餌を食べるので砂利は細かい砂状のものが適している。餌は、人工飼料を中心に何でも食べる。

生息地 :南米
サイズ :4cm
適合水槽:30cm以上の水槽
餌   :人工飼料、冷凍赤虫
参考価格:300~600円

第3位 イエローピラニア(パンタナール産)


イエローピラニア

一般にピラニアと言えば、「人食い魚」などのダークなイメージが付きまとう。実際には、人を襲うようなことは稀で、見かけと違い大人しい魚だ。いや、どちらかと言えば、臆病過ぎるきらいもある。脚色された作り話ばかりが先行し、本来の習性はそれ程知られていない。とは言え、鋭い歯と強靭な顎は危険なアイテムであることに変わりはないのだが…。

そんな有名なピラニアも、熱帯魚ショップでは数種が販売されている。本種は、腹部がオレンジイエローに染まり、鱗が不規則にキラキラと輝くピラニアの中でも特に美しい種類。この様な種類は、特に男性に人気が高い。

もちろん肉食性なので、メダカや金魚などを餌として与える必要がある。普段はおどおどした魚だが、餌を与えるときはそんな様子は微塵も無くなり、獰猛な本能を垣間見れるのが本種の飼育の楽しみとも言える。

水質汚濁への許容範囲は極度に高く、チョッと水が汚れたぐらいではビクともしない。とは言え、水換えをしない事を薦めている訳ではない。美観的な面、魚を健康に維持する上でも定期的な管理は必要だ。ただ、極度に丈夫であることから、初心者でも問題なく飼える。

さて、ピラニアの仲間は他の魚はどんなサイズの魚であっても餌とするため、基本的に単独でしか飼育はできない。これは、同種でも同じである。一匹だけでしか飼えないのは少々寂しくもあるが、魅力的な本種は単独でも十分に満足させてくれるだろう。

生息地 :南米(パンタナール)
サイズ :20cm以上
適合水槽:60cm幅以上の水槽
餌   :メダカ、金魚などの活餌
参考価格:20,000円


第2位 アベニーパッファー


アベニーパッファー

おちょぼ口に大きな目。そう、本種はフグの一種である。アクアリスト以外の方に淡水にフグがいると言うと驚くことが多いのだが、南インドからスリランカにかけて生息する淡水魚である。しかも、2~3cmにしか成長しない、超小型種だったりもする。

飼育に塩分の必要が無いことから敷居も低く、また水質への順応性も高い。そして何よりも、見た目に愛くるしいことから初めての熱帯魚として断然お勧めできる。また超小型種ゆえに、それ程遊泳スペースを必要としない。また水槽への初期投資もかからず導入への敷居も低い。ただ残念なことに、フグの仲間は他の魚の鰭(ひれ)をかじることがあるので、大きな水槽以外では単独飼育が基本となる。

生息地 :南インド、スリランカ
サイズ :2.5~3cm
適合水槽:20cm幅以上の水槽
餌   :冷凍赤虫、人工飼料
参考価格:300~500円


第1位 ドワーフグラミー


ドワーフグラミー

オレンジとブルーの取り合わせが美しく、伸張する胸鰭(むなびれ)がチャームポイントのドワーフグラミー。状態良く飼育すると、オスの胸元がスチールブルー(婚姻色)に染まる美種。その様な色彩になれば、色彩の派手な雄が水面に泡状の巣をつくり、産卵の準備をする興味深い習性をもつ。

産卵シーンは感動的で、雄が雌に巻き付く様に産卵放精が行われ、上記の泡巣に卵を集め親が保護する。産卵までは比較的簡単に観察できるため、初心者にもそのような感動的なシーンを目撃するチャンスは大きい。

何より丈夫な上に飼いやすく、色彩的にも熱帯魚らしく、お勧めの一匹だ。

生息地 :インド
サイズ :4cm前後
適合水槽:45cm幅以上の水槽
餌   :各種人工飼料
参考価格:500~800円(ペア)


さて、定番種を抑えつつも、少々変わった魚種もセレクトしてみた。記憶の中にある初恋の人のように、思い出に残る「初めての熱帯魚」をセレクトしていただければ!ぜひ興味を持って、飼育を始める手助けとなれば幸いです。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。