食生活・栄養知識

「ハードコア弁当」「だけ弁当」…メリットと栄養面での注意点

【管理栄養士が解説】密閉容器に白ごはんを詰めて、おかずを1品乗せるだけの超時短弁当。見栄えには全くこだわらないお弁当として「ハードコア弁当」「だけ弁当」などが注目されています。とても簡単なので忙しい人には魅力ですが、栄養学的に見ると問題点はないでしょうか? メリットと注意点、楽しみ方のポイントをご紹介します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

「ハードコア弁当」「だけ弁当」とは? おかず一品だけのお弁当

シンプルなお弁当

白ごはんにおかずを一品乗せるだけの超時短弁当! 栄養面で気を付けるべきポイントは?

最近耳にする「ハードコア弁当」。ハードコア弁当とは、お笑い芸人のホイップ坊やさんが考案した、準備の手間や華やかさを徹底的に削ぎ落としたお弁当スタイルのことです。 よく似た市販のお弁当に、ローソンストア100の「だけ弁当」シリーズがありますね。

具体的には、密閉容器にごはんを詰め、その上に1品だけおかずを乗せたお弁当です。発案者さんいわく、弁当を持っていくのに、おかずの品数を作って見栄を張る必要はないとの考えのもと、「いっぱい食べられる」「洗い物がラク」「すぐ作れる」の3つを満たした弁当を考えた結果、こうなったとのこと。考案者さんは本当に調理に手間をかけたくないようで、1週間分を一度に作って冷凍保存しているそうです。

確かに、ごはんは一度に数回分が炊き上がりますし、おかずの1品を数種類購入してきて乗せるだけ。お弁当箱になる容器さえあれば、一度に大量作成も可能です。これは究極にラクそう!と思う反面、栄養面では問題ないのか気になる人もいるようです。栄養学的な面から、「ハードコア弁当」「だけ弁当」について考えてみましょう。
 

一品弁当の栄養学的な問題点は? 美味しく便利に楽しむポイント

毎回おかずは変わるので問題なさそうにも見えますが、極端な使い方は少し注意が必要。もし1日3食を究極にシンプルなお弁当だけで済ませてしまったら、ビタミンやミネラルが不足しそうです。時短にはなるかもしれませんが、じわじわと健康が脅かされてしまう可能性がありますので、多用しすぎるのは栄養学的には決しておすすめできません。

ただし、精神的に余裕がないときなど、「好きなものだけを爆食いしたい!」とか、「とにかく今日は忙しいので、準備も食事もささっと済ませたい!」といった時に、アクセントのように使うのは、アリだと思います。こういったものが食べたくなるときは、おそらくそういう食事を体が欲しているときだと思いますので。

とはいえ、ビタミンやミネラル不足になりやすいことは頭においておきましょう。お昼のお弁当として食べる場合、朝食・夕食は栄養バランスが整うよう、野菜料理をしっかり取り入れるように配慮してください。難しいようであれば、3~5日でバランスをとっても構いませんが、可能であれば、1日単位で栄養バランスが整うように配慮するのがベストです。
 
ほんの時々であれば、栄養素が偏った食事であっても、その前後で調整することで、健康には大きな影響は出ません。1食の栄養バランスの良し悪しを考えることも大切ではありますが、過敏になりすぎる必要もないのです。効率や手抜きも時には大切に、精神的につらくならない範囲で、栄養バランスを考えてみてください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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