亀山早苗の恋愛コラム

【実録・飯がまずい妻たち #5】料理上手で明るい妻が隠し続けた衝撃の本性?「真実」を知った夫は…

結婚前は「料理好きのように振る舞っていた」妻が、結婚後、その本性を見せた? そんな話をある男性から聞いた。生活の柱は「食」だけではないとわかってはいるが、「食も大事だと思う」という彼が経験している日々のつらさとは……。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「料理上手」な妻が見せた本性?

メシマズ

結婚前は「料理好きのように振る舞っていた」妻が、結婚後、その本性を見せた?

そんな話をある男性から聞いた。生活の柱は「食」だけではないとわかってはいるが、「食も大事だと思う」という彼が経験している日々のつらさとは……。

 

おいしいお弁当を作ってくれた

6年前に、会社の先輩からの紹介で、3歳年下のキヨミさんと結婚したタツノリさん(39歳)。

「つきあっていたのは1年足らずですが、彼女はよくお弁当を作ってきてくれました。僕がアウトドア派だったこともあって、よく外でのデートもしたんですよ。広い公園のベンチで食べる彼女のお弁当がおいしくて、『こんなおいしいものを毎日食べられたらいいなあ』と思わずつぶやいてしまった。そうしたら彼女、『いいよ』って。そこからトントン拍子に結婚が決まりました」

すぐに子どもにも恵まれ、キヨミさんはいったん勤めていた会社を退職した。タツノリさんもできる限り早く帰った。大変なことも含めて、育児がおもしろくて夢中だったのだ。

「その間も、キヨミは『忙しかったから簡単なものでごめんね』と言いながらもおいしいものを作ってくれていました。寒い日に、帰るとおでんがぐつぐついっていることもあって、ああ、僕はもうコンビニでおでんを買わなくていいんだなと思った記憶があります」

炊き込みご飯なども得意な彼女、栄養バランスもいい。ただ、お弁当だけは「子どもが大きくなるまでは勘弁して」と言われた。

「ところが子どもが生後半年を過ぎたころ、妻が保育園を探し始めた。まだ働かなくてもいいんじゃないかと言ったんですが、『子どもとふたりきりだと息がつまる、ストレスがたまる。働きたいの』と。そう言われたらしかたがない」

そして生後9か月にして、保育園が見つかり、同時に彼女の再就職が決まった。独身時代に働いていた会社の関連会社で、正社員としての採用だった。

「仕事をするからにはきちんとしたほうがいいから、夕飯は出来合いでも何でもいいよと言いました。週末、一緒に作ろうって。妻はうれしそうでしたね。でもそれからも、帰るとけっこう手の込んだ料理がある。僕は出社が早いので、その後に下ごしらえしたと言うから、無理するなといつも言っていました」

 

「真実」がわかったときの衝撃……

メシマズ

子どもが2歳になったころ、近くに住んでいたキヨミさんの母が急逝した。それからキヨミさんはいっさい、料理を作らなくなったという。

「何かヘンだなと思ったんです。でもキヨミにとっては、大好きな母親だったからショックが大きすぎるのかとも推測していました。ただ、いつまでたっても、店屋物とか宅配ピザとかスーパーの惣菜が続くんですよ。さすがにちょっと飽きてきて、週末は僕が作っていました。でもキヨミは手伝おうともしなかった」

そんなとき保育園で初めての遠足があり、お弁当が必要だという。さすがに妻が張り切るかなと思っていたら、なんとコンビニで買ってきたおにぎりを用意している。

「いくらなんでも、と言いかけたら、キヨミが泣き崩れたんです。そこで初めて、すべての料理はキヨミの母親が作っていた、と聞かされました。独身時代のデートのお弁当も、新婚時代の夕飯も。キヨミの母が料理上手だとは知っていたけど、キヨミと一緒に実家を訪ねることはあまりなかったんです。たまに行っても、みんなで外食することが多くて。

それも母親が料理を作っていることを僕に知られたくなかったからだったみたい。そんな小細工までして、自分が作っていると言いたかったのかと愕然としました」

キヨミさんとしては、あまりに料理を褒めちぎられ、実は料理ができないと知ったら結婚してもらえないのではないか、結婚後は離婚と言われるのではないかと不安でたまらなかったようだ。

「別にキヨミの母の料理だって正直に言ってくれればよかっただけなのに。キヨミが料理ができないなら一緒に作ることだってできた。だけど彼女曰く、料理が苦手なのではなく、嫌いなのだそうです。つまりやる気がない。だから早く働いて少しでも罪の意識を減らしたかったと言うんです」

世の中、がんばってもできないことはある。キヨミさんにとって、それが料理だったのだ。ご飯を炊飯器で炊くことはできるが、そもそも「おかずは何にしようと思うと頭が痛くなる」のだそう。母親がずっと作り続けてくれたから、やらずにすんできた側面もある。

「その後は、時間があれば僕がやっています。一度、『嫌いでもがんばってみないと』とキヨミが珍しく前向きになったのですが、3時間かかって、煮物か炒め物かわからないものができていました。彼女自身、できないことに落ち込んでしまって」

そこでタツノリさんはあらためて感じた。自分は料理上手だから彼女と結婚したわけではないということに。キヨミさんの明るさに惹かれたのだと。

「キヨミが明るく楽しくいてくれるなら、料理なんて些末なことなんです。うちは今、材料を混ぜ合わせて温めればできあがるような料理キットが主な主菜。味噌汁もインスタントでもいいし、時間があれば僕が作る。おかげでキヨミは仕事が多忙でもいつも機嫌がいい。僕は食べたいものがあるときは外で食べます。キヨミには残業とか接待とか偽っていますが、彼女を苦しめたくないから……」

なんとなく玉虫色に決着しているので、このままでいいとタツノリさんはしみじみと言った。


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