夏におすすめの鉄道旅行

夏の旅行といえば、暑さを忘れて涼しいところへ行ってみたくなる。その代表は北海道と甲信越の高原だろうか。涼しげな車窓の楽しめる代表的な路線をピックアップしてみよう。また、最後に初夏の風物詩である箱根登山鉄道の「あじさい電車」を紹介しよう。

北海道の車窓から

■最北端の地を目指す宗谷本線
スーパー宗谷前面展望
宗谷本線を走る特急「スーパー宗谷」の前面展望。天塩川に沿って最果てを目指す
利尻山
最北の地・稚内が近づくと、サロベツ原野の彼方に利尻山が見えてくる。この写真では分からないが、山は海の向こうに聳える孤島の山なのだ
特急「スーパー宗谷」が走る宗谷本線だが、車窓はのどかでローカル線の情緒たっぷりだ。音威子府を過ぎれば、米作の北限を超え、ヨーロッパ風の田園風景となる。やがてサロベツ湿原のかなたに利尻山が見えてくる。南稚内の手前では、海の向こうに鮮やかな利尻山の勇姿が望め、旅のフィナーレを飾ってくれる。
■根釧原野と湿原を行く根室本線(花咲線)
東根室
最東端の駅・東根室付近を行く列車

厚岸を過ぎれば、別寒辺牛(べかんべうし)湿原の神秘な姿に見とれ、やがて霧に包まれた原生林の中をひた走る。冷房がなくても、窓を開ければ、ひんやりした大気の天然クーラーで身が引き締まる思いだ。太平洋にそそり立つ断崖絶壁を遠くに望むうちに根室が近づいてくる。

■釧路湿原やオホーツクを望む釧網本線
北浜付近
オホーツク海に沿って走る列車。網走近郊の北浜にて

クルマでは入れない釧路湿原の中を列車はのんびり進む。観光列車「ノロッコ号」も走っている。雄大な平原を進み、やがて摩周から川湯温泉あたりは山深いところを行く。知床の玄関口・知床斜里からはオホーツクに沿って走り、原生花園を見ながら網走を目指す。
■ラベンダーの花咲く富良野線
富良野線の普通列車
富良野線を行く普通列車

ラベンダー畑には夏季のみオープンの臨時駅も開設。ノロッコ号に乗ってのんびり列車の旅をしてみたい。山を越えれば美瑛に停車。バスで美瑛の丘を巡って、広々した大地に感動しよう。
■馬と海をたっぷり眺める日高本線
絵笛駅
浦河の手前にある絵笛駅。まわりは馬牧場ばかりで、馬でも列車に乗るのだろうかと思いたくなる

沿線のいたるところに馬牧場がある。海岸すれすれのところを走るので、海が荒れた日に乗ればスリル満点。とくに節婦~新冠間の判官館の岬は息を飲む断崖絶壁だ。浦河の手前の絵笛は馬牧場の中の長閑な駅。人の気配はないが、馬は山ほどいる。終点・様似でバスに乗り継いで、襟裳岬まで足を延ばそう。