人間関係

「別れるなら、夫が元気な今のうちに…」。55歳女性が“熟年離婚”を急いだ納得の理由

20年も一緒にいれば「今さら離婚なんて」と思う夫と、「なんとか50代のうちに自由になりたい」と願う妻。55歳で“妻”の肩書を手放すことになった女性が、熟年離婚をかなえた今の心境を晴れやかな笑顔で語ってくれた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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2月23日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、“熟年離婚”についての特集があり、反響を呼んでいる。熟年離婚とは同居20年以上の夫婦の離婚を指す。

20年も一緒にいれば「今さら離婚でもないだろう」と思う夫と、「なんとか50代のうちに自由になりたい」と願う妻は、実際にも多く存在する。

些細なことが「積み重なった」結果

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「結婚して30年、ついに離婚の決意を固めました」

そう言うのは、イクコさん(55歳)だ。7歳年上の夫との間に5人の子がいる。彼女の年齢でも5人というのはかなり多い。

「子どもが大好きで、本当はもっと産みたかったくらい。でも子どもが増えれば増えるほど夫には関心がなくなっていきました。夫は自分を振り向いてくれない私にイライラが募っていったそうです」

少し前、夫と離婚について話し合った。夫は「結局、家庭は君がいなければ回らなかった。そして子どもたちは誰1人、オレの言うことはきかない。子どもを味方につけて、すべて自分の思い通りになったね」と言われたそう。

「若いときは仕事三昧だったし、仕事でのイライラを君にぶつけたこともある。家の中のことはすべて任せていたし、子どもたちにもろくに関わってこなかった。悪かったのは自分だとわかっている」

夫はそうも言った。だが、そこで「これから自分が変わるから、なんとかやり直してもらえないか」と言えないのが、昭和の男なのかもしれない。

「私は離婚したかったわけではありません。もし10年前に夫が心から懺悔してくれたら、こういう結末にはなっていなかった。ずっと夫に本音が言えなかった。何か相談事があっても話そうとするとチッと舌打ちされて、『そんなことくらい自分で決めろよ』と言われるだけでしたから。夫が言うように家庭のこと、夫の親戚付き合い、近所付き合い、子どもたちの学校でのこと、将来のこと。とにかくすべて私ひとりでやってきた。夫はゴミ出しひとつしたことがありません」

一番上の子は29歳、一番下は19歳の大学生。3男2女が小さいときは、本当に大変だったが、彼女は仲のいい隣近所の人たちと助け合いながら乗り切ってきた。それについては「周りの人に恵まれていた」というが、おそらく彼女の人柄ゆえだろう。

>夫が元気なうちに別れなければ……
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