貯蓄

ライフスタイル別・平均貯蓄額とおすすめの貯金額

年代や家族構成などによって貯蓄額は異なるものです。「自分の貯蓄額は足りているか心配」という方は、ライフスタイル別の平均貯蓄額を知っておくと安心でしょう。ライフイベントごとの必要資金の目安もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

滝田 知歩

執筆者:滝田 知歩

初心者向け貯蓄に役立つ情報ガイド

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<目次>

ライフスタイル別・平均貯蓄額はいくら?

世代やライフスタイルによって必要となる貯蓄額は異なりますが、世間的な平均貯蓄額はやはり気になるものです。そこで、厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況(2019年)」のデータをもとに、世帯構成別の平均貯蓄額を見ていきましょう。2023年5月時点で、貯蓄額等についての調査は最新のものになります。
ライフスタイル別・平均貯蓄額とおすすめの貯金額は?

ライフスタイル別・平均貯蓄額とおすすめの貯金額は?

●ライフスタイル別・1世帯当たり平均貯蓄額/平均借入金額
全世帯……1077.4万円/425.1万円
高齢者世帯……1213.2万円/72.3万円
高齢者世帯以外の世帯……1017.6万円/574.5万円
児童のいる世帯……723.8万円/1119.7万円
母子世帯……389.8万円/148.7万円

厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」

全世帯で「貯蓄がある」と答えた割合は81.9%で、1世帯当たり平均貯蓄額は1077万円となりました。児童のいる世帯では平均貯蓄額は723万円と全世帯平均よりも少なく、母子世帯にいたっては、平均貯蓄額を大きく下回る結果となっています。

また、全世帯では貯蓄額にばらつきがあるものの、貯蓄額を「500万~700万円」と答えた方の割合が9.3%ともっとも多くなりました。児童のいる世帯でも「500万~700万円」の割合が10.6%ともっとも多いのですが、「100万~200万円」の割合が10.1%と2番目に多くなっています。

なお、児童のいる世帯は、1世帯当たりの借入金額が「2000万~3000万円」と答えた方の割合が15.2%ともっとも多くなっています。

児童のいる世帯は、教育費などにお金がかかる上、住宅ローンの負担なども大きいことから、貯蓄に回せるお金が少なくなっていると考えられます。

年代別の平均貯蓄額はいくら?

次に、同データから世帯主の年代別に平均貯蓄額を見ていきましょう。20代から60代までで1世帯当たりの平均貯蓄額は以下のようになっています。

●世帯主の年代別・1世帯当たり平均貯蓄額/平均借入金額
・29歳以下……179.8万円/248万円
・30~39歳……530万円/1071.1万円
・40~49歳……650.9万円/1002.7万円
・50~59歳……1075.4万円/546.8万円
・60~69歳……1461.7万円/213.6万円

厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」

このように、世帯主の年代が上がるほど平均貯蓄額は増えていることがわかります。

前年と比べて貯蓄が減ったと答えたのは総数で38.2%、その理由は「日常の生活費への支出」がもっとも多く、次いで「その他」「入学金、結婚費用、旅行等の一時的な支出」「土地・住宅の購入費」となっています。

なお、「土地・住宅の購入費」が減額の理由と答えたのは30~39歳が一番多く、約2割を占める結果となりました。

一方で1世帯当たりの平均借入金額は、「30~39歳」が1071.1万円ともっとも高く、次いで「40~49歳」が1002.7万円となり、「50~59歳」で546.8万円へと減少しています。

このデータからも、30代で住宅ローンを利用してマイホームを購入している世帯が多いということがわかります。

ライフイベントに応じてかかるお金をイメージする

必要な貯蓄額を予想するためには、年代やライフイベントによってかかる金額をイメージしておくことが大切です。

さきほどのデータで、30代でマイホームの購入をしている世帯が多いことがわかりましたが、いくら貯蓄しておけばいいかは、これから迎えるライフイベントによって異なるからです。

代表的なライフイベントごとにかかる費用は、以下のとおりです。

●ライフイベント別・必要なお金の目安
・結納・結婚・新婚旅行にかかるお金……421万2000円(※1)
・マイホーム購入にかかる費用……建売住宅約991万円、マンション約1245万円(※2)
・幼稚園から高校までにかかる学習費総額……すべて公立の場合約574万円、すべて私立の場合約1838万円(※3)
・大学入学から卒業までにかかる居住形態別・学費と生活費……国立/自宅 : 約395万円、アパート等 : 約689万円、私立/自宅 : 約682万円、アパート等 : 約966万円(※4)
・老後に不足する生活資金(夫婦2人65~90歳)……約668万円(※5)

※1:「ゼクシィ結婚トレンド調査2022首都圏」より。結納・婚約から新婚旅行までにかかった費用の総額の平均額より
※2:住宅金融支援機構「2021年度フラット35利用者調査」より。建売住宅3605万円、マンション4528万円(全国平均の所要資金)で、頭金2割、住宅購入にかかる諸費用を物件価格の7.5%と仮定し、ガイドが算出
※3:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」より。幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の学習費総額
※4:日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」より。学費:授業料、その他の学校納付金、修学費、課外活動費、通学費の合計(入学時の特別納付金<入学金等>は除く)、生活費:食費、住居・光熱費、保健衛生費、娯楽・し好費、その他の日常費の合計
※5:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2022年」より。65歳以上の夫婦のみの無職世帯の月平均赤字約2万2270円が25年続くと仮定

20~30代であれば、結婚にかかるお金や住宅購入資金について考えておく必要があるでしょう。さらに子どもがいるならば、子育てや進学にかかる費用も備えておきたいものです。

子育てが一段落したら、老後の生活資金の準備をはじめましょう。老後に不足する生活資金の目安は紹介しましたが、年金などの収入や支出は各家庭によって異なるため、自身の世帯ではどれだけ不足するかをシミュレーションしておくといいでしょう。

なお、老後に不足する生活資金を試算するために使った家計調査報告のデータでは、住居費は約1万5600円となっています。したがって、賃貸住まいや、住宅ローンの支払いが残っている人は、老後に不足する生活資金が増える可能性があるので、注意が必要です。

年代別の貯蓄割合と貯金額はどれぐらい?

次に、年代別の貯蓄割合を見ていきましょう。こちらは金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2022年)」で実態を知ることができます。

●手取りからの平均貯蓄割合(臨時収入を含む)/平均年間手取り収入(税引き後)
【単身世帯】
20代……16%/235万円
30代……15%/301万円
40代……16%/318万円
50代……13%/285万円

【二人以上世帯】
20代……16%/403万円
30代……14%/550万円
40代……12%/565万円
50代……13%/660万円

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2022年)」

単身世帯と二人以上世帯を比べると、20代・50代は同様の貯蓄割合ですが、30代・40代では単身者のほうが貯蓄割合は高くなっています。ただし、年間手取り収入は二人以上世帯のほうが多いため、必然的に貯金額は多くなります。

こちらの平均値データをもとに、年代別の貯金額を算出したのが、以下の数字となります。

●年代別・年間貯金額/月額貯金額の目安
【単身世帯】
20代……37.6万円/3.14万円
30代……45.15万円/3.77万円
40代……50.88万円/4.24万円
50代……37.05万円/3.09万円

【二人以上世帯】
20代……64.48万円/5.38万円
30代……77万円/6.42万円
40代……67.8万円/5.65万円
50代……85.8万円/7.15万円

自分にあった貯蓄割合と貯金額を考えよう

自分にあった貯蓄割合と貯金額は、前述した「家計の金融行動に関する世論調査」を目安に考えるといいでしょう。

「貯蓄が苦手」という方は、まずは1カ月「何にお金を使ったか」をチェックして、自身のお金の使い方を把握すること。衝動買いや無駄遣いを見直し、お金を使う優先順位を付けることで、理想の貯蓄割合に近づけていきましょう。

なおこちらの貯蓄割合は、ボーナスなどの臨時収入を含めたものなので、こちらのデータと比べて「我が家は月々の貯蓄割合が少ない」と感じた方は、ボーナスからの貯金もプラスした割合で比べてみましょう。

例えば一人暮らしで20代の場合、毎月の貯金は1万円でも、ボーナスで年26万円貯金に回すことができれば、1年間で38万円の貯金額となることがわかります。

その上で、さきほどの「ライフイベント別・必要なお金の目安」を参考に、自身がいまどのライフステージにいて、今後必要になるお金はいくらかを算出することで、より正確な貯金額を導き出すことができます。

準備しておきたいお金を考えて、計画的に貯蓄していくことを心がけましょう。

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