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ミミズ繁殖の基本!飼育箱をつくる

今回は、釣り餌用に普通に流通しているミミズである俗称「赤ミミズ」L.rubellusと、私の友人が長年、餌用に自家繁殖を行っているフトミミズ科の一種の養殖法を考えていきますが、どちらも基本的な方法は同じです。
特にL.rubellusはさまざまな用途のために大量に養殖されていますので、その方法も確立しています。確立された一般的な方法は、商業ペースのための大規模養殖法ですから、それを私たち飼育者の個人レベルにアレンジしてみます。
  • 飼育容器
30~40cm四方の深さのある発泡スチロールの箱がもっとも安定して飼育できるようです。その他にも70cmの大きさの衣装ケースなども利用できるようです。
L.rubellusの飼育ケース(衣装ケースの利用) フトミミズ科の一種の飼育ケース(発泡スチロール箱の利用)
 
  • フタ
ミミズは脱走の名人ですので、何らかのフタが必要になります。発泡スチロール箱の場合は、その箱に普通についているフタがいいでしょう。特に空気穴は必要ないようです。
 
  • 床材
基本的には畑の土や山の森の中の土のような黒土の類が好まれるようです。土の深さは容器の大きさにもよりますが、20~25cmほど。L.rubellusの場合は柔らかめの土が好まれますが、フトミミズ科の場合はやや硬くしたほうがよいようです。これはフトミミズ科の種類は、比較的深い巣穴に依存する生活を送るからと考えられます。ですから彼らの快適な巣穴を壊さないような心遣いが必要になるわけです。
 
ミミズは土の中の有機物を食べて暮らしています。ただし種によってはそれが植物体の分解しかけた残骸を好んだり、完全に分解して土と同化した有機物を常食としていたり、若干、差があるようです。
今回、私がL.rubellusのことを聞いた方は、大学病院で大量に発生する実験動物の排泄物、つまり動物の糞の処理にミミズを使うところから、その研究が始まっているのですから、そういうものも餌として使えるわけです。ちなみに、研究の結果では牛糞がもっともミミズが好み、鶏糞はあまり好まなかったという結果が出ているそうです。
さらに分解しかけの植物体を食う場合も、多少の植物の種類に対する選り好みがあることがわかっています。特に、基本的にミミズがあまり食べようとしないのは針葉樹の残骸であることがわかっています。
というわけで、餌ははじめによく熟成された腐葉土を利用し、その後は野菜のくずや茶の葉などを与えればいいようです。何にしても発酵が進んでいるほど、つまり分解が進んでいるほどミミズは餌を食べやすくなるのは当然です。広葉樹の枯れ葉はもちろんいい餌ですが、硬いままでなく数日間水に浸しておいたものを使うといいでしょう。
  • 水分
結構悩むのが水分の補給です。あまり与えすぎてもミミズに悪影響があると考えられるからです。しかし水の与えすぎは、容器内の床材を深く保つことでクリアできます。したがって、結局は適当ですが、表面が乾いてしまう直前に、ジョウロやペットボトルなどで給水すればいいでしょう。
 

ミミズの飼育繁殖のポイントと注意点:日常の管理

  • 日常の管理
日常の管理は
・給水
・餌の補給
・土の掘り返し


の三つです。
給水は前述しましたので省きます。
餌の補給は、目で見て餌が少なくなったら与えます。
ミミズは土の中に餌が混じっていなくても、土の表面に餌があれば、それを食べます。一方、糞もまた表面に排泄しますので、表面の餌と糞の割合を見れば餌をつぎ足すタイミングがつかめます。

土の掘り返しは重要な管理です。これは土の中の通気性を維持することが目的です。容器内の土を一週間に一度くらい掘り返します。ただしフトミミズ科の種類は、巣穴を作っていますので、表面の柔らかい部分だけを掘り返しましょう。
 

ミミズの飼育繁殖のポイントと注意点:脱走対策


発泡スチロール容器などの場合はしっかりとフタができますので心配いりませんが、衣装ケースなどのようにフタに隙間がある場合は、夜間に大量に脱走されることがあります。
朝起きたら、部屋中に数千匹のミミズがうようよ...などというのはシャレになりません。
目の細かいネット状のものをかぶせることで防げます。
またミミズは明るいところが嫌いですから、電気が点けっぱなしならば脱走はしません。
今回、私がうかがった方の飼育部屋も夜間の点灯が義務付けられていました。
もっとも有効な脱走対策?
 

ミミズの飼育繁殖のポイントと注意点:アリとカビ

屋外などで飼育すると、飼育容器内にアリが入り込んできますので、容器の外壁に忌避剤などを塗っておくと効果があります。
さらに、容器内の餌にカビが生えてくることがあります。カビは種類によっては餌植物の熟成を助けますが、生えるよりは生えないほうがいいようです。私の友人は、「木炭」を床材に混ぜておくことによってカビを防いでいるということです。

というわけで、基本的な飼育法は以上のような感じです。
むー、やっぱり結局は、テキトーという感じではあります。

ミミズの繁殖力はどのくらい?

適切に飼育をしていれば、勝手に殖えていくのがミミズですし、そうでなければ餌動物として成立しません。ミミズの繁殖を考えて見ましょう。
  • 繁殖生態、繁殖速度
卵から生まれたミミズはおおむね4ヶ月程度で性成熟し繁殖が可能になります。ミミズは雌雄同体ですので、特別にペアリングをしなくても勝手に交尾をします。交尾後、一週間ほどで産卵をします。卵は卵包という卵を保護する殻のようなものの中に入って生み出されます。ひとつの卵包に卵はフトミミズ科で1つ、L.rubellusで10個ほど入っているのが普通です。一匹のミミズの産卵数は、明らかにされてはいないようです。
L.rubellusの卵包
 
  • ミミズの寿命
さて一匹のミミズはどのくらい生きているのでしょう。これは結構昔からデータがあるようで、さまざまな種についての飼育下での記録が残されています。
基本的にフトミミズ科の種類は一年生で、春に生まれて、秋に繁殖し冬までにはほとんど死滅するのが普通です。ただし、中には越冬する個体も知られています。私の友人宅でも毎年3割程度は越冬しているそうです。
一方L.rubellusを代表とするツリミミズ科の場合は越冬します。記録では5~6年も生きたそうです。日本のシマミミズでも3年以上生きた記録があるそうです。
 
  • ミミズの繁殖力 どのくらい殖えるのか?
餌動物としては、どれくらいのペースで殖えるのか、興味があるところです。
私が以前、紹介したデュビアのように、巷で「全然、殖えねーじゃねーか!!」みたいに言われちゃいけませんから。
今回、ご教授いただいた先生のところでは良好な条件下ならばL.rubellusはおよそ1年間に600倍に繁殖しているということです。
また、友人宅のフトミミズ科の場合は、両爬の給餌のピークである初夏や初秋に一週間に80匹のミミズを与えても翌年の繁殖に影響はない程度は殖えているようです。

というわけで、二回にわたって両爬の餌としてのミミズの養殖の可能性を考えてきたわけですが、私的な結論は
・両爬が食うのならばL.rubellus
L.rubellusを食わないのならば、冬に殖えないことを見越して大規模にフトミミズ科のミミズを

養殖すること、であります。

いかがでしたか?これで少しミミズを餌にすることに具体的なイメージができたのではないでしょうか?

これを読んで試された方のレポートなどを、ぜひお聞かせ願えたら、と思っております。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。