亀山早苗の恋愛コラム

女が嫌悪する「妊娠中の不倫」から夫婦は本当にやり直せるのか

女優の杏さん(33歳)と俳優の東出昌大さん(31歳)が、別居しているという報道があった。現在、ふたりは修復に向けての別居ということになっているが、こういう場合、元の鞘に収まることができるものだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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不倫発覚後、再構築するのか離婚するのか

不倫発覚後
 

女優の杏さん(33歳)と俳優の東出昌大さん(31歳)が、別居しているという報道があった。原因は、東出さんの3年に渡る不倫、しかも相手は当初、未成年だったというのだ。

とはいえ、相手も現在22歳。年齢よりも5年の結婚生活のうち、3年にわたって不倫をしていたというのが事実であれば、妻としては衝撃だろう。しかも、3人の子をもうけ、ふたりとも仕事をしながら協力体制をとってきたとすれば、「裏切られた」と思っても無理はない。

現在、ふたりは修復に向けての別居ということになっているが、こういう場合、元の鞘に収まることができるものだろうか。

 

なんとか許したけれど……「離婚」はしなかったアヤノさんの場合

妊娠中に夫が不倫、それを知ったのは子どもが1歳を過ぎてからだったというアヤノさん(37歳)。当時はショックのあまり体調を崩して入院してしまった。

「31歳で結婚して、32歳で出産。そのころ夫はすでに不倫していたんですよね。相手は会社の後輩だそうです。ただ、私はそんなことはまったく知らなかったし、夫は出産にも立ち会って、子どもの顔を見てぼろぼろ泣いたんですよ。その後も育休はとれなかったけど、ほぼ残業なしの定時で帰ってきては子どもの世話を焼いていました」

1年後にアヤノさんが仕事に復帰すると、夫はますます子どものめんどうをみるようになった。そんなタイミングで、不倫が発覚したのだ。それは相手がなかなか会えないのを苦に、やたらと夫に電話をかけてくるようになったから。

「夕飯を食べているのに、突然、『ちょっとコンビニに行ってくる』と言い出すんです。あまりにおかしいから、『何か困っていることがあるの?』と尋ねたら、夫は泣き崩れた。不倫相手の彼女が情緒不安定になっていて、自宅に来ると言ってきかないと」

結局、彼女とはアヤノさんが実際に会い、夫はあなたのことを好きだったかもしれないけど、今はあなたの強烈さにドン引きしている、と告げた。結婚しているのがわかっていてつきあっていたんだから、あなたにも責任があるわよね、私が訴えることもできるのよ、と。

「冷静に話したつもりですが、彼女はキーッとなって。怒りまくって『あんなセックスの下手な男と、よく一緒にいられるわね』と怒鳴ったんですよ。20代前半の若い女に、そんなことを言われてしまう夫のことがちょっとかわいそうになりました」

彼女とのやりとりは録音していたので、帰宅して夫に聞かせた。夫は怒りからなのか情けなさからなのか、ぶるぶると震えていたという。

「私も情けなかったですよ。妻の妊娠中に10歳も若い女の子と浮気しているのが自分の夫だなんて。しかも子どもをあれほどかわいがり、協力してがんばっていこうねと言ったのは夫本人なのに、その陰で1年にわたって浮気していたなんて許せないと思いました」

離婚という言葉も口から出た。だが夫はそれを聞くと号泣、子どもと離れたくない、きみとも別れたくないと床に倒れ込んで泣き続けた。

「この人は子どもなんだなとわかりました。私が妊娠中で寂しかったから不倫しただけなんだろうな、と。相手にされてしまった彼女に申し訳ないような気持ちになりましたね」

情けない気持ちが強すぎて、離婚するエネルギーがわかなかったのが正直なところだとアヤノさんは言った。

「夫には、今回に限っては許すけど、二度と同じことをするなと言いました。次は離婚だ、と」

もともとアヤノさんのほうが力関係では強かったのだが、その後、いっそうそれが顕著になっているそうだ。

 

別居後、そのまま会う気がなくなって……離婚を選んだリョウコさんの場合

同じように妊娠中に不倫をされ、出産直後にそれを知ったのはリョウコさん(38歳)。たまたまリョウコさんの妹に自宅にあるものを取りに行ってもらったところ、夫が自宅に女性を連れ込んでいるところに遭遇してしまったのだという。

退院後、リョウコさんは夫の待つ自宅ではなく、実家へ戻った。夫は毎日のように実家へやって来たというが、落ち着くまで別居させてほしいと彼女は言った。

「ただ、夫は『自分が悪いのはわかってる。だけど子どもの顔だけは見たい』と。そこで夫が実家へ来ると私は部屋にこもって顔を合わせないという日々が続きました。結局、半年ほど別居していましたが、私としてはもう夫はいらないなと思った。妹もショックを受けていて、もう義兄を信じられないと言い出して。私だって夫を信用できなかったし、離れてみたら、もともと私に必要な人だったのかどうかわからなくなっていったんです。子どもさえいればたくましく生きていけると思いました」

それでも、「夫婦なんだし家族なのだから、とりあえず戻ってみてもいいかもしれない」と子どもを連れて自宅に戻ろうとしたこともある。だが、どうしても足を向けることができず、途中で実家に引き返した。

「それほどイヤなら戻らなくてもいいと両親も言ってくれて。結局、夫が恋しいとか、夫の顔が見たいとかまったく思うことなく、別居のまま離婚に踏み切りました」

許せない自分を狭量だと思ったこともある。だが、どうしても気が進まないままに自宅に戻っても、いいことはないだろうと予測もできた。

「それ以上、夫を軽蔑したくなかったし、私自身も傷つきたくなかった」

あれから5年、元夫婦は子どもをはさんで、「それなりの」関係を築いている。別れても子どもの親であることに変わりはない。

「必要以上に夫を憎まず、私も自分が壊れることなく、今の関係になれたのはよかったと思っています」

リョウコさんの「自分を偽らない」対応が、自分と夫、そして子どもを救ったのかもしれない。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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