夫は自衛官で、退職時の定年が55歳予定。再就職はするつもりですが、定年が早いのです

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回は、夫が自衛官で、住宅を購入したいものの、定年が早く老後のお金についても悩んでいるとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

★マネープランクリニック編集部では貯蓄達人からのメッセージを募集中です★
 
地元に戻ったら家を買いたいのですが……

地元に戻ったら家を買いたいのですが……




■相談者
1114さん(仮名)
女性/パート・アルバイト/32歳
借家
 
■家族構成
夫(34歳)
 
■相談内容(原文まま)  
3年後くらいに転勤で地元に戻れる予定なので、そのタイミングで家を買うか悩んでいます。いくらくらいの家なら無理なく買えるのか聞きたいです。夫は自衛官で、退職時の定年が55歳予定。その後、再就職はするつもりですが、定年が早いのが不安材料です。

また、老後の資金が足りるのかも不安です。それと、旅行が好きなのですが、どこに行くにも飛行機代がかさみます。1年にどれくらい旅行代に使っていいかお聞きしたいです。現状、多い時は年に50万~60万円くらい。

あと、子どもは作らない予定ですが、そこも少しだけまだ悩んでいます。子どもを作った場合、家計や老後は大丈夫なのか。もし可能であればそこもお聞きしたいです。(聞きたい優先は家の購入と旅行、子なしの場合の老後なので、無理だったらなくて大丈夫です)

・外食が多いです。休みの日は二人で映画に行ったり買い物に行ったりします。家計簿をつけようと何度も挑戦しましたが、いつも続きません。そのため使途不明金も多いです。
・夫が仕事でいないとき、私だけ実家(関東)に帰ることがよくあります。飛行機代は地元でバイトをして足しにすることもありますが、家計費から出すこともあり、結構かかっています(そこもどんぶり勘定)。
・お盆と年末年始は夫婦で私の実家に帰省します。そこの飛行機代は高くつきます…貯金から出しています。
・スカパー月5000円の契約があります。
よろしくお願い致します。
 
■マネーデータ
相談者「1114」さんの家計収支データ

相談者「1114」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)収支について
収支の差額分については、私の帰省代や夫の追加小遣いに使っており、貯金に回せていません。夫の手取については、3万円天引きされた後の月収額になります。この3万円については、貯蓄300万円とは別口座に入れていて、現在93万円になっています。
 
 
(2)住居費について
今後、実家の相続の可能性はないため、家の購入を考えています。予算については、3000万~3500万円くらいが希望です。
 
(3)車両費について
転勤にあわせて買い換えるか夫と意見が割れています。私は必要な時だけカーシェアリングを使いたいのですが、夫は購入を希望しています。
 
(4)加入保険について
・本人/終身保険=毎月の保険料2820円
・本人/がん保険=毎月の保険料4000円

・本人/養老保険=毎月の保険料5500円
・本人/医療保険=毎月の保険料1800円

※養老、終身は解約しようと考えています。がん家系のため、がん保険、あと安いので一応医療保険も解約しないつもりです
 
・夫/アカウント型保険=毎月の保険料7100円
・夫/外貨建て終身保険=毎月の保険料1万1200円

(5)ボーナスの主な使い道について
旅行代20万~60万円。車検代約10万円、夫小遣い6万円、外食(結婚記念日、クリスマス)約6万円+普通の外食3万円。残りは貯金の他、臨時出費にドライブレコーダー5万円など。
 
(6)貯蓄について
現在の貯金のうち200万円程度は結婚式のご祝儀でいただいたものです。なので、実際に自分たちで貯められた金額は結婚後2年半で190万円程度です。
 
(7)お勤め先について
退職金2000万円程度です。ですが、今後下がっていくと思われます。退職年齢が早いため、退職金の他に若年定年退職者給付金が1300万~1500万円程度ありますが、こちらもいつ減額されるか分かりません。再雇用制度はありません。ただ、本当に少しずつですが定年が延びているので、夫の退職までにあと何年か延びないかと期待しています。私は割と需要がある資格を持っているため、地元に帰ったらパートで出来れば扶養外れるくらいまで稼ぎたいと考えています(月15万円くらい)。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 3年後の住宅購入は可能。ただし家計の引き締めなどで積み立てを増やすこと
アドバイス2 住宅購入後は、収入アップできれば、子どもの教育費もOK
アドバイス3 今の貯めどきを逃さなければ、老後資金3000万円貯められる
 

アドバイス1 3年後の住宅購入は可能。ただし家計の引き締めなどで積み立てを増やすこと

3年後に住宅購入できるかどうかを前提に話を進めていきましょう。まず、住宅購入については、この3年の頑張り次第です。現在の貯蓄状況では、頭金が不足します。家計の見直しで毎月の貯蓄額とボーナスからの貯蓄額を増やすようにしてください。
 
現在の収入であれば、毎月3万円の貯蓄を7万円にできます。毎月の家計から2万円は支出をしっかり管理することで捻出します。現在でも7万8000円の使途不明金があります。なんとなく帰省費に充てる、なんとなく小遣いの追加に充てる、こうしたことをやめて、支出を明確にするだけでも、2万円増額はすぐに可能になるでしょう。
 
加えて保険の見直しです。まずご本人の保険のうち、終身保険と養老保険を払い済みに。がん保険は解約。つまり医療保険のみ、このまま継続していいでしょう。特約の重複が多すぎるのと、現時点では医療保険のみでいいということもあります。

がん家系で気になるからということであれば、がん保険を残してもいいと思いますが、基本的には医療保険でも十分対応できますので、その点はよく考えてみてください。ご主人の保険については、できれば二つとも解約、もしくは払い済みに。というのも、職業柄、会社で入られている保険は、かなり考えられた保険ではないかと思うからです。内容を確認し、死亡保障が十分であれば、医療保険のみ単独で加入するのがいいと思われます。
 
ご主人が新規で医療保険に加入したとしても、保険の見直しで2万円は浮かすことができます。これは節約のために無理に見直すのではなく、保険の無駄をなくすということです。
 
これで、毎月の貯蓄額は7万円にすることができるでしょう。そして、ボーナスからは半分の60万円を貯蓄に。残ったお金で旅行やその他の支払いに充てる、という考え方に切り替えましょう。それでも好きな旅行費用はボーナスから毎年30~40万円は捻出できるはずです。
 
こうすることで、毎月貯蓄で年間84万円、ボーナスから60万円、1年で144万円貯蓄できます。3年後には432万円。現在の貯蓄300万円を加えると、3年後には732万円貯められています。
 

アドバイス2 住宅購入後は、収入アップできれば、子どもの教育費もOK

3年後に732万円のうち、頭金として450万円、諸費用で150万円。住宅ローンの借り入れは2800万円。貯蓄は約130万円と、ご主人の天引き貯蓄の積み立てで200万円が手元に残ります。購入物件の価格は3250万円が上限となります。
 
住宅ローン2800万円を25年返済(ご主人が55歳で完済)で借りると、金利1.3%で毎月返済額は10万9400円になります。現在の住居費から4万9000円ほど増えることになります。そのため、住宅購入後の貯蓄は、毎月2万円が限界かもしれません。
 
このように、住宅購入自体は問題ありませんが、住居費が増え、毎月の貯蓄が減ってしまうと、老後資金の不安にもつながってしまいます。そこで、ご自身も地元に戻ったら、月15万円程度の収入を得る予定と書かれていますが、ぜひ、そうしてください。

収入が8万7000円増えれば、その分、貯蓄に回すことができます。毎月8万円は貯蓄することが可能だと思われます。ボーナスからは、これまでどおり半分の60万円。これで年間156万円の貯蓄ができるようになります。ご主人の定年退職までの18年で2800万円。さらに、ご主人が天引き貯蓄を続けていれば約650万円、3年後の貯蓄残高330万円と合わせて、ご主人が55歳時点で3780万円が残る、という計算になります。

仮に、お子さんが一人授かり、高校までは公立、大学は私立文系とした場合、教育費はおよそ1500万円。3780万円から差し引いても、約2200万円は残ります。ただ、出産育児で1114さんの収入が一時的に減る可能性もありますので、最終的には1500万円程度が残るということになるでしょう。それでもご主人の退職金1500万~2000万円あれば、老後資金として残せるのは3000万~3500万円。
 
貯蓄が順調に継続できれば、お子さん一人を育て上げ、残った老後資金としては、十分ではないでしょうか。
 

アドバイス3 今の貯めどきを逃さなければ、老後資金3000万円貯められる

ただ、ご主人の定年退職が55歳ということですから、その後も再就職なので、収入を得なければ、3000万円はあっという間に底をついてしまいます。年金受給開始の65歳まで、できるだけ金融資産を取り崩さない働きかたが大切になってくるでしょう。
 
また、今後3年間の貯蓄プランについても、無理のないもので試算しています。帰省費や趣味のご旅行にお金がかかるとはいえ、この3年間でもう少し貯蓄を増やそう、住宅購入後は確実に収入アップして、その分はきちんと貯蓄に回そうと、強い気持ちを持てれば、老後資金の増え方も変わってくるでしょう。
 
最後に、ご主人の転勤が3年後も続く、別の転勤先に赴く可能性があるようでしたら、またその時に、住宅購入プランは考えるようにしてください。いずれにしても、今が貯めどきということを忘れることなく、3年後の住宅購入に向けて、がんばってください。
 

相談者「1114」さんから寄せられた感想

いつも読んでいた深野先生にアドバイスいただけてとても嬉しかったです。自分ひとりではよく分からず、「なんとなく」だったことが全部具体的になって、やる気が出ました。がんばります!本当にありがとうございました。

★「お金の悩みを解決!!マネープランクリニック」の過去記事はコチラへ
★「お金のことで悩む人に、貯金のコツを伝授!貯蓄達人の貯めワザ」はコチラ

教えてくれたのは……
深野 康彦さん

 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子



【関連記事をチェック】
32歳貯金200万円。住宅ローン3500万円が家計を圧迫
32歳、住宅購入で6700万円のローン。今後が不安
32歳貯金930万円。住宅を現金購入するデメリットはありますか?
32歳専業主婦。夫55歳、子どもは生まれたばかり、なのに貯蓄はゼロです
41歳貯金1000万円。老後資金を貯めるため夫にも我慢してもらっていますが……
41歳、夫婦とも派遣社員、貯金800万円。お金のことが心配
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。