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2022年夏のボーナスはいくら? 上場企業平均は76万5888円

夏のボーナスの時期が近づいてきました。新型コロナウイルス感染症の影響が長引いているものの、人の動きも活発になり、2022年夏のボーナスは大幅に増加となっています。しかし、業種によっては、ボーナスの減少が続くところもあります。各業種では、どんな状況か平均支給額を見ていきましょう。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

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2022年夏のボーナスは平均で76万5888円。対前年同期比で6.5%の増加

2022年夏のボーナスの見込み額について、業種別で、かつ時系列でデータがわかる調査データに基づいて、全体の傾向、各産業別の増減を見ていきます。
東証プライム上場企業の賞与・一時金の妥結水準の推移

東証プライム上場企業の賞与・一時金の妥結水準の推移

一般財団法人 労務行政研究所が、東証プライム上場企業のうち127社から回答を得た集計結果によれば、2022年夏のボーナスの妥結額は、全産業平均で76万5888円。対前年同期比で6.5%の増加となりました。
 
リーマンショック後の2009年冬のボーナスは、前年から実に13.1%ものダウンを示し、その後、一進一退を繰り返しながら、2014年以降、平均額は70万円台を回復しました。そして、2018年、ようやくリーマンショック前の平均額を上回り、74万6105円となっていました。
 
2020年に入り、新型コロナウイルス感染症の影響が顕在化し、2021年夏のボーナスは▲2.5%と大幅ダウンとなりました、今年2022年夏のボーナスは前年から6.5%の増加で妥結額も、筆者がデータを取り始めた2008年以降、最高額となっています。
 
2022年4月に東証の市場再編(市場区分見直し)が行われ、これまで東証1部上場企業を対象にした調査は、今回から、東証プライム上場企業を対象にしています。前年と同一企業で比較されていますので、市場再編による影響はありません。
 

産業別トップは「ガラス・土石」の100万円超。次いで「自動車」の93万3142円

産業別で2022年の夏のボーナスを見ていきましょう。
 
・製造業の平均は79万878円、対前年同期比で8.6%増
・非製造業の平均は68万8500円、対前年同期比で0.1%減


全産業・製造業全体がプラス、非製造業全体が微減と、傾向が分かれる結果となっています。
業種別・平均額

業種別・平均額

個別の産業で見ると、昨年から減少となったのは、製造業では「水産・食品」のみ。非製造業では「電力」「サービス」で、他の業種は増加となりました。
 
平均額トップは「ガラス・土石」の100万8237円。対前年同期比11.7%増。対前年同期比で見ると、「鉄鋼」が20.2%の増加となっています。輸送用機器のうち「自動車」は93万3142円と6.7%増となりました。コロナ禍において、原材料不足等により、生産台数の減少が響き、昨年のボーナスは抑えられていましたが、今年の夏は回復傾向にあるようです。
 
非製造業は、製造業と平均額では約10万円の開きがあります。非製造業の平均額トップは「情報・通信」の85万8750円で、前年から2.9%のプラスになりましたが、非製造業全体では0.1%の微減となっています。
 

平均支給月数は2.47カ月で前年から微増

ボーナスは企業業績に左右されるもので、月収の何カ月分かが、その指標の一つになります。今回の調査では、全産業で2.47カ月(2021年夏季実績2.29カ月)、製造業で2.57カ月(同2.36カ月)、非製造業で1.99カ月(同1.98カ月)と、支給月数も平均額同様、製造業と非製造業での開きが広がった格好になっています。
 

変動するボーナスを過信しない、家計管理の徹底を

実際の家計では、平均額、他業種の状況よりも、「それで、自分の会社は、自分の場合は、いったいいくらなのか」がすべてであり、他の会社や産業、他人と比較しても仕方ないことです。すでに、ボーナスの見込み額を把握している人も多いでしょう。
 
大事なのは、そのボーナスをどのように使うのかということ。何にいくら使うのか、貯蓄にはいくら回すのかなど、事前に計画を立てておくことです。コロナ禍が長引き、これまでとはボーナスの使い方が異なってしまった家庭も少なくないでしょう。
 
たとえば、下記にあげる5つのポイントを参考に、今度のボーナスの使い道を考えておきましょう。
 
(1)毎月の生活費の赤字補てんに回すのは今回限りとする
→今回のボーナスで赤字は解消し、毎月の収支を見直すきっかけとする。ボーナスは家計の調整弁ではあるが、毎回、毎月の赤字の補てんでは、貯蓄を増やすことはできない。コロナ禍によって毎月の収入が減少した場合は、再度、家計支出の見直しを図り、ボーナスに依存した家計からの転換は必要。
 
(2)ボーナス払いのクレジットカードの引き落としは最低限にとどめる
→大きな買い物はボーナス払いにしがち。不要不急の買い物は、できるだけ半年、年間で計画を立て、予算内に収まるようにし、ボーナス払いの衝動買いは避けること。クレジットカードのリボ払いもNG。リボ払いは借金が積み重なり、多重債務に陥る可能性がある。一時的にカードローンなどを利用した世帯は、ボーナスなどで早めに清算することも大事。
 
(3)住宅ローンの繰り上げ返済に回す
→借入金利が低ければ、繰り上げ返済が最優先ではない。子どもの教育費など、他に優先すべきことがないかチェックする。借入金利が現状より高ければ、金利交渉、借り換えが優先。また、ボーナス払い併用をしていて、ボーナスの減少によって支払いに影響が出る場合は、返済プランの見直しを借入先の金融機関に早めに相談すること。
 
(4)ボーナスが残ったら貯蓄するのはダメ
→毎月の貯蓄と同様に、ボーナスの貯蓄も先取りで貯蓄をする。ボーナスで使う予算を決めて、それ以上使わないように、ボーナスが出たら、先に貯蓄をする。いったん、給与振込口座から別の口座に移し替えるのも有効。
 
(5)ボーナスが出てから使い道を決めるのはダメ
→貯蓄分、使う分を決めたら、必要以上に普通預金に入れっぱなしにしないことが大事。ボーナスが支給されてから使い道を考えると、気が大きくなって余計な出費をしがち。リベンジ消費と言われているが、世間の動きに惑わされず、冷静に行動すること。
 
くれぐれも、せっかくのボーナスが気がついたらなくなっていた、ということがないよう有意義な使い方を心がけてください。
 
【参考】
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000082928.pdf
 
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