全国の両爬ファンのみなさん、お待たせいたしました。前回に引き続き「オーストラリアの両爬の超入門」です。
今回は、爬虫類たちの各論です。

▼超初級オージーハープ各論・爬虫類編

◇ワニ
ワニはオーストラリアの代名詞のようでもありますが、実際には北部でイリエワニChrocodylus porosusオーストラリアワニC.johnstoniの二種のみが分布しているに過ぎません。

◇カメ
いわゆる海亀を除けば、カメはヘビクビガメ科とスッポンモドキ科しかいません。
ヘビクビガメ科は15種類ほど。特にナガクビガメ属Chelodinaはマニア垂涎の6種類(最近は分類が再検討)。確かに和名ではピンと来にくいので学名の小種名で呼んだ方がわかりやすいかも。ただ、とにかく分類が難しいようなので、あくまでも初級者の方向けに簡単に。比較的ポピュラーなのが"ロンギコリス"C.longicollis(オーストラリアナガクビ)で、これだけはCBが以前から若干出回っているようです。
オーストラリアナガクビガメ 写真:ペポニ


いわゆる「幻の」と言われていたのが"エキスパンサ"C.expansa、"オブロンガ"C.oblonga、"ルゴッサ"C.rugosaの三種。写真とかでは全然、私は見分けがつきませんが...
ロンギコリスとエキスパンサが南東部、オブロンガが南西部の一部、ルゴッサが北部と分布域が重ならないのがマニア心をくすぐるのでしょうか?
北部の限られた地域には人気のスッポンモドキCarettochelys insculptaも分布しています。

◇トカゲ
ヘビを除いた有鱗目つまりトカゲの仲間は570種ほど。カメレオンやイグアナの仲間はいません。内訳は多い方からスキンク類が350種程度、ヤモリ類が100種程度、アガマ類が60種程度、アシナシトカゲ類が30種程度、モニター類が30種程度。

・マツカサトカゲ
オーストラリア固有種です。あまりにも有名ですが、相変わらず高価です。東部から南部にかけて広く分布しています。
マツカサトカゲ 写真:変態動物王国


・アオジタトカゲ
基本的には種として「チュウオウ」「マダラ」「ニシ」「ヒガシ」の4種がいるわけですが、この中で分類が複雑なのが「ヒガシ」です。この種は「キタ」と「ヒガシ」および「キメラ」の三亜種に分かれています。もちろん、どの種も流通されにくいのですが、オーストラリア外に分布する「オオアオジタ」の亜種「イースタンパプア」がニューギニアやインドネシア産でもあるにかかわらず、オーストラリアの「ヒガシ」と勘違いされる場合もあるようです。
と言うわけで安くて大量に流通しているのはインドネシアやニューギニア産の「イースタンパプアアオジタトカゲ」で、オーストラリア産のアオジタは高嶺の花である、と言うことです。

・イワトカゲ(Egernia"エゲルニア"属)の仲間
手頃な大きさで飼育しやすい人気のスキンクです。最人気種のヒメトゲオイワトカゲ(ディプレッサヒメトカゲ)E.depressaは西部に広く分布していますが、相変わらずの高値安定種。ライバルのストケスイワトカゲE.stokesiiは西部から中部に広く分布。一方比較的ポピュラーなカニンガムイワトカゲE.cunninghamiは南東部の比較的狭い範囲にしか分布していません。
すべて胎生であることくらいも知っておきましょう。
・モニター(オオトカゲ)類
オーストラリアを代表するのがオオトカゲでしょう。やはり大きいからか密輸出するのが難しいからでしょうか?
種数は多いのですが、人気は小型のドワーフモニターや大型種のオーストラリア固有の種でしょうか。
ドワーフモニターは15種ほど知られていますが、そのほとんどの種がオーストラリア固有ですから、高価な種が多いです。代表は小さくてかわいいストーリーVaranus storriが北部の乾燥地に広く分布し、比較的流通量が多いリッジテールV.acanthurusが北西部から中央にかけて広く分布しています。
一方、大型の種はオーストラリア最大のペレンティV.giganteusも美種レースV.variusも比較的広範囲に分布していますが、ほとんど流通に乗ることはありません。日本では幻のモニターといっても良いでしょう。

・フトアゴヒゲトカゲ
アガマの代表であり、もっともポピュラーなフトアゴヒゲトカゲPogona barbatusもオーストラリア固有種です。分布は意外に狭く東海岸沿いのみです。オーストラリア全域から見ればもっとも普通種というわけではありませんが、アメリカを中心に大量のCBが流通しています。

・その他のアガマ
エリマキトカゲChlamydosarus kingiiはオーストラリアでは北部に広く分布していますが、ニューギニア南部にも分布していますので、流通しているのはそちらと考えていいでしょう。
またウォータードラゴンということであまり注目されませんがヒガシウォータードラゴンPhysignathus howittiiは東海岸沿いのみの分布の種ですが、こちらもCBが流通します。

・ヤモリ類
オーストラリアのヤモリはイシヤモリ亜科の仲間になります。
地表性の高価種オニタマオヤモリNephrurus asperナメハダタマオヤモリN.levisおよびアンダーウッディサウルスUnderwoodisarus miliiはそれぞれ北東部、西部から中央にかけて、南部に広く分布しています。ゆっくりとではありますが、CBの流通量が安定してきましたので、価格も一時期ほどではなくなりました。後は、これまで入ってこなかった近縁種が注目されるでしょう。
壁チョロ(?)の方ではハスオビビロードヤモリ(ベルベットゲッコー)Oedura castelnauiはCB化が進んでおり、各品種なども作出され始めて一般的になりつつあると言えるでしょう。ただし分布は狭く、オーストラリアでの普通種とは言い難いかもしれません。
◇ヘビ
ヘビは海蛇を除けばコブラの仲間が80種程度、ニシキヘビが15種程度、ナミヘビはたったの10種ほどしか知られていません。またヤスリヘビが二種知られています。

・カーペットパイソン
オーストラリアのパイソンの中で、もっとも有名で分布が広い種です。樹上性のニシキヘビでポピュラーな種です。多くの亜種に分けられていますが、安価で流通するのはニューギニアとインドネシアに分布するコモンカーペットMorelia spilota variegataです。
オーストラリアには細かく分けて6種の亜種とされていますが、その中で主に北部の熱帯雨林に分布し、黄色地に黒の模様が美しいのがジャングルカーペットM.s.cheyneiと南東部のニューサウスウェルズ州に分布していし、霜降り状の細かい模様が美しいダイヤモンドパイソンM.s.spilotaがあまりにも有名です。これらはCB化が軌道には乗っていないようで、まだまだ高価です。
ダイヤモンドパイソン 写真:ペポニ


ただカーペットのグループはハイブリッド(亜種間雑種)も多く流通しているようで、なかなか見極めが難しいようです。
と言うわけでオーストラリアのカーペットはまだまだ高嶺の花ということです。

・ウォマ
ウォマAspidites ramsayi
は「幻のオージースネーク」の代名詞的なパイソンです。分布はオーストラリア大陸の西部から東部にかけて中央部に広く分布していますが、ようやく最近CB化が進み始めて、手の届く価格になってきました。なお北部の熱帯雨林ではズグロパイソンAspidites melanocephalusがウォマと入れ替わります。

・その他のパイソン
オーストラリアでもっとも分布が広く一般的なパイソンがスティムソンAntaresia stimsoni(西部から中央)、スポッテッドA.maculosus(北東部)およびチルドレンA.childreni(北部)が分布していますが、広い分布のため分類が混乱しています。全部同種にするという考え方もあるそうです。どれも小型で飼育しやすく、それほど多くはありませんが、CBが比較的安価に流通しています。

◇コブラの仲間
オーストラリアでは他の地域で見られるナミヘビやクサリヘビの仲間が少ないか、あるいはいません。ですから、その分をコブラの仲間が置き換わっていると考えて良いでしょう。実に多様なコブラがいます。
その中でとりわけ分布が広く、気も荒く危険な毒ヘビがブラウンスネークの仲間とタイパンタイガースネークそしてデスアダーでしょう。どれも何種類かに分けられていますが、トータルするとオーストラリアのどこへ行ってもこれらのコブラと遭遇する可能性はあります。もちろん、流通などには乗りませんし、流通させるべきではありません。

というわけで二回に分けて、オーストラリアの両生爬虫類の超入門をお送りしてきましたが、いかがだったでしょうか?これでずいぶんと話にもついていけるようになったのではないでしょうか?

お断りとお願い・・・今回の記事を作るにあたって、いくつかの図鑑などを参考にしました。特に分類の再検討なども多かったので、学名や分類など「ちょっと違うぞ」とか「今はこうなっているぞ」というご意見などがありましたら、遠慮なくご指摘下さい。

<All About記事>
オージーハープ超入門・前編
オーストラリア旅行記・Vol1
オーストラリア旅行記・Vol2
オーストラリア旅行記・Vol3

<関連サイト>
All About Japanオーストラリアサイト
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