仕事・給与

高い?低い?年齢別の平均給与額【最新・2022年版】

同年代でも、性別や雇用形態、学歴、業種によって給料事情が違うもの。2022年発表、厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」の調査結果をもとに年齢別の平均給与を紹介します。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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年齢別の平均給与額

違う職種に就職した友人同士、初任給はあまり変わらなかったのに、年齢を重ねるといつの間にか給料が大きく変わっていたということがあります。業種や働き方でお給料は大きく変わるものです。そこで、年齢別の平均給与額を、厚生労働省が調査した「令和3年賃金構造基本統計調査」(2022年最新調査結果)をもとにみてみましょう。同年代でも、性別や雇用形態、学歴、業種などによってどのように変わるのでしょうか?
 

【全年齢の平均給与額】約30万7400円・ピークは50~54歳で36万6200円

年齢・男女別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。男女で賃金の増え方が違う(単位:千円) 出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査(全国)」

年齢・男女別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。男女で賃金の増え方が違う(単位:千円)。出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査(全国)」


表は、年齢、男女別の平均給与(月額)の表です。この調査での給与は所定内給与で、時間外手当や休日出勤手当などは含まれていません。全体の平均は30万7400円。男性は33万7200円、女性25万3600円です。男性が女性より8万3600円上回っています。
  
年齢別にみてみると、給与額のピークは50~54歳で36万6200円。20代は20万円台前半(20~24歳21万3100円、25~29歳24万6200円)ではじまり、30代になり20万円台後半から30万円台にやっと手が届き(30~34歳27万5800円、35~39歳30万5000円)、40代で30万円台前半になり(40~44歳32万8000円、45~49歳34万4300円)、50~54歳が36万6200円、55~59歳は36万5500円と50歳代でピークとなっています。60歳代になるとぐっと減り20万円台(60~64歳29万2800円、65~69歳25万9800円)となっています。
 

【男女別給与額】55~59歳で14万円ほどの開きが

男女別に給与のピークをみると、男性は55~59歳41万3600円、女性は50~54歳27万7900円。男性・女性とも50歳代前半と後半の給与平均は数千円しか変化していません。55~59歳で比較してみると女性の27万3300円に対し、男性は41万3600円。なんと、14万円ほどの差で、1.5倍ほどの開きがあります。
 

【学歴別給与額】年齢が上がるにつれ学歴による賃金差が顕著に

学歴・年齢別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。学歴が高いほど賃金は高く、上昇額も高くなっている(単位:千円) 出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査(全国)」

学歴・年齢別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。学歴が高いほど賃金は高く、上昇額も高くなっている(単位:千円)。出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査(全国)」


表は学歴別の平均賃金です。大学卒は、20歳代20万円台、30歳代30万円台前半、40歳代30万円後半から40万円台前半、50歳代40万円台後半と見事に50歳代までは年齢に比例して給料が右肩上がりになっています。60歳代前半になると37万円程度になりますが、平均と比べてもかなり高い水準であることがわかります。
  
さらに高額なのが大学院卒。大学院卒は30歳代後半で40万円台に入り、40歳代後半では50万円台、50歳代は60万円台と順調に上がっています。実際に一番高額なのが55~59歳の65万7100円で、大学卒の48万5100円となんと、約17万円もの差となっています。また、60歳以降も給料があまり下がらず、ほぼ60万円台をキープしており、大学院卒の給与がかなり安定していることがわかります。
 
大学院卒以外の賃金もあわせてみてみましょう。どの学歴も55~59歳が賃金のピークとなっています。ピーク時の賃金は、大学卒は48万5100円に対して、高専・短大卒33万9300円、高校卒31万4500円と高卒と大学卒の差は17万円にもなっています。20歳代では賃金差は3万円程度でした。年齢が上がるほど、学歴による賃金差がでてきています。
 

【雇用別給与額】男性50~54歳時に、正社員と非正社員で19万円近くの差

雇用形態・年齢別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。正社員とそれ以外の賃金差は平均で11万円ほどある(単位:千円) 出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査(全国)」

雇用形態・年齢別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。正社員とそれ以外の賃金差は平均で11万円ほどある(単位:千円)。出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査(全国)」


表は、雇用形態(正社員と正社員以外)別の平均賃金です。全体では正社員32万3400円、正社員以外21万6700円。賃金差は10万6700円にもなっています。特に差が大きいのが、男性の55~59歳。正社員42万8600円、正社員以外24万2800円と、賃金差は18万5800円。雇用形態でも大きな差がでています。
 
以上が男女、学歴、雇用形態別の平均賃金でした。次に業種別の給与事情をご紹介します。
 

【業種別給与額】全年齢平均トップは「電気・ガス」の41万9700円

産業・年齢別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。産業によって年齢別の平均賃金は大きく変わる(単位:千円)出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査(全国)」

業種・年齢別の平均賃金(残業代などは含まない所定内給与)。業種によって年齢別の平均賃金は大きく変わる(単位:千円)。出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査(全国)」


表は、業種・年齢別の平均賃金です。その業種ごとに一番賃金が高いところに色を付けています。
 
全年齢で平均賃金が一番高かったのが電気・ガス・熱供給・水道業で41万9700円。続いて、学術研究・専門・技術サービス業38万6900円、金融業・保険業38万3500円、教育・学習支援業37万3900円、情報通信業37万3500円となっています。対して、宿泊業・飲食サービス業は25万7600円、サービス業(他に分類されないもの)は26万5500円、生活関連サービス業・娯楽業は26万8200円と26万円程度の業種もあり、業種差は15万円以上ある場合もあります。
 

賃金ピークは「電気・ガス」50~54歳がトップの53万6500円

業種と年齢別で一番高額だったのが、電気・ガス・熱供給・水道業の50~54歳で53万6500円。対して、賃金ピークが一番低額だったのが宿泊業・飲食サービス業の50~54歳で29万2900円。2倍近くの賃金差がでています。
 
これらの平均は、その時点での従業員の平均です。勤続年数などが違うため、一概に比べることはできませんが、いずれの業種も20~24歳の時の賃金は20万円程度で差は3万円ほどだったのが、50歳代になると2倍近くもの差がでています。
 

「情報通信」「学術研究」50歳代で賃金ピーク50万円超に

電気・ガス・熱供給・水道業以外でも、賃金ピークが50万円超えとなる業種があります。情報通信業は55~59歳で50万2600円、学術研究・専門・技術サービス業は55~59歳で50万700円となっています。これらの業種は全年齢平均でも高額となっていました。50歳後半でどれくらいの給与になるかが、全年齢平均の金額を大きく変えているようです。
 
60歳以降の給料で目立つのが、教育・学習支援業。他の業種は軒並み賃金ダウンをしていますが、教育・学習支援業はあまり金額が下がっていません。50歳代とほぼ同レベルの40万円台を維持しています。
 
業種によって、給料の上がり方、下がり方は違っています。また、金額そのものも大きな差がでているところもあります。この金額は残業代などが含まれていない数字ですが、ご自身の給与と比べて、これからの賃金を予想してみてはいかがでしょうか?
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