貯蓄

知らないと損!?「超おいしい株主優待株」の見分け方

今回は、株主優待をもらえるだけでなく、株価上昇も期待できる「おいしい株主優待株」を見分けるための2ステップを解説します。僕自身も利用しているテクニックなので、ぜひご活用ください。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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プロもやっている! とってもお得な株主優待株の見分け方

先日アップした「買ってはいけない株主優待株の3つの特徴」という記事が人気です。ここでは、危険な株主優待株の共通点として、「割高な株」「収益性の低い株」「権利確定直前の株」の3つを解説しました。

【動画でも解説!】

 

株主優待は、投資先企業からプレゼントを貰えることもあり、とても人気です。とはいえ、扱い方を間違えると「3000円相当の株主優待を受け取るために3万円も損してしまった……」ということにもなりかねません。
 
そこで今回は、株主優待をもらえるだけでなく、株価上昇も期待できる「おいしい株主優待株」を見分けるための2ステップを解説します。僕自身も利用しているテクニックなので、ぜひご活用ください。
 
超おいしい株主優待株

株主優待を上手く活用し、賢くお金を増やそう!

 

ステップ1:割安株に絞り込む

まず、「割安」な株主優待株を探しましょう。実は、株主優待株の多くは割高です。それもあり、多くの株初心者の方は、割高で危険な株主優待株を買ってしまいます。僕らは、同じ失敗をしないように注意しましょう。
 
株の割安性を知るには、「予想PER」を確認するのが有効です(1)。目安として、「予想PERが20倍を超えると割高!」「予想PERが15倍を切ると割安!」といわれています。
 
現在、日本には3600社ほどの上場企業があり、そのうち約1500社が株主優待を配っています。しかし、1500社の株主優待株のうち、およそ500社は予想PERが20倍を超えている割高株です(2)。
 
つまり、株主優待株のうち3分の1は「割高」といえます。優待に気を取られて割高な会社の株を買うと、たとえ株主優待を受け取れても、それ以上に株価が下がって損をしてしまいます。損をしないためにも、割高な株は買わないようにしましょう。
 
過去に「割安な会社の株を見つける方法」をまとめた記事があります。自分が買おうと思っている会社の株が割安か確かめたい方は、以下の記事をご参照ください。
 
参考記事:
◯バフェットも愛用!?手軽にできる割安株投資


 

ステップ2:借金の少ない株に絞り込む

次に、「借金の少ない企業」の株主優待株を探しましょう。
 
単に株価が割安なだけでなく、借金が少ない会社の株式は、株価が上がりやすい傾向が確認されています。一部の研究では、「割安かつ借金が少ない会社の株を買うだけで、年率38%を達成できたぞ!」というデータ(3)さえあります。
 
借金まみれの会社は不景気に弱く、リスクが高い傾向があります。だから、たとえ魅力的な株主優待を受け取れるとしても、借金まみれの会社の株を買うのはオススメできません。
 
借金の少ない会社を探すときには、「自己資本比率」という指標を確認するのが有効です。目安としては、「自己資本比率が50%を超えると、借金が少なく財務が健全」と考えるとよいでしょう。
 
現在、日本では約1500社が株主優待を配っています。しかし、1500社の株主優待株のうち、700社以上は自己資本比率が50%を切っています(2)。
 
つまり、株主優待を発行している企業の半分近くは「借金まみれ」といえます。借金まみれの企業の株を買うと、たとえ優待を貰えたとしても、株価が景気に左右されやすく、リスクが大きい可能性があります。安全に優待を受け取るためにも、借金の大きな会社の株は避けるのが無難でしょう。

 

まとめ

「株主優待はお得な制度だ!」というイメージが広まっていますが、それはあくまで「安くて良い安全な株を買った」場合に限っての話です。「割安な株」や「借金の少ない会社の株」を買い、着実な利益を目指すのがオススメです。
 
賢くお金を増やし、上手に株主優待を受け取るためにも、本記事でご紹介した2つのステップを覚えておいてくださいね。

 【参考文献】
 
  1. 論文:S. Basu, 1977, "Investment Performance of Common Stocks in Relation to Their Price-Earnings Ratios: A Test of the Efficient Market Hypothesis", The Journal of Finance, 32(3), pp. 663-682
  2. WEBサイト:会社四季報オンライン, "スクリーニング", 2020年04月23日時点
  3. 論文:Henry R. Oppenheimer, 1984, "A Test of Ben Graham's Stock Selection Criteria", Financial Analysts Journal, 40(5), pp. 68-74

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