全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ。

結局、一週空いてしまいましたが「はじめてのカメレオン飼育・後編」です。
前編では、カメレオンの魅力に関して精一杯語ってみましたが、いかがでしたでしょうか?

いよいよ、後編の今回は「最初のカメレオン」と「カメレオンと暮らすには」をテーマに話を進めていきましょう。

▼最初のカメレオン
「カメレオンは飼育できる動物です」
とは言ったものの、どんなカメレオンでも飼育をすすめられるモノではありません。

初めてのカメレオンは、「初めての○○飼育のセオリー」である
・飼育環境に順応しやすい
・丈夫
・入手しやすい
・飼育に関する情報が多い

で考えれば、やはり定番ですが
エボシカメレオンChamaeleo calyptoratusパンサーカメレオンFurcifer pardalisあたりが双璧でしょう。

エボシは「カメレオンの革命児」とも言われたほど、丈夫で飼育がしやすいようです。その大きな理由は
・多種に比べて温度の適応範囲が広い
・大型で表情が豊かなので体調などを察知しやすい
・植物を食べることにより水分の補給ができるので、水切れに強い
・国内CBが大量かつ安価で流通している

あたりのようです。名前の由来にもなっている雄の高く大きなクレストはまさにカメレオンの王道とも言えるかもしれません。
撮影:hide


一方パンサーは、とにかくその地域変異による、劇的なカラーバリエーションが魅力のカメレオンです。爬虫類両生類オンライン図鑑RAPLUSに各タイプの美しい写真がありますが、自然が作ったとは到底思えないあざやかさです。この種もエボシに劣らず丈夫であるため飼育が薦められるのですが、いまだ高価であるため、やや流通しているCBがエボシに比べて少ないようです。
写真:Chameleons!


ただし、特に初めて飼育される方は「高価」である方が「大事」にされるでしょうから(あまり良いことではないかもしれませんが)、そんな意味でもオススメであります。
▼カメレオンを楽しむために
さて、そんなカメレオンの魅力を堪能するために、どんな努力と心構えが私たちに必要なのでしょうか。

◇広いケージでのびのびと
小さなベビーのうちは大きめのプラケなどでも飼育は可能ですが、エボシもパンサーも比較的大きくなります。最終的には風通しの良い大きめのケージが必要になります。ガラス温室などをそのままひとつ利用するのもいいでしょう。最低でも観賞魚用の90センチ水槽(900×450×450ミリ)の縦置きくらいの大きさは考えましょう。
またカメレオンは基本的に「蒸れに弱い」ので風通しの確保は必須です。
写真:レオレオ・カメレオン・ファーム


◇高いところにケージをセット
最近は、あまり言われなくなってきましたが、その理由を考えれば、確かにそうしないよりはそうした方が良さそうなのが「カメレオンのケージは人間の視線よりも高い場所へ」というものです。
本来は樹上生活者であるわけですから、もともと低い場所は好まないはずです。どんな両爬でも同じですが、彼らの天敵を彷彿とさせる「上から見られる」ことは、ストレスの一因になります。メンテナンスや地震対策まで考慮に入れて、安定のよい場所にケージは設置しましょう。ただし、部屋の中の高い場所は高温の空気が滞留しがちです。通気と温度には目を光らせておきましょう。
写真:レオレオ・カメレオン・ファーム


◇保温と紫外線の管理
保温はもちろん必要になります。基本的にはホットスポットを設置し、ケージ内に温度勾配を作って彼らに選ばせることになりますが、彼らの多くが生息している地域の気候(ステップ気候・サバナ気候)は、昼夜の温度差はかなり大きいと思われます。昼夜の温度差をつけてあげるのは長期飼育のポイントです。また紫外線の照射も必須です。

◇自由な立体活動
樹上が彼らの生活場所ですから、それを再現するためにケージ内には彼らが好む太さと素材の木の枝などを配する必要があります。
枝の太さが彼らの好みとは異なる場合、落下事故などが起こる可能性があるようです。
ただし、あまり複雑にしすぎても彼らの行動の自由を奪いかねませんので注意が必要です。
また観葉植物は彼らが食べることも考えられますので、毒性のない種類を利用します。

◇水の与え方
カメレオン飼育の工夫のひとつに「水の飲ませ方」があります。
自然では彼らはスコールや植物の葉についた朝露を舐めていると考えられています。また彼らは外部からの情報収集の大部分を優れた「視覚」から頼っていると思われますので、「ここに水があるよ」と教えてあげないと水の存在に気づかないようです。そのため水入れの設置や霧吹きのみでは水を飲まずに脱水症状になる場合があるようです。

みなさんが行われている工夫は主に三種類あるようです。
・ドリップ方式・・・水容器から水をぽたぽたと垂らす
・エアレーション方式・・・水容器の中にエアーを送り水面を動かす
・スポイト方式・・・個体ごとにスポイトなどで水を直接飲ませる
これらは個体により個性があるようですので、いろいろ試してみるしかないようです。
◇餌の与え方
カメレオンは昆虫食ですので、基本的にはコオロギを準備しておくことになりますが、単一の餌だと飽きる(?)のか、拒食をすることがあるようです。夏場に屋外で採集できる昆虫類も含め、様々な餌を準備しておくに越したいことはないようです。ただし、屋外の昆虫は寄生虫・農薬などの心配もありますので注意が必要です。
また、死んだ餌も食べることができるように普段から飼育者自身の手や竹製のピンセットで給餌する習慣をつけておくと便利です。金属製のピンセットはカメレオンの大切な舌を傷つけるおそれがありますので、避けましょう。
またピンクマウスを食う個体には、与えた方が良さそうです。ただし、与えすぎて栄養過多にならないように。肥満が飢えよりも体に悪いのは人間もカメレオンも同じです。

◇駆虫
カメレオンに限りませんが、WCの個体(CBでもあり得る)は寄生虫を体に宿している場合がほとんどです。駆虫に関しては、簡単には説明できるものではありませんので、別の機会に説明するとして、とにかくWCのカメレオンを飼育する場合には、必ず獣医師に検査をしてもらい「駆虫」を行ってもらいましょう。
ただし、駆虫は個体の体力を著しく消耗するようです。したがって、大切なのはショップで購入する個体を選ぶ際に「餌食い」「飲水」「糞の状態」などをよく観察し、状態が良いことを確認し、駆虫に耐えることを見極めることでしょう。もちろん初めて飼育される方は、なかなか難しいでしょうから、信頼できるショップによく相談して選ぶことになります。

とにかくWC個体を最初のカメレオンに選ぶことには大きなリスクが伴いますので、最初はCBがおすすめなわけです。

言うまでもなく始めての飼育にあたっては既存の「飼育書」や購入される「ショップ」で詳しく飼育方法を調べるなどの準備はされて下さい。また、どんな種類でもそうですが、彼らの自然での生息環境や自然での生態にも興味を持って、それを再現してあげるような気持ちも持って下さい。

さて、カメレオン未経験の私が、いろいろな方からお聞きした情報をもとにのたまってみましたが、いかがだったでしょうか?

今回、書くに当たって、私もいろいろと勉強をしてみましたが、やはりカメレオン飼育の本質は、(彼の先達のパクリになってしまいますが)「田舎で、のんびりと生活しているような、生活の多くの時間をカメレオンに費やす」ことができるかどうか、のようです。逆に言うと、ある程度カメレオンに自分の生活を合わせることができるか、と言うことでしょう。

そんな気持ちでカメレオンに接する飼育者の方が増えてくれたら、ペットとして日本にやってくる多くのカメレオンが一匹でも多く幸せになれるかもしれません。これを読んでカメレオンを飼育する準備ができたアナタ。あなたが迎えたカメレオンを幸せにしてあげて下さいね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。