亀山早苗の恋愛コラム

50代、妻子持ち。不倫相手と手つなぎ「初詣」デートではしゃぐ僕の前に現れた“まさか”の人物

もしも不倫相手とホテルのラウンジにいたとしたら、「仕事関係」などと言い逃れできそうなもの。それが初詣だったとしたら、目撃した人物はどう思うだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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不倫であれ、恋をしていれば一緒に初詣に行きたくなることもある。ところが初詣は言い訳がきかない。たとえばホテルのラウンジでお茶を飲んでいるところを誰かに見られても「仕事関係」「旧友にばったり会った」と言い逃れもできるが、初詣はそうはいかない。
 

恋人と初詣に行ったら

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「子どもたちも大きくなって、元日であってもそれぞれ予定が入っている。夫婦で初詣に行こうかとも思ったんですが、うちは僕の老母と同居で、ふたりで出かけるわけにはいかないんです」

マサヨシさん(52歳)はそう言った。結婚して22年、長男は大学3年、長女は大学1年。もう親と一緒に行動する年齢でもない。そしてマサヨシさんには、付き合って3年になる女性がいる。

「彼女、昨年離婚したんですよ。僕のことが直接的な原因ではないと言うんですが、間接的には原因がある。もともと夫婦仲がよくないところに僕との関係が始まって、彼女は思いきって離婚したのだから」

同世代の相手であるアキコさんにはすでに就職した娘がいる。娘とは一緒に住んでいるが、娘は正月、海外旅行に出かけると聞いていた。

「そこで今年の元日は、アキコと一緒に初詣に行こうかという話になったんです。今まで一度も一緒に行ったことがないし、彼女がひとりきりで正月を迎えるのも初めてだと聞いたから。寂しいでしょう、ひとりきりのお正月なんて。彼女は『ふだんのんびりできないから、ひとりで羽を伸ばすわ』と言っていたけど、初詣に誘ったら目を輝かせていました」

だがテレビ中継が入るような大きな神社に行くわけにはいかない。考えた末、アキコさんの自宅近くの小さな神社にした。

「近所の人は日付が変わるころ、みんな行っちゃうのよ。昼間ならほとんど誰もいないわよ」

アキコさんがそう言うので、じゃあ、散歩に行くと言って家を出よう、2、3時間帰らなくてもどうってことはないだろうと彼は考えた。

「昼頃かな、妻に『ちょっと散歩に行ってくる』と言ったら、『早く帰ってよね』と。母は介護が必要な状況ではないんですが、妻は母とふたりきりになるのをあまり好んでいないので」

せめて正月くらいは、母親の相手をしたらどうなのと言われたばかりだったそうだ。それでもなんとか家を出たマサヨシさん、すぐにアキコさんに連絡した。
 

古い神社でばったり会ったのは……

「アキコの自宅の最寄り駅で電話をして待ちあわせようと思ったんですが、駅まで行ったらなんだか気が変わってね。まずはアキコに会いたいと。だから自宅へ行って、さっそく愛し合って……。3年たってもお互いを求める気持ちが強いんですよ(笑)。その後、アキコが作ってくれた料理をつまんでから、ふたりで出かけたんです」

町の奥まったところにある古い神社は、確かに人出が少なかった。それでも正月の雰囲気はある。ふたりはお参りしてからおみくじを引いたり、小さな茶屋でぜんざいを食べたりして「なぜかけっこうはしゃいで」いたという。

「そこにいる間、何度かふっと視線を感じたんですよ。でもそちらを見ても誰もいない。そろそろ帰ろうかと立ち上がると、彼女が手をつないできた。照れくさいけど僕も握り返して」

>ふっと感じた視線、そこに現れた想定外の人物
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