令和元年度に58歳を迎える男性からは65歳にならないと年金が1円ももらえない

58歳と53歳。この年齢は何を表しているのか、わかりますか? 男性は昭和36(1961)年度生まれの58歳、女性は昭和41(1966)年度生まれの53歳以降の人は、65歳にならないと公的年金を1円も受給することができません。
年金の支給開始年齢は上がっている

年金の支給開始年齢は上がっている

 
昭和36年度生まれの人たちが社会人になった1980年ころは、60歳定年制が主流になり始めた時代。定年を迎えた昭和ひとケタ世代は、現在の老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を60歳から受給することができました。そのため昭和36年度生まれくらいの人たちは、60歳で定年を迎えると、その後は年金をもらって悠々自適に暮らせるものだと思い込んでいる人が多いようです。

ところが、あれから40年近くが経ち、自分たちが年金を受給する時期が近づいてきたら、世の中は少子高齢化、人生100年時代となり、60歳で定年を迎えても年金を受給することはできず、もちろん悠々自適に暮らすなど夢のまた夢の話になってしまったのです。
 

その代わりではないけれど65歳まで働けるようになった

数年前から、定年を迎えても働き続けている上司たちを社内で見かけることが珍しくなくなっているはずです。それは2013年に改正された「高年齢者雇用安定法」で、定年の年齢引き上げ、定年制の廃止、定年後の再雇用のいずれかの措置をとることが企業に義務付けられ、本人が希望すれば65歳まで働けるようになったから。最近では人手不足ということもあり、さらに進んで下図のように66歳以上でも働ける企業が増えています。
 
66歳以上でも働ける企業が増えている

66歳以上でも働ける企業が増えている


具体的な動きとしては、国家公務員の定年を65歳まで引き上げることが検討されていますし、すかいらーくグループは2015年9月に正社員の定年を60歳から65歳に延長、パート・アルバイトは2019年1月から上限年齢を70歳から75歳に引き上げました。

また下図の総務省統計局の「労働力調査」を見てもわかる通り、2018年は60~64歳の就業率は男性81.1%、女性56.8%。いまや60代前半は働いている人が多数派なのです。
 
男女別・年齢階級別の就業率

男女別・年齢階級別の就業率

 

しかし60歳定年後の収入は大きくダウン。そこで頼りになるのが妻のパート収入

ただ60歳以降も働ける環境になってきたといっても、定年制の廃止や定年が66歳以上という企業は下図のように少数派で、下図のように大多数は継続雇用制度によって働いている人がほとんどです。
 
雇用確保措置の内容

雇用確保措置の内容


継続雇用制度とは、本人が希望すれば定年後も引き続いて雇用する再雇用などの制度。60歳までと同じ職場、仕事、勤務形態であっても、いったん定年をしたうえでの雇用となるため、収入は定年前に比べ50%程度になるケースが多いよう。働き続けたとしても60歳前と同じような収入は望めません。

そこで、世帯収入をアップするために欠かせないのが妻の収入。それまでパートなどで働いていた妻も、子供が独立したり、夫が定年を迎えるのを機に仕事を辞めてしまう人がいます。「たいした収入ではないし……」という人がいますが、扶養控除範囲内の年収100万円程度であっても年金が支給される65歳まで働けば500~1000万円程度になります。

老後の金融資産はこのお金があることによってキャッシュフロー表が大きく改善することを、筆者は何度もシミュレーションを作成しているので実感しています。

年金支給開始年齢が遅くなるこれからの時代、夫婦ともに最低でも65歳までは何らかの形で働き続けることが必須といえそうです。

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