亀山早苗の恋愛コラム

「そろそろ危険だ…」と感じたら別れどき。“W不倫”経験者が振り返る、後悔と安堵

どんな恋も同じではあるが、一方が終わりと言ったら終わり。それが恋である。ダブル不倫の場合は特に「別れ時」をきちんと見極めなければならない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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北海道で起こった、ダブル不倫の果ての殺人事件。35歳の男性と、47歳の女性。ふたりとも生徒からは人気と信頼を得ていた教師だったという。

「関係に疲れてしまった」

男はそう言っている。恋に落ちるのはやむを得ないとしても、ダブル不倫の場合は特に「別れ時」をきちんと見極めなければならない。
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一方が「別れる」と言ったら、そこがゴール

どんな恋も同じではあるが、一方が終わりと言ったら終わり。それが恋である。理不尽だの納得できないだのと四の五の言うのは許されない。特にダブル不倫の場合は、揉めたらすべてが崩壊する。だからこそ、一方が「そろそろ危険だ」と感じて終わりを示唆したら、すぐにもう一方も引くべきなのだ。

「かつて3年ほど不倫をしていたことがあります。相手も私も家庭があった。仕事と家庭を大事にしながら、なんとか時間をやりくりして会っていたんですが、3年たったとき彼から一方的に別れを告げられました」

そう言うのはマホさん(46歳)だ。相手は職場の上司だった。毎日顔を合わせることはできるが、恋に落ちたら逆にそれがつらかった。顔は見られてもゆっくり会う時間がなかなかとれなかったからだ。それでも3年も続いてしまったのは、「お互いを大事に思っていたから」だと彼女は言う。

「別れを告げられたとき、私はジタバタしました。もう一度だけ会いたいと泣きついたこともある。だけど彼は『好きなままで別れよう』と言い、その態度を崩さなかった。毎日、顔を合わせるからこそ苦しかったけど、彼の意志を覆すことはできない。泣く泣く、上司と部下に戻りました。別れてから1年もたたないうちに、別の部署の人たちのダブル不倫が会社にバレてふたりとも飛ばされたんです。もしかしたら彼は、私たちのこともバレそうだという気配を感じ取っていたのかもしれない」

今は部署が変わってしまったが、彼とは会えばにこやかに話せるようになった。恋を恋としてきれいに終わらせることができたのだ。家庭も平穏なままだ。あのときごねたり揉めたりしたら、今の安定はなかったとマホさんは言う。

「結局、別れ時が肝心なんだと思っています」
 

話し合えばいいというものではない

恋愛においては、なんでも話し合えば解決策が見つかるわけでもない。特にダブル不倫の場合、話せば話すほど揉めることもありうる。

「僕たちがそうでした。お互いにもう別れたほうがいいのはわかっていた。だけど別れ話をすると彼女が泣いたりわめいたりして、『奥さんに全部バラしてやる』と言い出して。彼女にも家庭があったし、うちは子どもがいなかったけど彼女にはまだ小学生の子がいたから、彼女の暴走を避けたかったんです。だから少しずつ納得してもらおうと思って話し続けた。でも話せば話すほど深みにはまっていく感じがありました。もっとビシッとした態度をとるべきだった」

ケンタさん(43歳)はそう言った。1年つきあい、別れ話に1年半かかった。しかも結局、彼女の夫の知るところとなり、彼女は離婚を余儀なくされた。

「その勢いで彼女は僕の妻にすべてバラそうとしたんですが、その前に僕は妻に話しました。結果、うちは再構築することになりました。彼女はそれも気に入らなかったようです。私だけが不利益をこうむったと怒っていましたね。妻に直接、文句を言いに来たこともあります。だけど妻は『あなたが早く別れなかったからでしょう』と彼女に真正面から立ち向かっていた。申し訳なかったと思う。でも僕に言わせれば、恋の責任は五分五分。早めに別れていれば誰も傷つかずにすんだのに……」

5年前のその件ですっかり懲りたケンタさんだが、その後、思いがけなく同い年の妻の妊娠が発覚。今は3歳になる子どもを中心に、妻との関係も修復されている。

「風の便りで、彼女が田舎の実家に戻って再婚したと聞きました。ホッとしましたね。妻には今でも『あなたには前科があるから』とよく皮肉交じりにいじられますが、僕としてはもう一生、妻には頭が上がらないなと思っています。僕が言っても説得力がないけど、やはり周りを傷つけないうちに別れなければいけない。つくづくそう思いました」

行き場がなくなるほど追いつめられてから別れようとしても、お互いにうまく日常に戻れなくなってしまう。ふたりだけで煮詰まり、とんでもない方向で片をつけようと考えてしまうのかもしれない。離婚する気がないのなら、風通しのいい関係のうちに、別れを決断するのが大人の恋なのではないだろうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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