液量はワインかエールか米か

 
どちらも700と750mlの2サイズがある

どちらも700と750mlの2サイズがある

今回はガロン(gallon/gal)という液量・容量単位について述べてみたい。メートル法が国際規格化されたいまも、ヤード・ポンド法に基づくガロンやオンス(Ounce/oz.)といった液量・容量表示を目にすることが多い。とくにアメリカはいまだにガロンがよく使われている。
ちなみにガロンは、酒器の一種を言うラテン語“gatela”(ガテラ/日本の文献には椀との記述が多い)が語源といわれている。
前回記事『ウイスキーボトルに700mlと750mlの何故?』で、ウイスキーをはじめとしたレギュラーボトルの容量基準がEU(700ml)とアメリカ(750ml)では異なることをお伝えしたが、面倒なことに、ガロンもまた英国ガロン(インペリアルガロン/UKガロン)と米国液量ガロン(US fluid gallon)で容量値が異なる。
英国ガロンは1ガロン=4546ml(1クォート=1136ml/1/4ガロン)
米国ガロンは1ガロン=3785ml(1クォート=946ml/1/4ガロン)
この違いはイギリスで歴史的に標準値が変わっていくなかで生じたものである。
イギリスは1824年の“The Imperial Weights and Measures Act”によってさまざまにあったガロンを統一した。インペリアルガロン、あるいはエール(ビール)ガロンの数値と近いものだったためにエールガロンとも呼ばれる。
アメリカの1ガロンの容量は、アン女王時代の1707年に定められた容量で、これをイギリスからアメリカ東海岸に入植したものたちが使用し、定着したものらしい。この数値は、当時のイングランドで広く流通していたワインガロンを採用したもので、ワインガロン、あるいはクイーン・アンズ・ガロン(Queen Anne’s gallon)とも呼ばれる。
そして1ボトルの容量値は次の通りとなる。
英国1ボトル=756ml(1/6ガロン/シックスと呼ばれる)
米国1ボトル=757ml(4/5クォート/フィフスと呼ばれる)
1980年代まで、ウイスキーのレギュラーボトルのほとんどが760mlだった記憶がある。これはシックス、フィフスの液量からきたもので、どちらも近似値約760mlの解釈である。
また1970年代に流通していた「バランタイン30年」に、“4/5Quart”と表示されたボトルを見たことがある。これはアメリカ仕様のものだったのではなかろうか。
ただバーボンに750mlがあったような記憶がある。1990年代くらいまでは760mlと750mlが混在していたように思う。アメリカはメートル法を使用する場合は、1ボトルをキリのいい750mlにしたのだとわたしは解釈している。これは以前記事にした『アメリカンプルーフとブリティッシュプルーフの違い』と同じように、アメリカは極めてわかりやすい数値に落ち着かせているようだ。
日本国内を例にすると、1984年に「シングルモルト山崎」(当時ピュアモルト山崎)が新発売されたときは760mlであった。そして1990年代後半に750mlになり、現在は700mlに落ち着いている。
 
白札720ml

白札720ml

さて、日本には昔から720mlボトルがある。これは明治時代からの4合瓶(1合180ml×4=720ml)が継承されているものだ。
エールガロン、ワインガロンと同様、日本も清酒からきている。でっかい1升瓶。1升は10合で1800ml。これはわかりやすい。では何故、中途半端な4合瓶なのか。これは古くから盃をまわし飲みする文化があるなかで、一盃が4合であったことからきているらしい。やはり酒器である。
1929年、日本初の本格ウイスキー「サントリーウイスキー白札」(現ホワイト)も720mlで発売されている。現在、焼酎のボトルに720mlが使われている製品が多いのは、4合瓶の名残である。
 

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