今回は、英語学習に役立つと思われる本の紹介をさせていただきます。題名は「世界一簡単な英語の本」(向山淳子+向山貴彦 共著:幻冬社刊)。この本は話題になっているので、もしかしたら、書店で平積みになっているのを見た方も居られるかも知れません。実際に買って読んでみると、非常に役立つ本だと思ったので僭越ながらご紹介したいと思います。

 私事で恐縮ですが、私が身を置いているIT業界というところは、やたら英文字の略語を使うところです。マニュアルの大半は英語で書かれており、これを理解できないと沢山ある機材をまともに動かすための設定作業も出来ないのです。しかし、ネットワークエンジニアには英語音痴というかアレルギーが多い。ただ、よくみると、エンジニアたちは英語に限らず日本語も上手ではないことに気がつきます。どうやら彼らは数理解析能力には優れていますが、英語のような非論理的なものは苦手だと言いたいようなのです。
 そこで、海外に出すレターの添削の必要が生じたりすると私が駆り出されます。「すみませんが、英文のメールを作ったので送信ボタンを押す前に見てもらえませんか?」というわけです。でも、私は「どうやればあなたのように英語が出来るようになりますか?」とはあまり聞かれません。たまに聞かれると、「とにかく英語をよく聞くことです。NHKのラジオ英会話をテープに取って、ウォークマンで聞きなさい。」と答えることにしています。事実、私はそうやって自分のリスニング能力を高めたのだと信じています。
 ところが、この本の英語上達法として紹介されている方法は少し違います。そこには、

 英語はとにかく、まず「読む」ことです。

 と紹介されています。ではリスニングはどうするのか?という疑問がわきますが、聞き取れないのは相手の言っている文を見たことがないからです。自分の知っている文の中に無いからです。と一刀両断されてしまいます。英語でロックを聞く場合でも、歌詞カードさえあれば簡単に聞き取れるという例えは当を得ています。日本の英語教育では、英語の本を一冊も読み通すことなく中学から大学までを終えることがあるが、これは異常事態というのもうなずけます。
 「英語はとにかく読むこと」こう割り切ってしまえば、次はどうやって読むに至るかが問題になります。読むためには最低限のコツを知る必要があるだけで、他は必要無いと説かれています。

 必要なのは基本の基本だけ

 なのです。あとはひたすら読み続けるだけです。そして、この本の目的はなんと「最初の一冊の本をあなたが選び、読み始める」までの手伝いをさせていただくことだというのです。
 なんという潔さでしょうか!私はかつてこれほどまでの割り切った英語解説書を見たことがありません。しかも、英文法の解説も決して怠ってはいないのです。それも、三人称単数や不定詞や助動詞などといった忌々しい文法用語を全く使わずに。


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