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「実質月額0円」が終了、「楽天モバイル」を11月以降も使うメリットは

「月額0円」の仕組みが廃止された楽天モバイルの新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」への移行に伴う、実質0円で利用できるキャンペーン施策が2022年10月に終了します。11月以降は楽天モバイルを利用するのに、月額1078円を支払う必要があるのですが、お金を払ってでも継続利用するメリットはどのような点にあるのでしょうか。

佐野 正弘

執筆者:佐野 正弘

携帯電話・スマートフォンガイド

「実質月額0円」が終了する「楽天モバイル」

「実質月額0円」が終了する「楽天モバイル」

月当たりの通信量が1GB以下の場合、月額料金0円で利用できることが大きな評判を呼んだ、楽天モバイルの料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」。ですが楽天モバイル自身が先行投資で赤字が続いていることもあって、2022年7月より提供開始した新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」では0円で利用できる仕組みを廃止しています。
 

10月いっぱいで終了する「実質0円」

楽天モバイルが2022年7月より提供している「Rakuten UN-LIMIT VII」は、前プランにあった月額0円で利用できる仕組みが廃止され、必ず料金がかかるようになった

楽天モバイルが2022年7月より提供している「Rakuten UN-LIMIT VII」は、前プランにあった月額0円で利用できる仕組みが廃止され、必ず料金がかかるようになった

楽天モバイルの料金プランは1つのみで、全てのユーザーが新しいプランへ自動的に移行する仕組みであることから、現在はデータ通信を利用しなくても月額1078円がかかるようになっています。

ただ月額0円の仕組みは非常に評判が良く、廃止したことに対する不満が非常に大きかったこともあって、楽天モバイルはその緩和策として、無料化やポイント還元などにより、一度料金を支払う必要はあるものの実質的に0円で利用できるキャンペーン施策を提供していました。
Rakuten UN-LIMIT VIIへの移行後、月額0円で利用できなくなることの緩和策として4カ月間は、無料キャンペーンやポイント還元などによって実質0円で利用できた

Rakuten UN-LIMIT VIIへの移行後、月額0円で利用できなくなることの緩和策として4カ月間は、無料キャンペーンやポイント還元などによって実質0円で利用できた

しかしながらその緩和策も2022年10月に終了する予定で、それ以降は楽天モバイルを契約している限り、必ず1078円の月額料金がかかってしまいます。それゆえ、特にこれまで月額0円で楽天モバイルを使い続けてきた人などは、料金を払って契約を継続するか、解約もしくは他社に移るか悩んでいるのではないでしょうか。

実際のところ、料金を支払って楽天モバイルを契約し続けるメリットはどこにあるのでしょうか。改めて2022年11月以降、楽天モバイルを利用するメリットを考えてみましょう。
 

1.「楽天市場」でのポイント還元が最大3倍アップする

楽天モバイルを契約し続けるメリットのひとつは、Eコマースサービス「楽天市場」でのポイント付与率が増えることです。

楽天市場には、楽天グループのサービス利用状況に応じて買い物をした時の「楽天ポイント」付与率がアップする「SPU」(スーパーポイントアッププログラム)が存在します。楽天モバイルもそのSPUのポイントアップ対象となっており、これまでも契約してさえあれば1倍ポイントアップしていました。

そしてRakuten UN-LIMIT VIIへの移行に伴い、楽天モバイルはさらにポイントが1倍、「楽天ポイントクラブ」の「ダイヤモンド会員」であればもう1倍アップするキャンペーンを実施しています。これはSPUとは違ってキャンペーンという扱いになるため、付与されるポイント数は、月間で1000ポイントまでと上限が定められています。
Rakuten UN-LIMIT VIIでは楽天モバイル契約者に対し、楽天市場でのポイント付与が従来の1倍に加えもう1倍、ダイヤモンド会員にはさらに1倍追加されるキャンペーンを実施。2022年11月以降はこの仕組みがSPUに組み込まれる形となる

Rakuten UN-LIMIT VIIでは楽天モバイル契約者に対し、楽天市場でのポイント付与が従来の1倍に加えもう1倍、ダイヤモンド会員にはさらに1倍追加されるキャンペーンを実施。2022年11月以降はこの仕組みがSPUに組み込まれる形となる

しかしながら2022年11月以降はこのキャンペーン施策が正式にSPUに組み込まれ、楽天モバイルを契約していれば2倍、ダイヤモンド会員は3倍ポイントがアップするようになります。また月間で獲得できるポイントの上限も楽天ポイントクラブの会員ランクによって変わる仕組みとなり、レギュラー会員は合計で5000ポイント、ダイヤモンド会員は1万5000ポイントとなります。

こうした仕組みは「Amazonプライム」「Yahoo!プレミアム」など、Eコマースサービスでお得に買い物ができる有料プログラムを意識したものといえます。それらプログラムが500円前後で提供されていることを考えると、月額1000円を超えるRakuten UN-LIMIT VIIが高いことは確かなのですが、有料プログラムに500円をプラスすると携帯電話サービスが付いてくると考えれば安い、と見ることもできるでしょう。
 

2.「Rakuten Link」が他社の国内通話し放題オプションより安い

楽天モバイルは本格サービス開始当初より、専用の「Rakuten Link」アプリを使うことで国内通話がかけ放題になるサービスを提供しています。これはRakuten UN-LIMIT VIIでも利用可能で、月額1500円を超える追加料金が必要な他社の通話し放題オプションよりも安い、月額1078円から利用できることを考えれば、国内通話専用のサブ回線として楽天モバイルを契約するメリットはあるでしょう。
「Rakuten Link」を用いての国内無料通話はRakuten UN-LIMIT VIIでも利用可能。1078円で利用するならば他社の通話し放題オプションの料金よりも安い

「Rakuten Link」を用いての国内無料通話はRakuten UN-LIMIT VIIでも利用可能。1078円で利用するならば他社の通話し放題オプションの料金よりも安い

ただiPhoneで利用する場合、Rakuten Linkから着信に直接折り返して通話ができない、Rakuten LinkではSMSをRakuten Link利用者以外に送信できないなどの制約が依然として存在しています。それゆえ特に着信履歴から折り返しする際は、慎重に操作しないと損をしてしまう可能性もあることから運用には注意が必要です。
 

3. エリアが気にならなければ月額料金は安い

楽天モバイルは、人口カバー率97%を突破しだいぶ改善が進んだとはいえ、まだエリア整備が途上なことから他の大手3社より利用できるエリアが狭いのは確かです。まただいぶ減ってきているとはいえ、地方を主体としてKDDIとのローミングで賄っているエリアも依然存在しており、そうした場所で利用する際は高速データ通信の上限が5GBまでという制約が残っています。
楽天モバイルの人口カバー率は2022年4月時点で97.2%。他社に追い付くには至っていないものの、以前よりはだいぶ楽天モバイル回線で利用できるエリアが増えている

楽天モバイルの人口カバー率は2022年4月時点で97.2%。他社に追い付くには至っていないものの、以前よりはだいぶ楽天モバイル回線で利用できるエリアが増えている

ただそうした場所にあまり行くことがないのであれば、月額料金が3GBまで1078円、どれだけデータ通信を使っても3278円を超えないRakuten UN-LIMIT VIIの内容が非常にお得なのも確かです。これまで楽天モバイルを利用していてエリアや品質面で不満を感じていないのであれば、これを機に楽天モバイルをメイン回線にして料金を抑えるという手もあるでしょう。

最近ではiPhoneをはじめ多くのスマートフォンが、1台の端末に2枚のSIMを挿入して2回線を同時利用できる「デュアルSIM」に対応しています。楽天モバイルをメイン回線として利用するのであれば、例えばスマートフォンにKDDIの「povo 2.0」のSIMを追加しておき、普段は楽天モバイルの回線を使いつつ、遠方に行く場合はpovo 2.0を使うといった運用をすることで、出費を最小限に抑えて楽天モバイルの弱点をカバーできることも覚えておくべきでしょう。


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