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東京五輪「1000円銀貨」が36万円に高騰! その理由は? 家に眠るコインもお宝の可能性アリ

2022年5月に開催されたコインオークションで、東京五輪1000円銀貨が36万5000円の値をつけ、びっくり仰天の落札価格となりました。自宅に眠る同じコインが化ける可能性があります。一体なぜそのような価格になったのか、そのからくりについて解説します。

伊藤 亮太

執筆者:伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナーガイド

5月21日(土)、横浜でコインオークションが開催されました。そこで、ある1000円銀貨が36万5000円で落札され話題に。自宅に眠っているコインも高値に化ける可能性があります。なぜそのような高値で落札されることがあるのか、そのからくりを解説します。
 

1964年の東京五輪1000円銀貨に注目集まる

東京五輪と聞くと、どうしてもつい最近の東京2020五輪を思い出してしまいますが、今回注目が集まったのは、その前の1964年開催時に発行された東京五輪1000円銀貨。この東京五輪1000円銀貨は、わが国で初めて発行された記念貨幣であり、貨幣収集ブームのきっかけをつくったことでも知られています。

実はひそかに、この東京五輪1000円銀貨で状態のよいものが、高値で取引されるようになってきているのです。一体どれぐらいの金額になっているのでしょうか?
 

トップランク品はコインオークションで36万5000円

5月21日(土)に横浜で開催されたコインオークションでは、驚くべき価格で落札されました。その価格は36万5000円。1000円銀貨が、なんと単純計算で365倍の価格になったのです。

「え?」と思われた方も多いことでしょう。東京五輪1000円銀貨は1500万枚発行されており、実は多くの方が持っていると思われます。実家を探せば出てくるかもという方も多いのではないでしょうか。

実はこの落札された東京五輪1000円銀貨は、PCGSという鑑定会社が「MS68」というグレードを付けたもので、このグレードは鑑定された1000円銀貨の中でトップに位置するものだったのです。
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筆者所有の東京五輪1000円銀貨。こちらはグレード「MS66」

コインの鑑定は70段階で評価されます。このうち68というのは、完全未使用品であり、原色の光沢を残すほか、製造時の擦り傷などが極めて少ない状態の物を示します。1964年に発行されたことを考えると、このような完全未使用品は数が少なく、その中でも68が付くというケースは相当レア。その結果、マニアにはたまらない逸品となり、予想落札価格を大幅に上回る状況になったといえます。
 

保存状態が良ければ大化けする可能性あり

この68評価が付いた東京五輪1000円銀貨は、2022年5月現在、PCGSの鑑定では62枚存在します。62枚もあると思われるかもしれませんが、発行枚数を考えると相当少ないことが分かります。

とはいえ、チャンスはあると思われます。自宅に保管してあるという方は状態を確認してみてください。保存状態が良ければ、このように大化けする可能性があります。PCGSへの鑑定は、泰星コイン、ワールドコインズ・ジャパンといった日本のコイン販売業者が鑑定代行を行っていますので、問い合わせてみましょう。

なお、通常の東京五輪1000円銀貨は、未使用レベルでも2000~3000円程度です。鑑定料金も考慮すると、これぐらいの価格のものはあまり鑑定に出す意味はないかもしれません。あくまでトップグレード品だからこその大化け価格であるので、傷がある・手に触れてしまっていた・洗浄したなどの場合には高いグレードは基本的につきませんのでご注意ください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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