銚子電鉄銚子駅
不思議なデザインの銚子電鉄銚子駅ホーム待合所
東京都心から東へ直線距離で約100kmの千葉県銚子市。銚子電鉄は、JR銚子駅からさらに東へ向かい、銚子半島をぐるりと半周して終点の外川(とかわ)駅までを結ぶローカル私鉄。全線で6.4kmと大変短い路線ですが、沿線には、「日本一早い初日の出」が拝める場所として知られる犬吠埼もあり、観光鉄道としての役割も担っています。

観光客が乗下車する一部の駅の駅舎はヨーロッパ風のデザインに改築されているものの、終点の外川駅をはじめ大半の駅舎は大変に鄙びた風情。かつて東京の地下鉄銀座線を走っていた車両が改造を受けて今も使われているなど、そのローカルムードにファンも多い鉄道です。

銚子電鉄の緊急メッセージ

銚子電鉄の車両
古い車両が大切に使われているが、そのメンテナンスは容易ではない
しかし全国の多くのローカル線同様、この銚子電鉄も大変に苦しい経営状態。鄙びているということは、最新設備を導入する余裕がないことの裏返しでもあるのです。

そんな中、銚子電鉄のホームページに「緊急報告」と題したこんな文章が掲載されました。

「電車運行維持のためにぬれ煎餅を買ってください!!電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」

本文を読むと、さらに厳しい状況が赤裸々に綴られています。

「弊社は現在非常に厳しい経営状態にあり、鉄道の安全確保対策に、日々困窮している状況です。年末を迎え、毎年度下期に行う鉄道車両の検査(法定検査)が、資金の不足により発注できない状況に陥っております。」(銚子電鉄ホームページより引用)

車両の法定検査とは、自動車でいえば車検のようなもので、この検査を通さなければその車両を走らせることができません。銚子電鉄で活躍しているような年季の入った車両であればその意義はますます重要で、列車の安全運行にも影響が出るということになるわけです。

「このままでは、元旦の輸送に支障をきたすばかりか、年明け早々に車両が不足し、現行ダイヤでの運行ができないことも予測されます。」(同)

犬吠駅
元旦は初日の出見物の客でにぎわう犬吠駅だが……
銚子電鉄では、毎年大晦日から元旦にかけて終夜運転で臨時列車を運行しています。5万人程度の見物客が訪れるという全国屈指の初日の出スポットに、東京方面から銚子へJRの臨時特急列車「犬吠初日の出号」も運転されるため、数少ない銚子電鉄の車両はフル稼働。

しかし検査を通せない車両があれば車両が足りなくなり、臨時列車どころか、沿線住民の足である通常ダイヤの列車も削減を余儀なくされることになります。

この状況にさらに拍車をかけたのが、今年8月の前社長の不祥事。この不祥事による個人的な借金までを、銚子電鉄が負担しなければならなくなってしまったというのです。想定外のこととはいえ、現場の方々の悔しさいかばかりかと思うと、やりきれません。


このように、鉄道会社としての切迫した事情がこのメッセージから伝わってくるわけですが、それにしても、電車運行の維持に「煎餅」とはいったいどういうことなのでしょうか?

では、銚子電鉄とぬれ煎餅の関係次のページで解説しましょう!>>