外はキツイよ
外はキツイよ

【これからネコと暮らす方へ-Vol.2 外は危険がいっぱい!!】では、外に出さないよう注意していても起きてしまった事例です。
【ネコを外に出すこと-本当の加害者は誰?!】では、「こんなことが起きるなんて。。。」という想像力欠如の上の悲劇を取り上げます。

ネコを大切な家族、と思うのであれば、どうやって飼うことがネコの幸せにつながるか様々な事を想像しながら飼う必要があることを考えてみたいと思います。

ケース3.除草剤・薬物中毒

帰宅時の道ばたに小さな小さな子猫がうずくまっていました。ピクリともしなかったので、てっきり死んでいると思いましたが、そのままにしておくのも哀れに思い、触ってみると子猫はまだ小さく息をしていました。
Nさんは自宅に連れ帰り、ネットで子猫のケアの仕方を調べ、スポイドでミルクを与えたり世話を始めました。

子猫は徐々に体力を取り戻しましたが、彼が住んでいたのはワンルームのペット不可のアパート。
もう少し元気になったら里親を捜そうと思い、しばらくの間内緒で飼うことにしました。

子猫はどんどん元気になり、Nさんに懐き、情が移ってしまったNさんはこのまま飼い続けようと決めました。

ネコを拾って5ヶ月位経ったある日、ガスのメーター交換でNさんの部屋に入った大家さんに、ネコがいることを知られてしまいました。大家さんは規則なので、ネコを手放すかNさんが出て行くように迫りました。
そのときのNさんには引っ越す余裕がなく、といって直ぐ里親さんを探すこともできず、仕方なしに彼はネコを外に放しました。

ネコは毎晩Nさんが帰宅すると、アパートの階段で待っていて、部屋に入れて欲しそうに鳴きました。
Nさんは、ペット可の物件に引っ越しできるように貯金を始めました。
彼は、部屋にネコを入れることはしませんでしたが、毎晩アパートの裏でネコに餌をやり続けました。

ある日、毎晩いるはずの場所に、ネコの姿が見えません。ネコは彼の部屋の前の廊下で大量の吐瀉物にまみれて息絶えていました。吐いたものの中に、たくさんの草がありました。
数日前、大家さんが除草剤をまくという回覧板を回していたことを、Nさんは思い出しました。

その子を飼うと決めたときに、ペット可の住宅に越そうと努力しなかった自分を…
せめて、除草剤の回覧が回ってきた後に、室内に隔離しなかった自分を責めました。

急性薬物中毒の恐怖

除草剤や農薬は、ネコが直接口にしなくても、手足に付いたものを舐めることで体内に入ってしまいます。
特にネコは自分の胃腸を整えるために、好んで草を口にします。
外から帰ってきたネコの具合が悪そうなときは、薬物中毒の可能性もあります。
薬物で急性腎不全に罹る可能性もありますので、おかしい?と思ったら直ぐに獣医さんに相談してください。
ここの草は安全???!
ここの草は安全???!

次のページは、ケース4.「不幸な加害者をつくる可能性もあります」です!


ケース4.不幸な加害者をつくる可能性もあります

室内でも遊び道具があれば、大満足!
室内でも遊び道具があれば、大満足!

深夜の夜間専門の動物救急病院での出来事です。
その夜、先生に用事があった私の友人は、待合室で診察が終わるのを待っていました。すると、診察室から、先生のぼそぼそ話す声が聞こえてきたそうです。

「肋骨が折れてるし、その他にも内臓にダメージがあるかもしれないし。。。この子は多分かなりの高齢ですよ。17か18か、15歳は超えていると思います。このまま治ってもそんなに長くはいられないでしょう。今は大変な怪我をしているし。もし治ったとしても高齢だから、これから飼い主を見つけることは大変だと思いますよ。」
ネコをつれてきたのは若い男性らしいですが、治療中のネコの飼い主ではなさそうです。

「点滴をしながら朝まで様子をみることはできますが、ここは夜間専門の病院なので…お昼は近くの病院を探して診てもらわなければなりませんが、どうされますか?」
「…」
「連れて帰れる?」
「…何とかします。夜、自宅で仕事をしているので後で迎えに来ます。」
「預かってて、もし、苦しむようなら安楽死という選択をしたほうがいい場合も出てくると思います。何かあれば連絡しますね。」
「…できる限りのことをお願いします。…お支払いは?」
「後で、お迎えのときでいいですよ。」
うなだれて帰って行ったのは若いまじめそうな青年でした。

青年は飛び出してきたネコを避けきれず車でネコをはねてしまい、急いでこの病院を探し連れ込んだそうです。
事故を起こしてしまったのはもちろん彼の不注意かもしれませんが、ネコの交通事故は日常茶飯事です。
何かの物音に驚いて、何かを追っかけて、ネコは車が来ることなどお構いなしに道を横切ります。

ネコは自分に向かってくる車を見ると固まる!

私自身も、一つ間違ったらネコをはねてしまったかも?!という体験があります。
細い路地からネコがひょっこり出てきて、さっさと走り抜けるかと思っていたら、突然ライトを見つめて道路の真ん中に仁王立ちになって固まってしまったのです。
ネコが出てきたことがわかってスピードを落としていたので、私は止まることができましたが、もしネコがいることに気がつかなければ、そのまま…悲劇になったかも知れません。
それからは、前方の道路を横切ろうとしたネコがいたら、車を止めて先にネコを渡らせることにしています。

二度と会えないかもしれない覚悟…

早朝国道を走っていると、路肩にうち捨てられたネコの亡骸を見かけることがあります。
ネコをはねてしまっても、そのまま行ってしまう車もあるでしょうが、この青年のように大きな責任を感じて、ネコを助けるために手を尽くす人もいます。

ノラネコの平均寿命は4~5歳なので、ここまで高齢ということはどこかで飼われていたネコでしょう。
そのネコが外出自由だったのか、それとも逃げ出したのかはわかりませんが、次の日の朝になって飼い主は帰ってこないネコの心配をするでしょう。

ネコにも飼い主にとっても、変わらぬ日常が突然終わりを告げ、ネコは飼い主と離ればなれになってしまい、命に関わる大けがをしてしまいました。
もし次の日に、飼い主が手当たり次第に動物病院に電話をかけて、この事故のことを知ることができれば、…もし、その時まだそのネコの命があれば、再会できるかもしれませんが、その可能性は非常に低いでしょう。
ネコを外に出すということは、もしかしたらそのまま二度と会えなくなるかもしれない、ということなのです。

そして、誰かがそのネコを外に出さなければ、『いのちを傷つけてしまった』という辛い思いや、大けがをしたネコを引き受ける為の生活のやりくりなどの負担を負わずに済んだ青年がいたかもしれません。

はねられたネコには責任がありません。飛び出すのはネコの本能だからです。
一番大きな責任者、本当の意味での加害者を考えるとき、ネコをどう飼えばよいのか、法律でも定められていることを、今一度考えてほしいと思います。

次のページは、法律で定められた動物の飼い方についてです!


法律に定められているネコの飼い方

一番大きな責任者、本当の意味での加害者を考えるとき、ネコをどう飼えばよいのか、法律でも定められていることを、今一度考えてほしいと思います。

飼われている動物には、飼い主を選ぶことができません。
ですから、生き物と生活すると決めた人間が、しゃべれない動物の代わりに彼らの生活の質の向上を考えなければいけないのです。

自分の責任に向かい合うには勇気が必要です。
しかし、生き物と生活する以上、自分勝手な想像上の擬人化をするのではなく、そのネコ・ネコの個性を見極め、冷静に対応する必要があります。

これ、のぼるの好き!
これ、のぼるの好き!

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「動物の愛護及び管理に関する法律」 より
第2章 動物の適正な飼養及び保管

第1節 総則

(動物の所有者又は占有者の責務等)
第5条 動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者としての責任を十分に自覚して、その動物を適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。

2 動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物に起因する感染症の疾病について正しい知識を持つように努めなければならない。

3 動物の所有者は、その所有する動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置を講ずるように努めなければならない。

家庭動物等の飼養及び保管に関する基準 より
第6 ねこの飼養及び保管に関する基準

ねこの所有者等は、周辺環境に応じた適切な飼養及び保管を行うことにより人に迷惑を及ぼすことのないよう努めること。
 
ねこの所有者等は、疾病の感染防止、不慮の事故防止等ねこの健康と安全の保持の観点から、屋内飼養に努めるものとし、屋内飼養以外の方法により飼養する場合にあっては、屋外での疾病の感染、不慮の事故防止等ねこの健康と安全の保持に十分な配慮を行うこと。
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。