まずはじめに、きしめんとは何ぞや?

濃い目のつゆに油揚げ、カマボコ、ほうれん草、そしてたっぷりのかつおぶしがきしめんの定番

濃い目のつゆに油揚げ、カマボコ、ほうれん草、そしてたっぷりのかつおぶしがきしめんの定番

江戸時代から名古屋の庶民に愛され、親しまれているきしめん。名古屋メシの中で、最も歴史のある一品だと言えます。

ここでは、きしめんのウンチクおよび、名古屋駅で気軽に食べられるお店や、街場のオススメ店を紹介します。

きしめんはご存知の通り、麺が平たいのが一番の特徴。それ以外は普通のうどんとほぼ同様です。ここで、「何だ、麺が平ぺったいだけでただのうどんじゃねぇか」なんて思うなかれ。きしめんにはきしめんの基本スタイル、そして名古屋人好みの特徴があるんです。

つゆはやや濃い目のカツオダシ。具は油揚げ、カマボコ、ほうれん草などの青物、そしてたっぷりのかつおぶし。この組み合わせがきしめんの王道です。質素とすら感じるきわめてシンプルな麺料理でありながら、濃い味つけはいかにも名古屋人好み。それでいて、平たい麺はするするっとのどごしがよく、味が濃い割には重たく感じません。濃い目のつゆ、だしで名古屋人の嗜好を満足させ、なおかつ手早く食べられる麺物の長所も損なわない。これが、きしめんが名古屋人に長く愛され続けている理由だと考えられます。

伝統ある名古屋メシは、名前の由来も諸説あり

きしめんという名前の由来は諸説があります。

【紀州麺 説】:江戸時代に、紀州藩の殿様が尾張藩の殿様に平たい麺を献上した。この紀州麺が「きしゅうめん」「きしゅめん」「きしめん」……といつの間にかなまったとする説。

【きじめん 説】:その昔、尾張の殿様が好んでキジ肉入りの麺を食べていたのをルーツとする説。現在、きしめんに必ず乗っている油揚げは、ぜいたく品だったキジ肉の替わりに入れられるようになったとか。

【碁子麺 説】:麺生地を平たく伸ばし、竹筒で抜いて碁石のように丸くした碁子(ごし)麺。ここから、平たい麺を棊子麺(きしめん)と呼ぶようになったとする説。(「碁」が何で「棊」に変わったかはよく分かりません。どこかで誰かが書き間違えたのか?・・・いや、実際こういう“校正ミス”みたいな話ってよくあるんですよ)

市内を中心とした主要店40件以上のマップが載ったフリーペーパー「きしかいせい」。「よしだきしめん」「川井屋本店」など掲載店舗で無料配布している

市内を中心とした主要店40件以上のマップが載ったフリーペーパー「きしかいせい」。「よしだきしめん」「川井屋本店」など掲載店舗で無料配布している

と、どれも決定打に欠ける感もありますが、真相がはっきりしないというのも長い歴史を持つ伝統的名物らしくていいんじゃないでしょうか。

きしめんは名古屋ではきわめてポピュラーで、一般的なうどん屋さんならまず間違いなく食べられます。ただ、味噌煮込みうどんやカレーうどんの専門店では、きしめんがない場合も多いのでご注意下さい。