子育て

またつらい産後に戻りたくない! 2人目を生まない本音

年々増えているひとりっこ。そのリアルな理由を知るため、アラフォーママたちに、ガッツリ踏み込んだ質問をぶつけてみました。「なぜ、子どもはひとりっこに?」。望む・望まないにかかわらず「2人目を生まない理由」とは? 経済的理由とは違う、ママたちの本音、第2弾です。

斎藤 貴美子

執筆者:斎藤 貴美子

子育てガイド

近年のきょうだい事情

国立社会保障・人口問題研究所の第15回出生動向基本調査報告(平成28年)によると、現代日本の家族では2人きょうだいが一番多いのだそう。この調査は、同研究所によってほぼ5年ごとに国内の結婚、出産、子育ての現状についてかなり詳しく報告されています(詳しくは記事「ひとりっ子は意外と少数!? 現代のきょうだい事情」参照)。
 

ふたりきょうだいが一番多い中、ひとりっ子のママたちはなぜもうひとりを産まなかったのか。周囲にヒアリングをかけた結果、望む・望まないにかかわらず「2人目を生まない理由」、出てきたものは以下の4つでした。
 

  1. 夫の育児協力が得られない、ワンオペ育児だったから
  2. 1人目育児がつらすぎた……大変な生活に戻りたくない
  3. 妊活してみたけれど授からなかった
  4. 「家族計画」をせず、自然に任せた結果

今回はそのひとつである、「1人目育児がつらすぎた……大変な生活に戻りたくない」というケースをお伝えします。 
 

また「あの大変な状況」に戻りたくない 

なんだかんだで小学校に上がるくらいまでは手がかかります。

なんだかんだで小学校に上がるくらいまでは手がかかります

都内に住む専業主婦のB子さん(39)は、夫と娘(3)の3人家族。娘のお友達にきょうだいのいる子も多く、娘さんは「弟がほしい」と言ってくるそう。B子さんも子どもにきょうだいがいるといいなと思う反面、産後の状況に再び戻りたくないといいます。
 
「娘が3歳になって幼稚園に行くようになり、手が離れてきて、ようやく自由な時間を持てるようになってきたところです。それなのに、また妊娠して出産して産後のつらい身体で24時間育児をしなきゃいけないと思うと、2人目をつくる気になれないというのが本音ですね」
 
B子さんの夫は激務で、家には毎日遅く帰り、休日出勤もしばしば。家にいるときは子どもの世話をしてくれますが、育児はほぼB子さんがやってきました。

「夫は子どもが好きだし、家にいれば何でもやってくれます。私の実家も車で数十分の距離なので、母に子どもを預けたり、母に来てもらうこともできました。でもやはり、子育てのメインは私。産後の身体ではきつかったですね。あれから3年たって年をとっているから、もっと疲れそうですよね(笑)」
 
夫、実家の母、そしてベビーシッターに頼んで育児をやりくりしてきたというB子さんですが、余裕があるわけではありません。

「3歳の子はまだそこそこ手がかかります。子どもを1人預けるにも、家事を終わらせて、預ける準備を整えて、やっと預かってもらうという感じです。それが2人になると思うと……気が重くなりますよね」
 
今も自由時間が多いというわけではありません。小一時間友達と会ったり、昔やっていた仕事を手伝ったりすればあっという間に消費してしまいます。

「若い頃から時間を自由に使って楽しんできて、そんな人がアラフォーになったら育児に専念できるかといったらそうじゃない。時間を自由に使うことや外出することが身体に染みついているわけで、その性質を無理やり変えてまで子どもを生まなくてもいいと思っています」
 

不自由から自由を味わったら戻りたくない 

自分の時間がもてる開放感はひとしお。

自分の時間がもてる開放感はひとしお

「みんな育児をしているから、自分は余裕をもって育児ができると思っていた」。ママたちに話をきいていると頻繁に飛び出すワードです。


しかし、実際ママになってみると、想像していたような心身の余裕はありません。ハタから見れば「育児ができている」ようだけれど、当人たちは切羽詰まって疲れているケースがほとんどです。
 
B子さんは、比較的外部の手を借りながら子どもを育てていますが、それでも心身への負担は大きかったのでしょう。1人でこれなら、2人になったらもっと手がかかる……。B子さんにはまず「冷静な見積もり」があります。
 
そこへ中学、高校、大学、社会人と「自由に遊び、時間を使ってきた」という自らの性質や嗜好への自覚が加わり、2人目を生むのは適切ではないという判断をしています。
 
「母親は自分より子どもと家族優先」という旧来の価値観から離れ、自分を中心に置いたきょうだい計画をした結果、ひとりっ子を選ぶという価値観。人が、女性が、自分らしい人生を歩むことに徐々に肯定的になっている時勢から、今後ますます増えていくだろうと感じました。 

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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