お金の悩みを解決!マネープランクリニック/マネープランクリニック・ラジオ番組『2020年の家計防衛』

GDPは過去最悪のマイナス成長で、私たちの家計はどうなる?【2020年の家計防衛】

過去最悪のマイナス成長だったGDPを踏まえて家計にとっての今後の注意点についてファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんが解説します。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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本記事はAll Aboutマネーの連載『マネープランクリニック』の音声番組『2020年の家計防衛』で収録された、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんの対談をテキストで起こした内容です。※音声で聴きたい方はこちらから(第37回 『戦後最悪のマイナス成長。スウィッシュ型って?』)

今回は過去最悪のマイナス成長だったGDPを踏まえて家計にとっての今後の注意点についてファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんとマネーライターの清水京武さんが解説します。(今回の収録は2020年8月に行われました)

 

2020年4~6月期のGDPは過去最悪のマイナス成長。年換算で28%のマイナスに

深野康彦さん:皆さんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦です。

清水京武さん:こんにちは。マネーライターの清水です。今回コロナ禍で日本経済はどうなったのか、またそれによって生活がどのような影響を受けるのか勉強したいと思います。先日、GDPが発表されましたよね。

深野さん:この4~6月期のGDPは過去最悪のマイナス成長となりました。年率換算で、28%程度のマイナスです。でも実はこれでも、欧米よりはマシなんです。アメリカは3割近く、ユーロ圏だと4割、イギリスは5割のマイナスになっています。日本も過去最悪でひどい数字でしたが、GDPというものは過去の数字なので、今後どうなるかが一番のポイントとなります。

総じて世界的に経済活動が復活していますので、4~6月期が大底で、そこから戻していくだろうと見ています。ただし注意したいのは、このGDPは3カ月ごと、4~6月、7~9月、10~12月、1~3月で区切りますが、前期のGDPを基準にデータが公表されるので、どうしても4~6月が悪かったので自動的に7~9月は良い数字が出てしまうんです。

7~9月はあまり実体経済が伴わなくとも良い数字が出るかもしれないので、実際に景気の先行きを考えるには少し時期尚早といわれるかもしれません。10~12月の景気がどうなるのかということが、実は一番重要です。そこでまたマイナスになっているようだと、やはり景気回復にはかなり時間がかかるといえます。 10~12月で思ったよりも良い数字が出れば、意外と景気回復は早い可能性があるということです。今景気の回復というのは、V字回復やU字回復といわれていますが、V字はもう難しいので、U字でいけるかな、というところです。世界の見方としては、U字も厳しいのかなというところです。 今実はスウィッシュ型といわれています。

靴メーカーのナイキのロゴ、あれをスウィッシュというらしいです。ああいう形で戻っていくのではないか、ということですね。大きく落ち込んで、それからゆっくりと間隔を空けて戻っていくイメージです。景気の回復は、やはりかなり時間がかかる可能性が高いですね。

ただ、今世界でワクチンや特効薬の作成が進んでいます。ワクチンは想定以上に早くできるのではないか、といううわさもあります。そういうものができて、かなりの効果があるようであれば、スウィッシュ型であったとしても間隔は狭まるでしょう。 逆にワクチンができたとしてもあまり効果がないとなると、やはり時間はかかるでしょうね。取りあえず大底は打ったけれど、今後の状況次第で景気回復は早くも遅くもなり得るというのが、現状です。

清水さん:そんな中、これから私たちの生活にはどういう影響が出てくるのでしょうか?
 

オンライン化で50代がリストラに直面する可能性は、これからが本番?

深野さん:今まず我々の家計に影響があることといえば、残業代等がなくなり収入が減っている、夏のボーナスが厳しかった、一部企業では冬も出さないと発表されていますよね。リストラも結構増えていて、さらに雇い止めも結構あるんです。時間をかけてこういったことが起こってくるので、我々の生活という意味だとなかなかお給料が元の水準に戻るまでに時間がかかります。ボーナスもしかりです。さらに厳しいことをいえば、40代以上、特に50代なんかはリストラに直面する可能性については、これからが本番です。

清水さん:会社に残れたとしても、いろいろな影響が出そうですね。

深野さん:そうですね。今回の新型コロナウイルスの影響で、会社に行かずとも仕事ができるリモートワークの話があり、その期間がどんどん延びています。世界的に表明している中で一番長いのは、Googleです。当初は感覚2020年いっぱいテレワークといっていましたが、早くも2021年6月までテレワークだということです。

新しい生活様式しかり、今までのように通勤するという風景も徐々に変わってくるのでしょうね。私なんかはコテコテの昭和の人間でメカに弱いので、今のリモートワークの状況下では、お邪魔虫のようになってしまっているんです(笑)。

今の仕事形態だと、ITに慣れない人はやはり真っ先に会社から見限られる可能性はあります。そのあたりをしっかりと考えなくてはいけません。 それと共にこのオンライン化というものに対して、仕事についてというイメージがありますが、今後学校だってどうなるか分かりませんよね。特に大学はまだ通学が始まっているところはほとんどありません。皆オンライン教育になっています。

もしかしたら大学はこれからオンライン化が進んで、行かなくてもよくなってしまうかもしれません。 塾なんかもしかりです。仕事もさることながら、家庭のオンライン化もしっかりとしておかないと、子どもが学ぶ機会も逸してしまうケースが今後あり得るということです。今5Gの話がありますが、そうなると高速で大容量のデータをやり取りできるといわれています。いち早く家に入れるとかしないと、このオンライン化に乗っていくことが難しくなるでしょうね。

家計を考えると、よく我々は家計の見直しで「通信費が高いですね」と言いますが、オンラインに備えて一時的に機器をそろえたり、高速通信のために通信費が今後増えていくことは、ある意味しかたないかも知れません。 逆に通信費を抑えられないのであれば、その他の部分でどうやりくりをしていくか考えていかなくてはいけません。新型コロナウイルスを機に、お金を使うところのメリハリも徐々に変わっていくというのが、今後の流れだと思います。

清水さん:家計の影響は避けられない人が多いと思いますが、そんな中で家計支出の見直しも必要そうです。また、今お話に出たように、キーワードは「オンライン化」ですね。これは家庭でも仕事でも出てくると思うので、ぜひ毛嫌いせずに積極的に取り入れていただきたいです。あとはぜひ皆さん、スウィッシュ型という言葉を覚えていただくといいと思います。

深野さん:スウィッシュ型になるのではないかということは、ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏が言っていましたよ。

清水さん:皆さんぜひこの言葉も覚えていただければと思います。先生、今回もありがとうございました。

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