「わたしのひとり旅は わたしのこころの旅であり 自然を見つめる 一人旅である」
若山牧水


窓の外に絶景があるわけでもなく、浴衣を選んだり、部屋の小物に格別のこだわりがあるわけでもない。ましてや露天風呂も、温泉付部屋など・・・・。
たぶん、女性誌では取り上げにくい、ビジュアル的に訴えるものがない宿。
でも、一人旅を歓迎してくれる、男性リピーターが何度となく疲れを癒しにやってくる宿があります。



それが【湯宿温泉・金田屋旅館】

湯宿、ふつうに読むと「ゆやど」ですが、「ゆじゅく」と読む、群馬県の三国街道沿いにある小さな湯治場。

つげ義春の『ゲンセンカン主人』のモデルもこの温泉。モデルとなった宿は今では改築され、当時の面影はないのですが、今でも、格安の湯治宿として、疲れた旅人を待っています。

湯宿は本当に小さな集落なのですが、8軒の宿と4つの共同浴場があり、石畳がひかれた町の中を、浴衣姿でブラブラしたくなる、ちょっと「千と千尋」を彷彿させる、不思議な迷宮感のある温泉です。

共同浴場の利用は地元の人と宿泊者のみの利用。宿で鍵を借りて入浴できます。

今回、ガイドが紹介したいのは、この湯宿温泉で、野菜や山菜、地物の自然食材をたっぷり出してくれる「金田屋旅館」。 

小さなお宿ですが、和風の佇まいと源泉100%のかけ流し、肩こりや疲労回復にいいナトリウム・カルシウム硫酸塩泉が、じわじわと緊張をほぐし、ゆるゆるとした時間を過ごしたくなるカラダにしてくれます。

温泉もいいのですが、ここは源泉は飲泉もできて、風呂上がりに自由にいただくことができます。カラダの外と中から温泉を愉しめるわけです。


金田屋旅館は、若山牧水が「みなかみ紀行」の中で宿泊した宿でもあり、ガイドが数年前逗留したときには、当時を知る大女将が健在で、「牧水さんは背の小さな人でね」などと牧水が泊まった一夜のことを、昨日のことのように語ってくださいました。

牧水が泊まった部屋は土蔵の二階に今もあり、見学ができます。

さてさて、この金田屋旅館、イチ押しが食事。
次ページでは2泊したくなる食事メニューとオススメの見所をご紹介します。