アメリカ7割、ドイツが第2位、イギリス、さて日本は

 
ジムビームとメーカーズマーク

ジムビームとメーカーズマーク

 新型コロナウイルス禍での2021年も残すところ1ヵ月ほどになった。10月から酒場の制限も緩和されてきているが、また変異株(Omicron)に世界中が脅かされはじめている。来年こそは通常の生活が送れるようにと誰もが願っていても、これだけはどうにもならない。
 100年前はスペイン風邪(1918-1921)が世界中を混乱させた、当時の世界人口4分の1、約5億人が感染したとされている。そしてこの間、1920年にはアメリカは禁酒法(1920-1933)を施行した。いま、禁酒法とはまったく異なるが、新型コロナのせいで世界中の酒場は大打撃を被った。
 この夏、2020年の5大ウイスキーの国別販売数量やスコッチに関する販売数量を記事(本文下、関連記事参照)にした。今回はアメリカンウイスキーの直近2020年国別販売数量ランキングTop10をご紹介するのだが、アメリカに次いで2位はドイツである。なぜドイツなのか。
 ランキングを眺めながら、わたしはアメリカ禁酒法施行前のジャーマン・アメリカン(ドイツ語圏からの移民)の辛い立場に想いを馳せてしまった。『100年前のウイスキー事情その3・アメリカンウイスキー』の記事でも述べているが、ウイスキー業界、ビール業界はジャーマン・アメリカンが牽引していたのである。だから何かにつけアメリカンウイスキーでドイツが関連すると敏感になってしまう。
 バーボン世界販売量No.1「ジムビーム」のビーム家はドイツ系であるし、「オールドグランダッド」のベイゼル・ヘイデン、「I.W.ハーパー」創業者はアイザック・ウォルフ・バーンハイム、ライウイスキーの「オールドオーバーホルト」創業者はアブラハム・オーバーホルトなど、ドイツ系移民の子孫たちがとても多い。
 そしてビールのビッグブランド「バドワイザー」「クアーズ」「ミラー」などの創業者も皆ジャーマン・アメリカンである。
 
 さて、ドイツがアメリカンウイスキー販売数量第2位であるのは、ジャーマン・アメリカンへの愛があるのではなかろうか。また第2次世界大戦後から東西分裂時代の西ドイツ、そして現在もドイツに司令部を置くアメリカ欧州軍によってアメリカンウイスキーは根を下ろしたのかもしれない。
 とはいえ、数字をみるとアメリカの販売量が7割を占めている。圧倒的であるのは当たり前のことだろう。かなりの数字の開きがあってドイツ、イギリス。その差は僅か。そして日本は4位のポジションにいる。ウイスキー好きのフランスが気になるところ。しっかりと6位である。

【アメリカン国別販売数量ランキング2020/Top10】
* IWSR(International Wine & Spirits Record)のデータより
数字はC/S(1ケース/750ml×12本換算)
単位/100ケース以下切り捨て
 
  1. アメリカ    40,009,000
  2. ドイツ     2,295,000
  3. イギリス    2,266,000
  4. 日本      1,647,000
  5. オーストラリア 1,623,000
  6. フランス    1,400,000
  7. ポーランド   1,034,000
  8. ロシア     784,000
  9. カナダ     607,000
  10. ブラジル    564,000
 

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