両爬飼育をはじめようと思っているのみなさま。お久しぶりです。長らくお待たせいたしました!初級者の方々を両爬飼育へご案内する「コトハジメ」の第四回です!
我々両爬飼育者たちの飼育の対象になる生き物たちは、ほとんどが熱帯や亜熱帯に生息する種類です。そんな彼らに日本の気候はちょっと寒い場合が多いです。ましてや熱帯には冬はありませんから。また、両爬たちは基本的には自分達で体温のコントロールができない外温性動物です。外からの熱によって自らの生命活動をコントロールせざるを得ません。そうなると大切なのは、彼らにとって最も適した温度環境を作ってあげること。
そう。今回のコトハジメは「保温」にCloseUpです!

▼二種類の保温を使い分けろ!!

両爬飼育の保温の基本は「二種類の保温」です。
一つはケージ内の基本的な保温である「全体保温」。もう一つはケージ内の一部分を温める「部分保温ホットスポット)」です。この二つの保温を、少なくとも昼の間は同時に
行わなければいけません。(夜行性の種や両生類などにはホットスポットは基本的に不要です)
特に昼行性の爬虫類は自然下でも「日光浴」をして体温を上げてから活動をします。その日光浴の代わりとなるものがホットスポットと考えてください。
このように一般的にはケージ内に温度が「高い」ところと「低い」ところを作り「温度の傾斜」ができるように保温します。つまり彼らに自分が望んでいる温度を選ばせてあげるわけです。

▼必要な保温器具は?

種によって、飼育規模によってまたは地域によって必要な器具は変ってきますが、「全体保温」は空気や水を温める器具、「部分保温」は石などの日光浴場を温める器具と考えましょう。
ですから、「全体保温」ではエアコンやファンヒーターなどの家庭用暖房器具、ヒヨコ電球や園芸用ヒーター水生種ならば熱帯魚用のヒーターなどを利用します。ケージ内の基本となる保温ですから「温度調節」の機能が必要になります。

逆に「部分保温」は照明器具が利用されます。専用の物では、その名もズバリ「バスキングライト」が高価ですが、脱皮促進なども期待できます。一般的には電器屋でも購入できる「レフ球」を使ってスポットライトの様に目的の部分に照射させます。そのため「クリップつきのソケット」があると便利です。ケージの大きさを考慮して電球のワット数を選んでください。生き物の種類にもよりますが40W程度が適当でしょう。

▼スグレモノ・フィルムヒーター

私たち両爬飼育者が手放せない物があります。
その一つが「フィルムヒーター」ではないでしょうか。これは薄いシート状のヒーターで、表面温度が30℃くらいで維持されるために「ピタリ適温(みどり商会)」と言うのが大ベストセラーになっています。
これをケージの下に敷くことによってケージ内の床面が温められ、「這いずりモノ」である彼らを「おなか」から温めてくれます。また小さいケージならば、これだけでも「全体保温」として利用できます(冬季除く)。もちろん小さいサイズの物ならばホットスポットの代用にもなります。値段も手ごろであり、用途によってサイズを変えて揃えておくのもいいでしょう。私の家ではフィルムヒーターだけで十数枚を使っています...

▼夜間の保温

当然ですが、夜は気温が下がります。ですから、夜間もしっかりと保温を考えなければいけません。私の家の場合は温帯性種ばかりなので昼間の余熱とフィルムヒーターだけで済みますが、そうもいかない方のほうが多いですよね。
夜間の保温では光は出ずに熱だけを出す「ナイトランプ」が便利です。特に爬虫類には見えにくい光を発するランプは私たちが夜間にこっそりと観察するのに適しています。
真っ暗にした部屋の中で、怪しげな弱い光のもと、ケージを覗き込んでにやにやしている我々の姿を客観的には想像したくはありませんが...

▼保温の注意

せっかく保温したのに、それが原因で生き物を死なせてしまっては元も子もありません。以下に保温時の注意事項を挙げておきます。
乾燥に注意
特にエアコンなどを利用すると思いのほか乾燥します。湿度のチェックは怠りのないように。またフィルムヒーターが敷いてある場所に飲み水などを設置すると、気づかないうちに蒸発してしまうようなことがあります。
水場だけでなく陸場も保温
カメなど水陸両用の生き物は水場だけでなく陸場も保温しましょう。呼吸器系の疾患の原因になります。
火傷に注意
ケージ内に保温器具を設置する場合は保温器具に直接生き物が触れられないようにしましょう。そのためにはヒーターや電球の類には火傷防止用のカバーなどがありますのでケチらずに利用します。もちろん私たち飼育者も火傷に注意です。
電球類に水滴をつけないように
ホットスポット用のランプは水滴がつくと破裂することがあります。特に、霧吹き時に多い事故です。注意してください。
保温器具の故障に注意
当然ですが、保温器具が故障してしまうと保温ができません。気づいてみたら凍え死んでいた、なんてのは洒落になりません。そのためにも、これまた当然ですが温度計を設置することは忘れずに。

以上、本当に簡単ではありますが保温に関する基礎知識でした。

<撮影協力>
宮崎ペット
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。