人間関係

夫と妻の「食卓マナー」バトル…食べる前から“味変”夫、食後の皿を重ねたくない“潔癖”夫

食に関するトラブルは、作る側と食べる側の意識の違いも浮き彫りになるのが興味深い。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「食」にまつわることがらは、多くの人が迷ったり悩んだり、ときにはイラッとしたりするもの。作る側と食べる側の意識の違いも浮き彫りになるのが興味深い。
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やたらと「味変」する夫

「うちの夫、テーブルに並んだ料理を食べもしないうちから味変したがるんです。醤油をかけたりタバスコをかけたり。まずは味を見てから、足りないようならかけてよと思わず言っちゃいますね。だって、それなりにきちんと味つけしているつもりだから」

怒りを抑えながらそう言うのは、アキエさん(38歳)だ。37歳のとき妊娠を機に同い年の男性と結婚、現在は1歳半になるひとり娘を共働きで育てている。

結婚当初は別居していたというアキエさん夫妻。

「そのころ、夫が失業中だったんです。私のつわりもひどかったので、両親が同居するなら子どもが生まれてからのほうがいいと言い出して。私も仕事を続けたかったから、親に甘えてしまいました。ひどいつわりに耐えながら新婚生活するよりは、実家で少しラクさせてもらおうと」

夫はときどき実家にやってきた。アキエさんのお腹が大きくなるにつれ、がんばらなければと思ったのか必死に求職活動をし、娘が産まれる直前、仕事が見つかった。

「学生時代の先輩が力になってくれたそうです。夫もすごく努力していた。娘が3カ月になったころ、やっと同居を始めました」

家事も育児もふたりでこなしてきたが、このところ妙に夫の「味変行為」が気になるようになってきたという。

「今まで余裕がなくて気づかなかったのかもしれません。私、料理は好きなんですよ。だからそれなりに自信もある。なのに何でも必ず醤油やソースを足す夫の行為にドン引きしちゃうんですよね」

先日、ついに「まずは食べてから醤油をかけたら?」と言ってしまった。夫は「え?なにが?」と醤油をかけながら言ったそう。

「それでわかったんです。夫は味音痴なんですよ。私は両親が京都の出身で、子どものころから出汁を利かせた料理を食べてきた。でも夫は学生時代からひとり暮らしでインスタント大好きなんですね。そのあたりでもう合わない。私の料理が彼にはもともと物足りなかったんでしょう。だから食べる前から醤油をかける。一生懸命、出汁をきかせた煮物にいきなり醤油をどぼっとかけられたらへこみますよ」

結婚して2年近くたってから気づいた「味覚の不一致」に、アキエさんは対処しきれずにいるという。
 

食事のときの夫の変なクセ

「いつからかわからないんですが、うちの夫、妙なことをするんですよね」

というのはカヨさん(39歳)だ。結婚して8年、6歳の双子がいる。

「子どもが小さいころから、食べ終わったお皿はキッチンに運ぶよう教えていたんです。夫にもそうしてほしいと言ってきました。そうしたらいつからか、夫はお皿が1枚あくたびにキッチンに持っていくようになったんです」

そんなに広い家ではないから、キッチンはすぐそこなのだが、お皿1枚のためにいちいち立ち上がる夫に、カヨさんは気持ちが落ち着かない。

「夫は自分がお皿を洗うときは、みんなに『食べた皿を重ねるな』とうるさい。でも私が洗う日は自分で持って行った皿をキッチンに重ねている。言うこととやることが違うよねと言ったら、ムッとしたように不機嫌になって……」

困った人ですとカヨさんは苦笑した。それだけではなく、夫のちょっとした潔癖行動も気になっている。

「たとえば肉を焼いて盛ったとき、少しでもお皿に肉汁などがついていると嫌がるんですよね。ペーパータオルできれいに拭き取ってから食べている。レストランじゃないんだから、少しくらいかまわないと思うけど、どうしても嫌みたいです。そのくせ、食べこぼしは子どもよりひどい。私はそっちのほうがずっと嫌なんですが」

夫はカヨさんが少しでも食べこぼすと「何やってるんだ、いい年して」と小言を浴びせるのだが、自分がこぼしたときは「おっとっと」と笑ってごまかす。

「最近、そういうところが本当に嫌なんです。些細なことだけど、夫と一緒に食事をしたくない。だから平日は私と子どもたちだけでなるべく早く食べ終えるようにしています」

夫と食卓を囲みたくない。そんな思いでいる女性は少なからずいるのかもしれない。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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