耳・鼻・喉の病気

突発性難聴とは……ストレスも原因?症状・治療法

【耳鼻科医が解説】突発性難聴とは突然耳が聞こえなくなってしまう病気で、血行障害やウイルス、ストレスなどが原因と考えられています。男女比はなく、患者数は50代から急増します。症状が閉塞感のみのこともあれば、耳鳴りやめまいなどを伴うことも。放置すると基本的には治らなくなるため、早めの治療開始が重要です。

坂田 英明

執筆者:坂田 英明

耳鼻科医 / 耳・鼻・喉の病気ガイド

突発性難聴とは……閉塞感のみや、耳鳴り・めまいの症状を伴うことも

耳の診察を受ける患者のイメージ

文字通り、突然耳が聞こえなくなってしまう突発性難聴。症状が出たら早めの治療開始が重要です

「突発性難聴」とは、文字通り突然耳が聞こえなくなる病気です。通常両耳が同時になることはなく、左右の片側のみに症状が出ます。症状が軽い場合は耳の閉塞感のみのこともありますが、耳鳴りやめまいなどを伴うこともあります。放置しても基本的には治りません
 

突発性難聴の原因……血管障害・ウイルス・ストレスなど

突発性難聴の原因としては、血管障害、ウイルス、強大な騒音暴露、ストレスなどが考えられています。男女差は特にありませんが、50代からがとても多くなります。高血圧・低血圧、メタボリック症候群、アレルギー体質などがあることも原因の一つと考えられているため、注意が必要です。
 

突発性難聴からの治療・回復……急性期の早いうちがベスト

突発性難聴は、治療開始が早ければ早いほど回復しやすくなります。2週間を過ぎると治療成績はかなり悪くなってしまいます。1カ月を過ぎると、残念ながらまず回復は望めません。治療法は症状の程度によって異なりますが、血管拡張剤、ビタミン剤、ステロイドの内服あるいは点滴になります。そのほか血流改善の目的で高圧酸素治療、星状神経節ブロックなどがあります。
 

突発性難聴の初期症状が出たらどの病院を受診すべきか

まずは近くの耳鼻科で聴力検査を受けるのがよいでしょう。重症の場合や糖尿病、緑内障など重篤な合併症がある場合は総合病院、大学病院などを受診するのもよいでしょう。
 

突発性難聴の急性期で悩まれている方へ

突発性難聴の急性期において、難聴の程度が重症であれば「聞こえない」という症状がはっきり自覚できます。その場合は、少しでも早く耳鼻科を受診しましょう。わかりづらいのは低音部分のみの軽度難聴の場合です。耳の閉塞感程度でなんとなく耳がボーっとする場合も同様で、早期治療に重要な早期受診を遅らせてしまうことになります。軽い症状の場合でも、少なくとも2~3日持続した場合は耳鼻科を受診し、聴力検査を受けるようにしましょう。

急性期を過ぎてしまった場合、残念ながら回復の見込みは低くなってしまいます。それでも進行を妨ぐことは大切です。突発性難聴の症状を悪化させないために、カフェインを控える、毛染めに有機溶剤を使用しない、禁煙する、イヤホンや騒音に長時間曝露しない、十分な睡眠をとる、低血圧・便秘・アレルギー体質の場合はコントロールする、などの日常生活でできる工夫を積極的に取り入れ、症状が悪化しないように努めましょう。
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