爬虫類・両生類/ヘビの飼い方

爬虫類は気持ち悪い? ヘビを飼育する魅力とは

「爬虫類は気持ち悪い」その代名詞がやはり「ヘビ」。しかし、私たちのようにそんなヘビをこよなく愛してやまないのです。一体何が「ヘビの魅力」なのか!? 今回はヘビのためにも「ヘビの魅力」を語って行きましょう!

執筆者:星野 一三雄

爬虫類は気持ち悪い? ヘビの魅力を解説!

爬虫類は気持ち悪い?

爬虫類は気持ち悪い?

全国の両爬ファンの皆さん、こんにちは!
これを書いているのは3月中旬でありましてちょうど、飼育中の生き物たちが冬眠から覚め始めてごそごそ動き出す頃なのですが、いつもこの時期、周りの人たちから言われるのが
ヘビは冬眠から覚めた?」
なんです。
みんな私がカメもトカゲもヤモリもサンショウウオもカエルも飼っているのを知っているのに「ヘビ」なんです。
どうやら、一般の方々って「爬虫類」=「ヘビ」そして=「気持ち悪い」という公式ができちゃっているみたいなんですよね。
そこで今回は「爬虫類=気持ち悪いモノ」の代表になっちゃっているような「ヘビ」の市民権獲得のためにも「ヘビの魅力」を語って行きましょう!!
 

ヘビはやっぱり怪しい生き物ではある

ヘビという生き物は、やっぱり私たちにとっても得体の知れない「変な」生き物です。
子供の頃から、そんな変な生き物を手元に置いておきたい、と言う願望はあるのですが、一般の家庭では、子供が「ヘビを飼いたい」と言っても、そうそう許してもらえるモノではありませんよね。そうすると生き物好きの子供にとってはヘビは「憧れの対象」になっていくわけです。
ところが、大人になってヘビのことを知るにつれ、大きな衝撃を受けるようになるのです。それは
ヘビは飼育しやすい
と。
あんなに得体が知れなくて、憧れていたヘビが飼育し易い、なんて...
 

ヘビを飼育する、とは?

ヘビ飼育の魅力の最大のポイントは「飼育のしやすさ」にあると思います。
具体的にヘビ飼育のし易さを挙げてみましょう。ただし例外もあることは当然です。
・ケージが小さくて済む
・紫外線が不要
・世話に手間がかからない
・単一の餌でよい

ケージが小さくて済む
ヘビはあまり動きません。ですから、ケージの底面積はヘビの「とぐろ」の3倍程度で良いと言われています。また、必要な設備も「シェルター」「水入れ」があれば事足りる場合が多いです。

紫外線が不要
トカゲやカメでは紫外線のことを考えなければいけません。ところが一般にヘビには紫外線は不要であると考えられています。

世話に手間がかからない
ヘビは非常に効率よくエネルギーを使う動物ですので大きな餌を一回食えばしばらくは餌を食わなくても大丈夫です。ですから、給餌などの世話も毎日行う必要がありません。むしろ神経質な場合が多いので極力環境変化をさせないためにも世話は最小限にとどめた方がいいでしょう。

単一の餌でよい
マウスを食うヘビならば、ショップで売っている冷凍のマウスを解凍して与えればよいので餌の入手やストック、栄養のバランスなどに頭を悩ます必要がありません。一匹のマウスは完全食品である、と言われたりもします。

ただし、以上の例に全く当てはまらないような種類のヘビもいることは忘れないで下さい。
 

どんなヘビが飼えるのか?

それでは以上の「飼い易さ」にあてはまるのはどんなヘビでしょう?
現在、飼育対象になっているヘビは大きく2つのグループに分けることができます。
一つはナミヘビの仲間です。美しく飼育しやすいコーンスネークキングスネーク。野性を楽しめるスジオナメラたち。ブタっ鼻がかわいいシシバナヘビなどがナミヘビの仲間です。
もう一つはいわゆる大蛇のイメージのボアパイソンの仲間です。美しいボアコンストリクター緑が美しいグリーンパイソンなどなど。
とにかくマウスを常食としていておとなしく、美しい種類が好まれて飼育されています。
 

一体、何が楽しいのか?

ヘビの飼育の楽しみは何でしょう?
まずはヘビそのものが持っている「美しさ」があります。
アルビノを中心に非常にバラエティに富んだ斑紋パターンの品種が固定されていてコレクション性が高いのも魅力です。ボアやパイソンなどの幾何学的な模様、鱗が醸し出すえも言われぬ輝き...などなど自然の造形美も魅力の一つです。

また、ヘビは他の爬虫類に比べて比較的繁殖を狙いやすい場合が多いです。コーンやキングなどは計画的に繁殖させることによって、思いも寄らないような体色や斑紋のパターンと出会えるかもしれない楽しみがあります。

さらにヘビとはハンドリングと言うスキンシップも楽しめます。そっと、包み込むようにヘビを手に持ち、指の間に絡ませる。そのひんやりとした感触に病み付きになっている、ちょっとアブナ目の方も多いはずです。

しかーし!!ヘビ飼育の醍醐味は何と言っても「給餌」の瞬間にある、と私は確信しています。
 

苦しむために飼うのか……?

ヘビ飼育ほど自虐的な趣味はない、と私は思います。
ヘビ飼育につきものなのが「拒食」です。
一般にヘビは神経質なものが多く、何かが気に入らないと、餌を食わずに死なせてしまうことがあります。
飼育を始めて、餌を食わないヘビに餌を食わせるために、本当に我々はいろいろなことを試みます。温度、湿度、ケージ内のレイアウト、照明、ケージの置き場所...時には力技として強制給餌をする、などです。まさに飼育者の「腕の見せ所」でもあり、飼育している、という実感が感じられるのも確かですが、
とにかく餌を食うまでは気が休まる暇がありません。

ところが、いろいろなことをしてあきらめかけたその時に...
餌、食ってんじゃん!!
この瞬間こそ、今までのすべての苦労が報われる至福の瞬間なのです。
我々が与えた餌をヘビが食いついて飲み込んでくれる、それを息を潜めてじっと見ている。その間は、仕事や対人関係のストレスなどもすべて忘れ去ることができます。
ヘビと我々の間にある、息の詰まりそうな緊張感。それこそがヘビ飼育の醍醐味だと私は思います。

あー、ヘビの飼育ってやっぱり自虐的だなー...

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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