モバイルノートは万能だが「瞬間起動」に難あり

なぜ今ごろになってシグマリオン3を取り上げるのか。それはノートPCがどうしてもぬぐい去れない難点があるためだ。それは「起動の遅さ」である。

UMPC(Ultra Mobile PC)を含めて、ノートPCは「何でもできる」という大きな利点がある。デスクトップPCとアーキテクチャがほとんど同じなので、デスクトップPCと同じアプリケーションをインストールすれば(使い勝手に差はあれど)同様に使える。松下電器産業「Let'snote」やソニー「VAIO」、東芝「dynabook」シリーズのような長時間駆動が可能なモバイルノートを選べば、一日中バッテリーを気にせずに使えるというのも心強い。

長時間駆動でビジネスパーソンに人気の松下電器産業「Let'snote」シリーズ。出張などで、会社や自宅以外の場所で長時間作業することの多い人にお薦めだ。ノートPCは「アプリケーションさえ入れればデスクトップPCと同じことができる」というのが何といっても魅力(クリックで拡大表示)

ただし、起動速度についてもデスクトップ機と同様で、電源オンからアプリケーションを利用できるまで少なくとも30~40秒はかかってしまう。電車での移動時間が10分ほどあるから、その間に資料作成の続きをしたい……と思っても、バッグからノートPCを取り出して開き、電源をオンにしてアプリケーションを起動し……と操作しているうちに数分もかかってしまうのだ。

もちろん「スタンバイ」や「休止状態」機能を使えば、今書いたようなことにはならない。アプリケーションやデータを開いたままでスタンバイしたのであれば、スタンバイ前のその状態に戻してくれる。だが、どちらもモバイラーにとって満足のいくものではないのだ。

スリープ機能は起動中のメモリー状態をバッテリーでバックアップし、ボタン一つでほぼ一瞬に復帰できる機能だ。「瞬間起動」という意味では文句なしなのだが、スリープ状態もバッテリーを消費するため、駆動時間の短いモバイルノートでは使いにくい。また、まれにうまく復帰できないことがあるため、作成中のデータが消えてしまう恐れがある。

スタンバイや休止状態機能を使えば、PCでもアプリケーションや書類を開いたまま作業を中断できるが、復帰までに時間がかかってしまうのが難点(クリックで拡大表示)

休止状態はHDD内にメモリー状態をファイルとしてバックアップし、復帰の際にそれを読み込むため、休止中にバッテリーを消費することはない。ただしメモリーが多いほどバックアップのためのHDD容量が必要になるだけでなく、休止や復帰にかかる時間も長くなってしまう。新幹線など長時間の移動中に仕事をする用途にはベストマッチなのだが、日々の短時間の移動にはベストソリューションとは言えないのである。

その点、シグマリオン3は瞬間起動が可能。液晶を閉じるだけでスリープ状態になるが、ノートPCのスリープとは違ってバッテリーをほとんど消費しないため安心して使える。例えばたった1駅、3~4分程度の移動時間でも、座ってすぐにシグマリオン3を開いて資料作成の続きを行うといったことが手軽にできるのだ。

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