レギュラーボトルに何故700mlと750mlがあるのか

 
ラフロイグ10年

ラフロイグ10年

何回かにわたって、ウイスキーのハーフボトルや200ml以下の小容量ボトルを紹介してきた。コロナ禍で家飲みの機会が増え、さまざまなブランドの小さなサイズを買い揃えて、飲み比べを楽しむ人たちも多い。
さて、今回はボトルのレギュラーサイズについて語ってみたい。750mlがあれば、700mlがあったりする。このサイトの記事で取り上げているウイスキーの多くは700mlであるが、750mlのウイスキーをいくつか挙げてみよう。
スコッチではシングルモルト「ラフロイグ10年」。バーボンではクラフトバーボンの「ノブクリーク」シリーズや「メーカーズマーク46」などが750mlである。
何故ふたつのサイズが混在しているのか。簡単にいえば、700mlはEU、750mlはアメリカである。1991年、EU(当時EC)がスピリッツのボトル容量統一基準を定めた。フランスのブランデーの基準を採用して700mlとしたのである。ここからスコッチやジンなどのレギュラーサイズも700mlへと変更となる。
では「ラフロイグ10年」は何故750mlなのか。これはおそらく、日本に入ってきているボトルがアメリカ仕様のものであるからだろう。EU諸国では700mlサイズの「ラフロイグ10年」が販売されている。一方「ラフロイグセレクト」の日本での販売は、EU基準の700mlである。
ジンも同様。日本では「ビーフィータージン47度」は750mlであるが、度数の異なる40度と「ビーフィーター24」は700mlである。アメリカとEUの仕様に分かれている。
かなり面倒といえるだろう。つまりアメリカ市場において人気の高い世界的なビッグブランドは、700mlと750mlを揃えていることになる。瓶詰も2ラインあるということだ。
たとえばシングルモルト「山崎」。わたしたちは700mlで親しんでいるが、アメリカ向けの750ml「山崎」ボトルも存在しているのだ。クラフトジン「ROKU」も日本やEUなどでは700ml。でもアメリカ向けの750mlがある。
そして逆もいえる。「ジムビーム」「メーカーズマーク」の700mlは、本国市場ではなく輸出向けのボトル容量ということになる。
 

アメリカも700mlを認可した

 
ノブクリーク

ノブクリーク

ただし、スピリッツ業界は今後変容する可能性がある。昨年、2020年12月に、アメリカ財務省酒類タバコ税貿易管理局(TTB)はスピリッツの新たなボトル容量を認めることを発表した。
これまでアメリカは50ml・100ml・200ml・375ml・750ml・1L・1.75Lの使用を認めていた。発表では700ml・720ml・900ml・1.8Lの使用も認可したのである。今後の動向によっては、イギリスや日本などは、すべて700mlボトルでアメリカへ輸出することになるかもしれない。瓶詰ラインを2ライン持たなくてもよい、ということになる。もちろん、アメリカ市場を睨みながら、このまま750mlも変わることなく出荷していくかもしれない。
それよりも、これまでアメリカ向けに750mlボトルを開発できなかった、つまり資金が乏しかったクラフト蒸溜所なども700mlでアメリカ市場に参入できる。こちらのメリットのほうが大きいかもしれない。
また、日本の焼酎には720mlボトルもある。これもアメリカへ輸出できることになる。アルコール業界活性化につながるかもしれない。

さて、次回からは日本的な720mlボトル、ワインの750mlボトルなど、どうしてその容量で扱われるようになったのか。また年配者にはウイスキーの760mlボトルの記憶がある。このあたりの歴史的背景を探ってみようと思う。(『ウイスキーボトルに見る、英国ガロンと米国ガロンの違い』へつづく)
 

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