貯蓄

貯金100万円達成! さらにお金を増やすには?

どんなに貯金がうまくても、貯めたお金を上手に活かせなければ宝の持ち腐れです。そこで今回は、「100万円貯まったらやるべきこと」について解説していきます。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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先日、友人から「やっと100万円貯まったけれど、これからどうしよう?」という相談を受けました。
 
どんなに貯金がうまくても、貯めたお金を上手に活かせなければ、宝の持ち腐れです。そこで今回は、100万円貯まったら、さらにお金を増やすためにやるべきことについて解説していきます。
貯金100万円達成!さらにお金を増やすには?

貯金100万円達成! さらにお金を増やすには?

 

その1:ローンの繰り上げ返済

最優先で考えたいのが、「ローンの繰り上げ返済」です。資産運用の観点から見ると、ローンは最悪です。なぜなら、ローンがあると固定支出が増えるからです。お金のプロは、「借金返済に勝る資産運用はない!」と口をそろえて言います。
 
ローンは早く返さないと、雪だるま式(複利)で増えていきます。ローンを借りると、ほとんどの場合、金利がかかります。金利がかかるということは、「借りるお金よりも多くのお金を返さなければいけない」ということです。
 
仮に金利が年率2%の場合は、約36年間で借金は2倍に膨らみます。気を抜いていると、借金は2倍、3倍、4倍と、グイグイ増えていきます。だから、「ローンは大きく借りるほど損! 長期間、借りるほど損!」ということを忘れないようにしましょう。
 
ちなみに、消費者金融などから借りるキャッシングでは、金利が年率18%ほどのものが多いようです。金利が年率18%とは、4年でローンが倍に膨らむペースです。
 
たとえ少額でも返済が長引くと、あっという間に借り入れ額が増えてしまいます。気づけば泥沼にハマってしまいますから、ローンを抱えている場合はまず、繰り上げ返済に充てるとよいでしょう。
 

その2:iDeCoへの加入

次に検討したいのが、「iDeCoへの加入」です。iDeCoとは、個人で利用できる確定拠出年金制度です。積み立てたお金は、所得控除の対象となるので、所得のある方であれば課税の圧縮につながります。
 
貯金が100万円ほど貯まってくると、生活資金以外にも「浮いたお金」が出てきます。この浮いたお金の活用法としておすすめなのが、iDeCoによる拠出です。iDeCoを通じて節税することで、貯金のペースをさらに早める効果が期待できます。このカラクリは下記のとおり。
 
「貯金が100万円貯まる」

「浮いたお金をiDeCoに回す」

「iDeCoへの拠出により課税が圧縮される」

「税金が浮いた分、さらにお金を貯められる」

 
という流れです。所得が多い方ほど効果があるので、ぜひ加入を検討してみましょう。
 

その3:貯めたお金を守る 

最後に「資産を機会損失から守る」ことも視野に入れましょう。なかなか気づきにくいのですが、通貨の価値は常に変動しています。
 
たとえば、2011年末。当時の日本円の価値は、ドルに換算すると1万円=130ドルほどの価値がありました。一方、2021年初時点では、1万円=100ドルほどでした。たったの10年弱で、円の価格は約4分の3に減りました。
 
同様に、2011年末の日経平均株価は8000円ほどでしたが、2021年初時点の日経平均株価は、およそ2万7500円でした。約10年ほどで、株式の価格が約3.5倍に高まったのです。
 
つまり、外貨を持たず、株も買わずに「貯金だけ」していた人は、資産の価値を4分の3に減らしただけでなく、お金を3.5倍に増やすチャンスを棒に振ったのです。
 
「現金を持っていれば安全」という考えは、神話に過ぎません。現金を持つことは、「投資による利益を放棄するリスクを取る」という意味でもあります。

だから、資産を守るためにも、景気変動や為替変動に備えて「外貨建ての資産を持つ」「株式などのリスク資産を持つ」といった対策が必要です。
 
資産を守る手軽な方法として、カウチポテト・ポートフォリオという考え方を取り入れるのがおすすめです。これは、失敗が許されない年金運用(GPIF)などでも採用されています(1)。僕が知る限り最も分かりやすく、手堅い資産配分です。
 

貯めたお金を活かし、さらに貯金を増やす!

100万円を貯めるのは大変です。僕自身、はじめの100万円を貯めるのが、一番苦労したと記憶しています。
 
とはいえ、一度貯めてしまえばコチラのもの。ある程度、サイフに余裕が出てくると、節税制度などを併せることで、貯金がさらなる貯金を呼び寄せます。貯金のペースも加速して、次は1000万円を目指したいですね!
 

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【参考文献】
 
  1. 記事:年金積立金管理運用独立行政法人, 2014, "基本ポートフォリオの考え方", 2019年11月21日時点
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