コミュニティの活性化について語る笠原氏 コミュニティの活性化について語る笠原氏

コミュニケーションの基本単位

ガイド:
招待制なのもよいシステムだと思います。ユーザーの紹介が無いと入れないという仕組みは、セキュリティ面でも優れていますよね。訳のわからない人の進入をある程度抑制することができますし。このシステムによってたとえばコミュニティも、誹謗中傷のたぐいは激減すると思います。誰でも参加できるとやはりそういういわゆる言い争いが好きな人たちが介入してくる可能性を残してしまいますから。

笠原:
たしかに招待制は、セキュリティ的な役割もありますが、日記を書くモチベーションとなるなど、コミュニケーションを活性化させる仕組みだともいえます。

ガイド:
え?招待制がですか?一見すると矛盾しているように思えますが。誰でも参加出来る方が広がりが早いように思えるのですが。

笠原:
たとえば、人が1人だけだったら、コミュニケーションの必要性がありませんよね?伝える相手が存在しないわけですから。でも2人になると、「相手」が出現します。すると自分の気持ちや相手の気持ちを知ったり伝えたりするためにコミュニケーションが必要になるのです。コミュニケーションの基本単位は2人なんです。1人が誰かを誘ってコミュニティに参加するというのは、入った時点ですでにコミュニケーションをする相手がいるということなんです。たとえば、電話って1台では機能しないですよね?相手が持っていないと役に立たない。それと同じです。

ガイド:
なるほど。私もよく勉強会や交流会といったパーティに参加するのですが、新しい集まりに行ったとき、誰も知り合いがいないと、しばらく困っちゃいます。いわゆる壁の花状態になってしまうんです。でも、知り合いが1人でもいれば、その方からいろいろと知り合いを紹介していただき、楽しく過ごすことができます。完全紹介システムは、コミュニティの活性化のための仕組みだったのですね。

笠原:
ユーザーの広がりにしても、1人は何倍しても1人ですが、2人だと2倍すれば4人だし、その4人が2人づつ紹介すると2×2×2=8人になる。招待制が、ユーザー拡大に貢献しているといえるかもしれません。

ガイド:
米国のSNSも同様のシステムだったのですか?

笠原:
いえ。米国では、プロフィールと、ビジュアル化された友人リストだけで、どうしても使い続けるイメージが湧きませんでした。「mixi(ミクシィ)」では、それに、

・日記
・コミュニティ
・足あと
・メッセージ

等を付加してコミュニケーションを積極的に行えるような仕組みに変えました。さらに、仕掛けとして、メッセージを送信できたり、メッセージの着信を知らせるメール等の機能も追加していきました。

SNSの収益のポイント

ガイド:
「mixi」の収益は広告収入がメインなのでしょうか?

笠原:
主な収益の柱は広告収入とmixiプレミアムというユーザー向けの有料サービスです。ただ、現在のところ、私は「mixi(ミクシィ)」については「ユーザーの方が使いやすい、居心地のよいサイトを提供すること」だけを考えています。収益は、優れたコミュニケーションサービスを提供することであとからついてくると思っています。

ガイド:
なるほど。優れたコミュニケーションサービス上では、様々なことが可能になりますよね。たとえば、商品のレビューにアフィリエイト機能を付けたり、先ほど公園のたとえを話しましたが、その近隣の商店街という位置づけのECサービスを展開するとか、オークションの場を提供するとか。いろいろと考えられると思います。

自己検証システム

ガイド:
広告は、現在はページの上部にあるバナーがメインですよね。コミュニティサイトでのバナーの効果はいかがですか?

笠原:
「mixi」に掲載されるバナーは、コンバージョンレートの高さが特徴です。理由としては、「mixi」を利用している人の多くは、コミュニケーションツールとして「mixi」を使っているので、サイトの滞在時間が長く、一日に多くのページをクリックしますので、1人の人が何度も同じバナーを見るためだと言われています。

バナーの広告内容についての認知が高いので、 そのバナーをクリックしたり、クリックしたあとの申し込み等、次の行動に結びつきやすいようです。

ガイド:
それは実際に数値で検証されたりはしているのですか?

笠原:
弊社の求人情報サイト「Find Job !」のデータですが、「Find Job !」の広告を出稿して、「Find Job !」に新規に登録する人のデータをとったところ、大手ポータルサイトでの広告よりも「mixi」 のバナー広告の方が3倍も効果が高かったのです。

ガイド:
3倍ですか!それは素晴らしい。それにしてもイー・マーキュリーは先ほどの機能改善要望コミュニティもそうですし、バナー広告を自社内の事業でコンバージョンレートを検証できたりと、非常に特徴的ですね。『自己検証システム』とでもいうべきシステムが常に機能しているように感じます。

<次のページでは「mixi」において、笠原社長が心がけていることにせまります!>