小海線で体験するエコ列車乗車で
八ヶ岳山麓の自然を楽しむ

ハイブリッド車
野辺山駅に停車中のハイブリッド車。環境に優しい列車だ。

北海道は遠いので、都会からそれほど離れていない場所で「自然と出会うエコ鉄道旅行」を、と考えていたら、小海線のことが頭に浮かんだ。

首都圏から中央本線の特急で二時間余りの小淵沢。ここが小海線の始発駅だ。夏季の土休日には二階建て電車を利用した「ホリデー快速ビューやまなし号」が運転されるので、この列車を利用すればリーズナブルな鉄道旅行となる。快速なので「青春18きっぷ」でも乗れるのだ。

さて、いよいよ小海線の旅だ。小海線は頭上に架線が張られていない非電化路線で、電車ではなくディーゼルカーによる運転だ。但し、ディーゼルカーはバス同様、排気ガスを出しながら走るので決して環境に優しいとは言えない。そこでJR東日本は、新たにハイブリッド車を開発し、この小海線で試験運行をすることになった。2007年夏から運転を開始したハイブリッド車は、「こうみ号」と名付けられ、夏休み期間は、もっぱら小淵沢~野辺山間で運転される。

ハイブリッド車の旅

エネルギーモニター車
ハイブリッド車内のエネルギーモニター。環境に優しいことが視覚的にわかる。
ハイブリッド車は、ディーゼルエンジンで発電した電気と蓄電池に充電した電気を効果的に使い分けるシステムだ。発車時は蓄電池でモーターを動かすので大変静かだ。普段走っているディーゼルカーに慣れていると拍子抜けするほどだ。加速するときこそ、ディーゼルエンジンを動かすのでエンジン音を轟かすが、従来車に較べれば静かだ。北海道や北欧を彷彿とさせる白樺林の自然豊かな景色の中を環境に優しい車両に乗って進むのは、クルマと違って罪悪感がなく気分もいい。

野辺山駅
野辺山駅はJRで最も標高の高いところにある駅だ。
途中駅での停車中もアイドリングがなく静寂そのもの。車内のクーラーの音だけが気になる。清里を過ぎ、JR最高地点を越えて高原のゆったりと広々した情景の中を静かに走るハイブリッド車両。ローカル線も環境に優しく、自然に溶け込もうとしている。

車内には、「エネルギーモニター」画面が掲示され、リアルタイムで今のエネルギー供給の流れが図示される。車窓とモニターのどちらを見ようか迷う場面も出てくるが、身をもってエコが体験できる貴重な一時であろう。

野辺山周辺
野辺山周辺の豊かな自然の中に宇宙電波観測所も見える。
メルヘン的な駅舎の野辺山駅は、JRで一番標高の高いところにある駅だ。ここまで来たら、列車で通り過ぎた、最高地点へも行って見たい。高原を散策しながら歩けば30分程だが、足に自信がなければ、駅前で自転車を借りて、サイクリングを楽しもう。よもや、タクシーやレンタカーなどを使ってはならない。今回は、どこまでも環境に優しく大自然に接する旅にこだわりたいからだ。クルマを捨てた旅人に八ヶ岳は遠くから微笑みかけているようだった。

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